有毛細胞
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有毛細胞(ゆうもうさいぼう、英語: Hair cell)は、すべての脊椎動物の耳における聴覚系および前庭系、また魚類の側線器官における感覚受容器である。有毛細胞は機械的伝達(メカノトランスダクション)を通じて、環境内の動きを検出する[1]。
哺乳類において、聴覚有毛細胞は内耳の蝸牛内にある薄い基底膜上のコルチ器に位置している。この名称は、細胞の尖端面から液体で満たされた蝸牛管へと突き出た、ヘアバンドル(hair bundle、毛束)と呼ばれる不動毛(ステレオシリア)の束に由来する。各細胞には50から100本の不動毛が密集して存在し[2]、動毛(キノシリア)から離れるほどサイズが小さくなる[3]。
有毛細胞は周波数部位局在的(トノトピー的)に配置されている。蝸牛の基底部にある有毛細胞は高周波の音に最もよく反応し、頂端部にある有毛細胞は低周波の音に最もよく反応する。これらの構造の物理的および機能的特性は、聴覚系の周波数軸に沿って体系的に変化する。例えば、高周波領域と低周波領域のどちらに関連しているかによって、ヘアバンドルの長さが異なったり、シナプスの数が多かったり少なかったり、あるいは異なる特性を持っていたりする[4]。
哺乳類の蝸牛有毛細胞には、解剖学的および機能的に異なる2つのタイプがあり、それぞれ外有毛細胞(outer hair cell)、内有毛細胞(inner hair cell)と呼ばれる。これらの有毛細胞が損傷すると聴覚感度の低下を招き、内耳の有毛細胞は再生できないため、この損傷は永続的なものとなる[5]。有毛細胞への損傷は前庭系にもダメージを与え、結果として平衡感覚に困難をきたすことがある。しかし、よく研究されているゼブラフィッシュや鳥類など、他の脊椎動物は再生可能な有毛細胞を持っている[6]。人間の蝸牛には、出生時に約3,500個の内有毛細胞と約12,000個の外有毛細胞が存在する[7]。
外有毛細胞は、蝸牛に入る低レベルの音を機械的に増幅する[8]。この増幅は、ヘアバンドルの動き、あるいは細胞体の電気的に駆動される運動(細胞運動)によってエネルギーを得ている可能性がある。このいわゆる体細胞の電気的運動性(somatic electromotility)は、すべての四肢動物において音を増幅する。これは、ヘアバンドルの先端にある機械受容イオンチャネルの閉鎖メカニズムに影響される[要出典]。
内有毛細胞は、蝸牛内の液体の音の振動を電気信号に変換し、その信号は聴神経を介して聴覚の脳幹および聴覚皮質へと中継される。