流行
浸透・普及する過程のこと/トレンドまたはバズることの総称
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語源
学術的知見
流行の特徴は、社会の構成メンバーが、ある種の行動様式や思想を模倣する結果として発生するといわれる。それらの現象は心理学的、社会学的な分析の対象になる。
流行する様式は、少なくとも直接的には社会メンバーの自発的意志に基づいて模倣されるとはいえ、人為的に作られる場合もあるし、人々の全く予想していなかったものが流行し出す場合もある。
群集心理学の祖である社会学者のル・ボンは、流行の源泉を人間生来の模倣性に見出した上、この模倣を被暗示性の昂進した群集心理における「感染」の結果であると考えた(感染説)。
「与えられた範例の模倣」として流行を捉えた社会学者のジンメルは、流行とは他者に同調する「模倣」と流行に同調しない他者との「差異化」との統一であると考えた(両価説)。またジンメルは「流行は階級的である」と考えた。流行は人々にアイデンティティ(同一性)を与える。他方では、下層から模倣される上層の作り出す新たな流行によって差異性が保たれる。これにより、流行には寿命があることをジンメルは説明した。
特に大きな流行は、人々が従来の生活に飽き、新しい生活を求めた場合に発生するとも説明されている。
展開過程の分類
流行の展開過程は、それの発生・成長から衰退・消滅までを、いくつかの段階から捉え、分類することができる。
- 潜在期:ある様式が生み出され、それがごく限られた人々に試行される時期
- 発生期:試行過程を経て、新しい様式の存在が人々に知られ、同調者が現れる時期
- 成長期:新しい様式に同調する人々の数が増加し一斉に、普及率が拡大していく時期
- 成熟期:普及が最大の水準に達し、その伸びが鈍化していく時期
- 衰退期:後発的に採用する人もいるがそれ以上に採用をやめる人の数が増える時期
- 消滅期:採用する者が少なくなり、その様式が消滅していく時期
また、流行の生成と消滅のパターンによる分類も可能である(森下伸也『社会学がわかる事典』より)。
イノベーター理論
イノベーター理論は、1962年にスタンフォード大学の社会学者であるエヴェリット・ロジャースによって提唱され、別名普及学とも言われる。特定様式が流行する過程において、その社会を構成するメンバーを「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5種類に分類したものである。
流行採用の動機
鈴木裕久は、流行採用の動機に関する従来理論を以下の5つに整理している。
- 自己の価値を高く見せようという動機
- 社会の中で自己の地位を高めることや、異性による注目や関心を獲得する
- 集団や社会に適応しようという動機
- 流行を採用することで、自分が適切な行動をとっているという安心感を得、また周囲にも自分が適切な行動を取りうることを証明できる
- 新奇なものを求める動機
- 自己をとりまく環境から情報を得ようとする欲求や、自分自身に対する刺激を求めようとする欲求
- 個性化と自己実現の動機
- 自分を他人から区別したいという欲求・感情のはけ口や、意志表示の手段とする
- 自己防衛の動機
- 様々な社会の束縛によるコンフリクトを解消し、自我を保護するため、抑圧された感情のはけ口とする
ファッドとファッション
急激に普及し、あっという間に消えてしまう流行を、ファッド (fads) と呼ぶ。1990年代後半に数か月だけ流行したたまごっちは好例であろう。いっぽうで、長期にわたり流行し、その社会に定着する流行をファッションと呼ぶ(例:ジーンズ)。
思想・信仰
美意識
工業デザイン
感染症
生活用品・服飾
服飾での流行とは、ある一定の時期に非常に採用され、人々の間で広く行き渡っている服飾の様式である。また、服飾デザインに関しては流行の影響が大きい。