現場代理人は、民法上の代理制度に基づく代理人であり、その代理権の範囲内で行った行為については、請負人自身が行った行為と同一の効力を有する。ただし、現場代理人の代理権の内容及び範囲は、建設業法において一律に定められているものではなく、個々の請負契約及び契約約款の定めによって具体化される。
標準請負契約約款においては、契約の変更、工期又は請負代金の変更、契約の解除等の重要な法律行為については、請負人名義による書面又は協議を要するものとされており、これらの行為は、現場代理人の一般的な代理権には含まれないと解されている。
標準請負契約約款を採用する契約においては、契約書、契約約款、共通仕様書、特記仕様書、現場説明書等が、当該契約の内容を構成する文書として位置付けられている。
ただし、これらの文書が契約内容を構成するか否か、またその優先関係や効力の範囲については、個々の請負契約における約款の採否及びその定めに依存し、すべての建設工事契約に共通するものではない。
建設工事における「注文者」は、請負契約の当事者として、請負人に対し建設工事を注文する者をいい、下請契約においては元請負人、下請契約以外の契約においては発注者がこれに該当する。
実務上、現場代理人は工事現場の統括責任者や現場事務所長として配置されることが多く、施工管理等の業務を兼ねる場合も少なくないが、これらは契約又は社内体制上の役割分担によるものであり、現場代理人の法的定義そのものではない。