月刊保育絵本
From Wikipedia, the free encyclopedia
0歳から5歳程度までの児童を対象とした幼年雑誌の一種であり、幼稚園や保育園への直接販売を主とする[1][2]。幼稚園等が出版社や取次との間で定期購読契約を締結し、通園する児童1人に1冊を配るスタイルが一般的であり、児童間で同じ物語を読んだ経験を共有する、誌面で紹介された年中行事を体験するといった保育用品・教材としての性格を持つ[1]。
物語絵本と総合保育絵本に大別され、前者は、1号に1つの物語を掲載するものであり、月刊絵本ともいう。後者は、1号に複数の物語や物語以外の記事・付録のついたものであり、幼稚園教育要領や保育所保育指針に沿うように構成されている[1]。また、両者とも児童の発達状況に合わせ、0歳から1歳向け、2歳から3歳向けと年齢別で内容を調整している[1][3]。前者の代表的な雑誌として福音館書店の『こどものとも』、後者ではフレーベル館の『キンダーブック』がある[1][3]。
月刊保育絵本に掲載された作品が単行本化することがあり、著名な作品として、『こどものとも』掲載を初出とする『ぐりとぐら』がある[3]。
歴史
児童雑誌が年齢・性別によって細分化されていく過程で生まれたものであり、1904年(明治37年)創刊の『お伽絵解こども』がその原型とされる[4][5]。同誌は全ページ多色刷りで絵や写真を豊富に用い、書店流通に加え、幼稚園にも販路も拡げていく[6][5]。1926年(大正15年)4月に幼稚園令が公布され、幼稚園のカリキュラムが整備されていったことを機に、その教材の位置を担うものとして1927年(昭和2年)にフレーベル館が『観察絵本 キンダーブック』を創刊する[7][2]。キンダーブックは、幼稚園への直接販売のみの形態を採り、以降、同様の販売形態を採る『コドモノヒカリ』などの後続誌が現れ、月刊保育絵本の原型が完成する[7]。
第二次世界大戦の戦中期は雑誌統合の影響を受けるが、戦後に逐次復刊するとともに、学習研究社などの新規参入が続く[3]。また、至光社が1955年(昭和30年)に創刊した『こどものせかい』、福音館書店が1956年(昭和31年)に創刊した『こどものとも』によって、1号に1組の作家による1つの物語を 掲載するという物語絵本の形態が完成し、『こどものせかい』からいわさきちひろの『あめのひのおるすばん』、『こどものとも』から中川李枝子と大村百合子による『ぐりとぐら』など、後に単行本化される作品が生まれていく[3]。
1960年代以降、年齢別や「年少」「年中」「年長」別に各誌が細分化していくとともに、掲載作品の傑作選、単行本のシリーズ化が始まる[3]。1973年にフレーベル館の『キンダーおはなしえほん』で連載が始まった『アンパンマン』は、1975年に単行本化されて以降、シリーズ化していき、2010年までに700点以上刊行された[8]。