欠缺
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意思の欠缺
法の欠缺
表記
この漢字表記は「欠(あくびをしている)」「缺(甕がかける)」という意味で「うっかりして(制度を)損なった状態にしてある」という程度の意味を表わす。
「缺」(ケツ)という文字は、音を表す「夬」と意味を示す「缶」からなる形声文字で、「欠ける」という意味の単語を表記する[2]。
第二次世界大戦後の漢字制限により、当用漢字では「缺」(ケツ)を旧字体とし新字体として「欠」(ケツ)を定めた。これは唐から南宋の頃にはすでに缺が「欠」と略されていたことによる。一方で、もともと「欠」(ケン)という文字が存在し、これは人が口を開いたさまを象る象形文字で、「あくび」を意味する単語を表記する[3][4][5]。
当用漢字は「欠」の音読みに「缺」に由来する「ケツ」のみを認め、従前から存在する別の漢字である「欠」に由来する「ケン」の読みを当用外(のち常用外)とした。しかし、当用漢字に従うと「欠缺」の表記は「欠欠」「けん欠」[6](交ぜ書き)となってしまい、不自然である。そこで、そのため、この語については当用漢字に従わずに例外的に旧字体を用いた「欠缺」の表記が引き続き維持されることになった(例えば、自動車登録令(昭和26年政令第256号)は新字体で書かれているが、同令4条および5条では「欠缺」の表記を用いている。)。
『広辞苑』『大辞林』などの国語辞典でも法律用語に従い、「欠缺」の表記を採用している(新字体#既存の字との衝突も参照)。ただ、新聞や放送局などといったマスメディアでの報道においては、当用漢字が制定された戦後早くの時期からこの表記を使用せず、「不存在」「欠陥」「(法の)不備」などといったわかりやすい表現に言い換えている。
なお中国語では欠缺(チェンチェ)は「缺欠」(チェチェ)と記述しても同じ意味であるが、日本ではこのように記述することはないので注意。