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真理の合意説

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真理の合意説(しんりのごういせつ、英語: consensus theory of truth)とは、人々が一般的に同意するという理由だけで言明を真とみなすプロセスのことである[1]:134。

合意の諸類型

万人の合意

古代以来の真理基準である「万人の合意」(consensus gentium、ラテン語で「人々の同意」の意)は、「人々のあいだで普遍的なものは真理の重みをもつ」(Ferm, 64) と述べる。多くの真理の合意説はこの原理の諸変種にもとづいている。基準のなかには普遍的同意という概念を厳格に解するものもあれば、合意の条件をさまざまな仕方で限定するものもある。所与の問いについて意見を述べる特定の集団、同意に必要とされる集団の割合、合意を宣言するために必要な期間が、古典的規範とは異なる合意説のヴァージョンも存在する。

統制的理念としての合意

「記述的理論」とは事物がいかにあるかを語る理論であるのに対して、「規範的理論」とは事物がいかにあるべきかを語る理論である。実践的に言えば、より適切には「方策」と呼ばれる規範的理論は、行為主体がいかに行為すべきかを語る。方策は、いかなる場合でも行為主体がいかに行為すべきかを語る絶対的命令でありうるし、ある目的を達成しようとするならば行為主体がいかに行為すべきかを語る条件的指令でもありうる。方策はしばしば「発見的方法」「格率」「規範」「規則」「スローガン」などと呼ばれる助言の形で述べられる。方策の他の呼び名としては「勧告」「統制的原理」がある。

統制的理念は記述の形で表現することができるが、それが記述するのは理想的な事態、すなわちその狙い・目的・目標・意図・対象を構成する存在状態である。現実の場合が理想的な場合であるということは通常起こりえない。さもなければ、理想の達成を目指す方策などほとんど必要とされないはずだからである。

現実の条件と理想的条件との区別に対応して、現実の合意と理想的合意との区別がある。現実の合意の概念にもとづく真理論と、理想的合意の概念にもとづく真理論とは、まったく異なるものである。さらに、理想的合意はいくつかの異なった仕方で理想的でありうる。合意という状態は、それ自体の本性において理想的でありうる。すなわち、現実の経験という母体のなかで、抽象化、外挿、極限の形成といった知的操作によって構想されるのである。あるいは、合意が可能であると考えられる諸条件が、現実の条件の理想化として定式化されうる。きわめてよく見られるタイプの理想的合意説は、一つあるいは複数の点で現実の共同体の理想化となるような共同体に言及するものである。

批判

素朴なあるいは純粋な真理の合意説、言い換えれば、それ以上の限定なしに現実の共同体における現実の合意にもとづいた真理の取り扱いを主張する著名な哲学者は、ほとんど見出しがたい。一つの明白な批判は、合意説に万人が同意するわけではないということであり、これは合意説それ自身の基準によって合意説が真ではないかもしれないことを含意する。もう一つの問題は、無限後退に陥ることなく合意がいかにして達成されたかをわれわれが知る仕方を定義することである。たとえ万人が特定の命題に同意したとしても、万人がそれに同意していることに万人が同意するまでは、それが真であるとはわからないかもしれないのである。とはいえ、素朴な合意説はしばしば議論の主題となるが、それは明らかにこの説が代替理論の議論にとっての参照点としての役割を果たすからである。

合意が真理に等しいならば、真理は実験や観察によって発見されたり、合意とは独立に存在したりするのではなく、合意を強制したり組織化したりすることによって作りだされうるということになる。数学の諸原理もまた合意としての真理のもとでは成立しない。なぜならば数学的命題は互いに積み重ねられて成立するからである。もし合意によって 2+2=5 と宣言されたとしたら、2+2=4 となる数学の実践は不可能になってしまうであろう。

イムレ・ラカトシュは、これを一部の知識社会学者、とくにトーマス・クーンやマイケル・ポランニーによって主張される、証明可能な真理の「水で薄めた」形態と特徴づけている[2]。

哲学者ナイジェル・ウォーバートンは、合意による真理のプロセスは信頼できず、何かについての一般的な同意があるからといってそれが真になるわけではない、と論じている。ウォーバートンによれば、真理の合意説が信頼できない理由の一つは、人々は騙されやすく、容易にミスリードされ、希望的観測に陥りやすいからである。圧倒的な反証や事実があるにもかかわらず、単に事態がそうであってほしいと願うだけで、ある主張を信じ、それを真理として支持してしまうのである[1]:135。

脚注

参考文献

関連項目

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