瘋癲老人日記
谷崎潤一郎によるハードカバー
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梗概
77歳の老人・卯木督助のかたかな書きの日記の体裁をとっており、歌舞伎の「助六」を観に行く場面から始まる。督助は息子の妻の颯子に性的魅力を感じているが、颯子は夫のいとこの春久と遊びまわっている。督助は颯子の足に踏まれたいというフット・フェティシズムとマゾヒズムの欲望を抱いており、颯子に猫目石を買ってやり、その代償のように颯子の足に頬ずりし、その足の型で仏足石を作るが、血圧が高くなり入院する。最後は周囲の人々による手記でしめくくられる。
老人の日記は歴史的かなづかい、看護婦の手記は新かなづかいと、書き分けられている(新潮文庫版および旧版の中公文庫版ではいずれも新かなづかいにされている)。
老人の性を描いたものとして、『鍵』、および川端康成『眠れる美女』と併称される。のち、谷崎の最後の妻谷崎松子の連れ子である渡辺清治の妻・渡辺千萬子との往復書簡が公開され、千萬子が颯子のモデルであることがはっきりし、また当時の谷崎の生活をかなりそのまま用いており、看護婦の手記も実際にあったものであることが分かった。