熟年
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最初にこの言葉を発案・提唱したのは薬理学者の原三郎(東京医科大学名誉教授)とされる。原が現役の教官だった1960年頃に専門誌『医学芸術』に使用したのが最初であった[1][2]。原は「壮年と老年の間に別の言葉があってもよいのではないか」との思いから、「60歳から80歳まで」を示す言葉として「熟年」を考案・提唱した。
原の提案は長い間大きな関心を呼ぶことはなかった。この間、1972年には医学者の島崎敏樹が「前向きに"熟年の季節"を」と題した新聞への寄稿をおこなった[3]。この中で島崎は「人間としての人はみのらせた実が熟して落ちて、これで人生が完結する--こうした最後の場面を迎えられたら最高だがとよく私は思う」として、高齢者が前向きの姿勢を崩すと「熟年ならぬ老年期にみすみすはまり込んでしまう」と記した。この記載が原の提唱に基づくものかどうかは不詳である。
1978年、作家の邦光史郎は、サラリーマンが定年退職した後のセカンドライフを自ら充実させる必要性を主張するにあたり、45歳から69歳(または65歳)までの間を「成熟した年齢」として「熟年(層)」と名付けた[4]。
このようにして、指す範囲の異なる二種類の「熟年」という呼称が1970年代までに個別に提唱された。