楊枝嗣朗
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楊枝 嗣朗(ようじ しろう、1943年 - )は、日本の経済学者。商学博士。専門は金融論。マルクス経済学の根幹をなす『資本論』の貨幣論、信用制度論の誤謬、欠陥を日本の学界では初めて実証的・論理的に明らかにした。
大学院修士課程在学中の1970年頃からの長きに亘る研究の末、以下のような結論に達している[1]。
- 貨幣は商品交換(売買)から発生するとする、マルクス『資本論』の主張(メタリズム=商品貨幣論と呼ばれる)は「歴史的論理的にも成立しない虚構」に過ぎず、貨幣は古代国家による社会経済の統括のために、債権債務関係の簿記・会計の為の価値計算基準として、まず計算貨幣として生成する。鋳貨や信用貨幣は計算貨幣から派生したものである。
- 同様に、近代的信用制度は「産業資本が産業革命を金融するために創造したもの」であり「産業資本の一形態でる」とするマルクスの主張も虚構である。歴史的事実は、産業革命以前に展開された、グローバル経済下での貿易や列強間の植民地争奪戦の金融のために、商人資本や貨幣資本により創出されたものである。イギリス産業革命期、産業資本はそのファイナンスを商人資本・貨幣資本に依存していたのである。
また、メタリズム貨幣論を否定し、貨幣と国家の絆を強調する論調は、MTT 理論(現代貨幣理論)との親和性を指摘されるが、銀行の信用創造機能を、国家が供給する準備金に求める MMTの誤謬から、MMTとは一線を画すとする[2]。