三酸化硫黄
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三酸化硫黄(さんさんかいおう、英: Sulfur trioxide)は、硫黄の酸化物で、化学式 SO3 で表される。硫酸の無水物であることから無水硫酸とも呼ばれ、硫酸の工業生産の用途に使われる。酸性雨の原因物質の1つであり、日本では大気汚染防止法により特定物質に指定されている。
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| 物質名 | |||
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三酸化硫黄 | |||
別名 無水硫酸 | |||
| 識別情報 | |||
3D model (JSmol) |
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| ChEBI | |||
| ChemSpider | |||
| ECHA InfoCard | 100.028.361 | ||
| EC番号 |
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| Gmelin参照 | 1448 | ||
PubChem CID |
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| RTECS number |
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| UNII | |||
| 国連/北米番号 | UN 1829 | ||
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 性質 | |||
| SO3 | |||
| モル質量 | 80.06 g mol−1 | ||
| 外観 | 無色から白色の結晶性固体で空気中で煙を上げる[1] 無色の液体および気体[2] | ||
| 匂い | 様々である。蒸気は刺激臭があり二酸化硫黄に似ている 霧は無臭である[2] | ||
| 密度 | 1.92 g cm−3 | ||
| 融点 | 16.9 ℃ | ||
| 沸点 | 45 ℃ | ||
| 水と反応 | |||
| 熱化学 | |||
| 標準モルエントロピー S⦵ | 256.77 JK−1 mol−1 | ||
標準生成熱 (ΔfH⦵298) |
−397.77 kJ mol-1 | ||
| 危険性 | |||
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |||
主な危険性 |
極めて腐食性が強く、非常に強力な脱水剤 | ||
| GHS表示: | |||
| Danger | |||
| H314, H335 | |||
| P261, P280, P305+P351+P338, P310[3] | |||
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |||
| 引火点 | 不燃性 | ||
| 致死量または濃度 (LD, LC) | |||
半数致死濃度 LC50 |
rat, 4 hr 375 mg/m3[要出典] | ||
| 安全データシート (SDS) | ICSC 1202 | ||
| 関連する物質 | |||
| 関連物質 | 二酸化硫黄 硫酸 塩化スルフリル | ||
構造と結合
原子価殻電子対反発則から、気体のSO3は硫黄原子を中心とした平面正三角形構造(D3h対称)を取ると予測されている。
電子状態に着目すると硫黄原子の酸化数は+6、電荷は0であり、6つの電子対を保持している。分子軌道法の点から見ると、これらの電子対のほとんどは非結合的な性質を持っており、典型的な超原子価分子となっている。
化学的性質
生成
三酸化硫黄は研究室では硫酸水素ナトリウムの熱分解により2段階で合成できる。
- 脱水:
- @ 315°C
- 熱分解:
- @ 460°C
他の金属の硫酸水素塩を用いても反応は進行する。この場合、反応条件は中間体の安定性に依存する。
工業的には三酸化硫黄は接触法により製造されている。まず硫黄もしくは黄鉄鉱の燃焼により二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を合成し、電気集塵により精製する。その後二酸化硫黄を酸素及び五酸化バナジウムの存在下で400~600℃に加熱し酸化すると得られる。
また、硝酸法(鉛室法)の過程で二酸化硫黄が二酸化窒素と反応してもできる[4]。
接触法及び鉛室法については記事硫酸#工業的製法と実験室的製法に詳しいので、そちらも参照のこと。
固体の構造
固体のSO3は微量の水に依存した複雑な挙動を示す[5]。気体が凝集すると、純粋な三酸化硫黄がγ-SO3と呼ばれる三量体を形成する。この固体は無色で融点は16.8℃である。この環状構造は[S(=O)2(μ-O)]3と表記されている[6]。
SO3が27℃以上で凝集してできる相は融点が62.3℃であり、α-"SO3と呼ばれている。α-"SO3の見た目はアスベストのような繊維状である。[S(=O)2(μ-O)]n型の高分子であり、末端はヒドロキシル基になっている。β-SO3と呼ばれる相もα型と同じく針状であるが分子量と融点が異なり、融点は32.5℃である。γ相とβ相は準安定相であり、時間の経過に伴い安定なα相へと徐々に相転移する。この相転移には微量の水が関わっている[7]。
固体の蒸気圧は同一温度ではα < β < γの順に大きくなる。また液体の蒸気圧はγ相の値とほぼ同じである。このためα-SO3の結晶を加熱すると、ガラス容器を粉砕するに十分な程の蒸気圧の急増が見られる。この現象はα爆発と呼ばれている[7]。
SO3は高い吸湿性を持つ。熱濃硫酸に木や綿を浸すと発火するが、これは SO3が木や綿の炭水化物に含まれている水分を脱水してしまい、炭水化物が燃えやすくなるためである[7]。




