樟紀流花見幕張
歌舞伎の演目
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概要
由井正雪による幕府転覆未遂事件・慶安の変を題材とし、実録本『慶安太平記』や浄瑠璃「太平記菊水之巻」「碁太平記白石泰平噺」などを素材とする[1]。
黙阿弥は、この作品を親友だった四代目市川小團次の養子 初代市川左團次のために書き下ろした[1]。左團次は、若さと芸の未熟さゆえに、なかなか人気が出なかった[1]。小團次と旧知の仲だった黙阿弥は、本作の四幕目に左團次の一人舞台を設定した[1]。これに対して、役者たちは黙阿弥に反発したが、黙阿弥は説得に成功し、左團次に失敗した場合、演劇界に残ることはできないと迫った[1]。黙阿弥による演技指導の甲斐もあって、左團次の忠弥は大評判となった[1]。左團次は本作の成功によって名声を得て、明治三名優「團菊左」と呼ばれるまでになった[1]。
初演時には、時代設定や登場人物名が『太平記』に倣って改変されていたが、1875年(明治8年)5月の河原崎座での再演では、明治政府の史実尊重の姿勢に応じて、時代設定や登場人物が史実に沿ったものとなった[1]。
あらすじ
楠木正成の末裔と名乗る由井正雪は、軍学と武芸を指南する道場に同志を集め、幕府転覆を図る。同志の一人丸橋忠弥は、江戸城攻撃に備えて掘の深さを測量すべく、泥酔した中間に変装するが、来かかった老中松平伊豆守に見咎められる(江戸城掘端の場)。
忠弥は謀反を隠すため、わざと酒浸りの日々を送っている。そうとも知らない舅の弓師藤四郎は、借金の返済と妻お節の離縁を迫る。困った忠弥は、藤四郎に真相を話し納得させようとしたが、かえって驚愕した藤九郎に訴人される。大勢の捕り手に囲まれた忠弥は抵抗むなしく、捕縛される(忠弥内捕物の場)。
松平伊豆守は正雪に切腹を促そうと駿府に駆け付け、正雪は松平伊豆守の面前で腹を切る。
上記の主筋に様々な挿話が入り、内容はかなり複雑なものとなっている[1]。

