夢野の出身地である福岡県で国粋主義結社「玄洋社」と地元ヤクザ組織との間で炭鉱利権の獲得競争から生じた抗争が明治20年代にあり[3]、物語はこの抗争をモデルにしたものである[4]。もっとも小説では、「玄洋社」が、警察及びそれと結ぶヤクザ組織と争う形となっているが、事件当時の頃の県知事は肥後出身の安場保和で玄洋社と近く、実際には「玄洋社」のほうが警察の後押しを受けている[4]。しかし、この小説の影響で、しばしば「玄洋社」が地元資本のために藩閥政府や中央財閥に抗して警察と闘ったかのように誤解されることも多い[5]。