球形の牛

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球形の牛は月を飛ぶ[注 1]。American Astronomical Associationの1996年のミーティングで描かれた、天体のモデリングを表した球形の牛のイラスト。
球体の位相同型としての牛。トポロジー学者はコーヒーのマグカップとドーナツの違いを区別できない、という数学的なジョークと関連している[1]

球形の牛(きゅうけいのうし、英語: spherical cow)は、現実に起こる複雑な現象を高度に単純化した科学的なモデルでとらえることを喩えた表現[2]。物理学者がしばしば、考えることのできる最も単純なかたちまで問題を縮小して計算を容易にするために、モデルを現実に適用することが難しくなってしまうことさえある、というおかしさをついている。

もとは次のような理論物理学者のジョークに由来する言葉である。

牛乳の生産量が低かったとある酪農家が地元の大学に手紙を書いて学術的な支援を求めた。様々な分野の教授たちが協力を約束し、理論物理学者がリーダーになることが決まった。農場で2週間かけて徹底的な調査が行われた後、教授たちは大学へ戻り、データがつまったノートをリーダーに預けた。後は報告書にまとめるだけだった。するとすぐに物理学者は農場へと逆戻りして、酪農家にいった。「解決策が見つかりました。まず球形の牛を真空状態においてください」

牛を真空状態に晒せば窒息死してしまうし、そもそも球形の牛など存在しない。過剰な単純化により現実に適用出来ない結論が導出されている。

このジョークにはいくつかのバリエーションがある[3]。ロシアでは「球形の馬」と呼ばれていて[4][5]、物理学者がどんなレースでも、球形の馬が真空を動くものとして小数点以下の計算をすれば勝ち馬を予想できるというジョークから来ている[6]。アメリカのドラマ「ビッグバン・セオリー」にはバリエーションとして「球形のニワトリ」のジョークが登場する。

脚注

関連項目

外部リンク

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