殺人予防
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殺人予防(さつじんよぼう)は、2014年の書籍。
秋葉原通り魔事件を起こした犯人による著書である。執筆した動機というのは、自らの心の内を分析することで、同様の事件を未然に防ぐということであった[2]。
殺人事件や自殺などの人の命が失われるメカニズムというのは全て共通であるとしている。それどころか殺人事件や自殺だけでなく、あらゆる行動のメカニズムが同じであるともしている。このことを理解できてはじめて正しい事件への対策ができるとする。有識者たちの有識というのは間違いだらけであるために糺すとしている[3]。
著者はこの書籍の中で自分自身が起こした事件の動機を自分で理解して、そこから以降の殺人事件を未然に防止しようとする。この書籍で著者は、体験したからこそ分かる真実があるわけで、有識者に騙されないということを読者に求めている。著者は自らの犯罪に対する解釈の間違いで著者の存在が殺されていると感じると同時に、遺族や被害者は犯人ではないものに怒りを向けているとしている。著者は自らの行為の意味を理解して、それを社会に向けて語ることで、自らの言説をつくりだそうとする[4]。
逮捕された時点での犯人は派遣社員で、静岡の自動車会社で働いているという、典型的な人生が不安定な人物であった。このため、多くのメディアは事件の背景には派遣労働が存在しているということを指摘した。だが『殺人予防』では、マスコミによって指摘されている事件の原因を全て否定して、事件の動機というのはインターネット掲示板で起きたトラブルであり、当時に話題になっていた派遣切りなどとは無関係であるということを主張している[5]。
現状に問題があるならば、その問題をどうやって解決させるかについて述べられている。うるさい人がいるという現状を解決させるためにはどうすればよいのかについて述べられており、一般的にはうるさい人に注意をするということなのだが、著者はこの他にも、うるさい人を殺したり、自分が自殺をするということも解決させる方法であるとしている[6]。
遠藤均はこの書籍のことを、犯罪者自らがこれほど深く分析したものは稀であり、単に秋葉原での事件での真相を知るだけでなく、多くの犯罪に至る心理学的なプロセスや、道徳教育、倫理学、犯罪予防にとって、極めて有益な資料となると評する[7]。
脚注
- ↑ 『殺人予防』批評社、2014年。https://cir.nii.ac.jp/crid/1971712334748483774。
- ↑ Inc, Nikkei (2022年7月27日). “自身の心分析、本4冊 死刑囚、判決確定前に出版”. 日本経済新聞. 2026年1月9日閲覧。
- ↑ “殺人予防”. 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア. 2026年1月9日閲覧。
- ↑ “無差別殺人をめぐる社会学的言説と当事者の言説”. 2026年1月9日閲覧。
- ↑ “『秋葉原事件を忘れない』”. 2026年1月9日閲覧。
- ↑ “秋葉原事件・被告からの2回目のメッセージ(下)(篠田博之) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2026年1月9日閲覧。
- ↑ 遠藤, 均 (2020). “秋葉原通り魔事件の真相(2)”. 星槎道都大学研究紀要 = The bulletin of Seisa Dohto University (1): 27–51. ISSN 2435-3469. https://cir.nii.ac.jp/crid/1520854805288414976.