毛切り石

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毛切り石(けきりいし[1]、けぎりいし[2])は江戸時代陰毛を切るために用いられた一対の握りこぶし大ののことである[3][4]江戸では一般的なものであったが、地方ではそのような習俗は殆ど存在しなかった[5]

ひとつの石を台にして、もうひとつの石で上から叩く(擦り合わせるとする資料も存在する)ことで陰毛を切る[3][6]。毛切り石を使うことを「下がり」や「毛きり」と呼んだ[7]。この音がの鳴き声に似ていたことから当時の川柳では毛切り石の音は蛙の鳴き声に例えられている[3][8]

江戸時代、男性はふんどし一丁になることがままあったため、陰毛がふんどしからはみ出ないように陰毛を切る習慣があった[3]。また、長い陰毛は性行為の際に巻き込み、性器から出血する原因となる[9][10]。この毛切れは梅毒の感染場所になりやすいことから遊女も毛切り石を用いて陰毛を切った[3][9][10][11]。なお、遊女の場合は毛切り石の他にで焼いたり、毛抜きで抜いたりする方法も用いられた[12]はさみ剃刀等の刃物を使わないのは、切った切り口が尖るのを避けてのことである[12]

当時の川柳に「女房に ちっと抜きゃれと 二へん撫で」というものや「ぬくことは いやさと女房 かきわける」というものがあったように一般の女性には陰毛を除毛する習慣がなかった[12][13]。そのため、銭湯で毛切り石は男湯にのみ備え付けられていた[3][12][13][14]。これは当時の「女湯へ 蛙きこゆる 毛切石」という川柳からも窺うことができる[8]

を擦るための軽石と共に銭湯の流しの上に長く置かれていたが、明治以降は姿を消した[15]

千葉県南房総市の平群地区(安房郡富山町域)には『毛切り石』という陰毛が長すぎて性行為が出来ないことを名主に相談した仙三という人物が、陰毛を小石で叩いて切ればよいとアドバイスを受けそれを実行し、円満に日々を送ったという内容の民話が伝わる[16]

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