白日別
日本神話において伊耶那美命(イザナミ)が生んだ大八島の一つ
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白日別(シラヒワケ)は、日本神話において伊耶那美命(イザナミ)が生んだ大八島の一つ、筑紫嶋(九州)を構成する四つの面のうち、筑紫国(北部九州・福岡)を指す神名である。
概説
名称と語義に関する考察
「白日(しらひ)」という語は、「明るい太陽」を意味するとする説がある。筑紫嶋に割り振られた四つの神名にはすべて「日」の字が含まれている。また、『万葉集』第五巻(巻五・794)には「しらぬひ 筑紫の国に」という表現が見られ、「白縫(しらぬひ)」という枕詞と「筑紫」の結びつきが指摘されることがあるが、その語義や関係性については定説を見ていない。[1]
「別(わけ)」という称号は、古代日本における人名・尊称にしばしば見られ、特にワケ・ヒコ・ヒメといった語が神名・人名に付されることは、国や島を擬人化する命名方法とされている。
『古事記』に見られるこのような命名は、天武天皇以後の編集理念に基づく新しい形式であるとの見方があり、特に「別」という称号の成立については、古代日本の皇子分封思想との関連が論じられている。
これは、大化改新前後において、天皇が諸皇子に国や郡を分封した事例に対応する象徴的表現であり、「別」という語が天皇や皇子の統治権を象徴する称号として用いられたとされる。 一方で、「別」は大化以前から存在した実在の姓や尊称であった可能性を否定し、「ワク(分く)」という動詞に由来する造語であるとする説もある。[2]
この見方では、「別」は天皇統治の発展段階にふさわしい概念として意図的に創出されたものであり、『古事記』における神名・人名体系の一環として構成された称号であると解釈されている。