独占的通常実施権による差止請求権に関して、債権者代位による差止請求権の行使について肯定する学説が多い中、固有の差止請求権を認める立場をとる。
妨害排除請求権を認める要件として、妨害排除を認めるべきことによって生ずべき侵害者の犠牲の程度と、被害者が妨害排除によって受ける利益などの比較考慮によって決定すべきであり、被侵害利益の種類性質と、侵害行為の態様との両面からも相関的に考慮すべきであって、この判断のしかたは不法行為の成立について違法性を判断する場合と同様であるとする。この考え方によると独占的通常実施権者に固有の差止請求権を認めるべきこととしている[3]。
先使用権制度の趣旨に関しては、大別して経済説と公平説があるが、公平説を採りつつ先使用者の発明の占有状態に先使用権の存在理由があるとする。特許出願の際、当該特許発明と同一の技術思想を自己のものとして一種の占有状態が認められるものに対して、公平の見地から当該技術を継続実施する権利を認める必要があるとしている[4]。
著作権も所有権も排他的支配権であるが、その客体が異なっているから併存することができる。ある有体物に対する所有権は、その有体物に対する排他的な支配権能にとどまり、その支配権能をおかすことなく、有体物上に表現されている模様などの無体物を利用したとしても、その行為は所有権を侵害するものではないことになる[5]。