秋葉達雄
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初期キャリア
東京都荒川区出身[4]。20歳から10年以上にわたりエンターテインメント系の接客業に従事した[4]。接客業は軌道に乗っていたが、ある挫折をきっかけに自暴自棄になっていたところ、知人から新宿・歌舞伎町のホストクラブの店舗デザインを依頼された[4]。
接客業の経験から、店舗としてあるべき動線、見せるべきもの隠すべきもの、スタッフを最高に引き立たせるデザインなどが見えた。「自分は売上に直結することをデザインで表現できる」ことを自覚し、デザイナーの道を歩むことを決意する[4]。
世界巡業と独学修行
デザイナーとして生きていくことを意識しながら33歳でバックパッカーへ転身[4]。その後2年半かけて約40ヶ国を巡り、世界のエンターテインメント空間や一流デザインを見て回った[4]。
トルコのカッパドキアでは、天然の洞窟を削って作られたクラブなど、日本では到底出会えないような空間を体験[4]。刺激を受けながら、独学でグラフィックの勉強も開始した[4]。
起業・法人化
帰国後、最初に手がけたホストクラブが大幅な売上向上を記録したことで話題となった[4]。他の系列6店舗すべてを任せられるようになり、2012年に個人事業主として起業した[4]。人の繋がりや紹介で仕事が舞い込むようになり、法人化を決意する。
2015年5月、世界各国から若手クリエイターを集結させた「株式会社T&C JAPAN」を設立し、代表取締役CEOに就任した。
その後、事業の拡大と組織体制の強化を図り、2025年にはユニオンテック株式会社へのグループジョインを機に取締役会長に就任[5]。経営全体の統括とデザイン戦略の指揮を担う立場へと移行した。
事業内容
空間デザイン事業
T&C JAPANでは、飲食店の店舗デザインをはじめ、富裕層向けの住宅デザイン、建築デザイン、乗り物デザインなど、さまざまな空間デザインの提案から施工管理までをトータルでサポートしている[3]。
企業理念「感動創造」のもと、図面を忠実に再現するだけではなく、クライアントが求める空間のゴールを設定する[6]。「クライアントの先の顧客が初めてその空間に足を踏み入れた瞬間の感想」まで考慮したデザインを行う[7]。
技術的特徴
他社にはない特徴として、フルCGアニメーションやAIを用いたプレゼン資料による独自の営業手法を持つ[2]。同社では完成した空間を体験できるCGアニメーションを使用した動画を用いる[2]。あたかもそこに所有者が存在するかのようなイマーシブ体験を提供し、壁のデザインからコンセプトまでをすべて図面に盛り込むことができる[2]。これにより、CGで作られたイメージとまったく同じデザインで店舗が完成する[2]。
デザイナーが監修しながらの映像制作が可能で、エンターテインメント的な見せ方をしながらデザインの訴求性を向上させている[2]。
事業構造の発展
T&C JAPANでは、デザイナー自ら描くCGアニメーションを用いて「顧客の理想の空間」を提供することで、国内及びマレーシアをはじめとするアジア諸外国の富裕層に高い支持を獲得している。
当初は設計施工を担う企業との連携が必要で、2社分のコストが発生し顧客層が限定される課題があった。2025年、ユニオンテック株式会社へのグループジョインにより[8]、従来の「デザイン設計×施工」にT&C JAPANのデザインに特化した機能が加わった。デザイン特化の設計・提案・施工をワンストップで提供し、コスト削減を実現する体制を確立した[9]。
主要作品
エンターテインメント施設
- NEVERLAND Tokyo(渋谷)
- 2021年7月オープン。旧VUENOS跡地に誕生した"夜のテーマパーク"をコンセプトとするクラブ。「奇天烈空間」と称される独創的な内装で、アジアの遺跡風渡り廊下、プリンセス風大階段、ヨーロッパ宮殿風VIP席など異世界のテーマパークのような非日常空間を演出している。MUSE Design Awards 2025、Silver Winner受賞作品[10]。
- CLUB CAMELOT(渋谷)
- 2021年3月リニューアル。収容人数1,500~2,000人超の日本屈指の大型クラブ。総工費2億円規模のリニューアルコンペを勝ち抜き、世界初のホログラム技術を活用した飛沫防止ガラスシールド付きバーカウンターを導入した。コロナ禍における「感染対策とエンターテインメントの融合」を実現している。
- ニューレックストーキョー
- 創業44年の老舗クラブを全面リニューアル。再オープンまでの過程がYahoo!ニュースに3度にわたり取り上げられた。
- GALA Resort
- 大阪・心斎橋の老舗クラブ「ジラフ」跡地にオープン。リゾート感と音楽の融合をテーマとした空間で、現在は京都・福岡・鹿児島と多店舗展開を進める西日本のナイトエンタメブランドの基盤を築いた。
飲食店・レストラン
- 牛宮城
- 宮迫博之とヒカルの焼肉店の内装デザインを担当。YouTube番組にも出演し、内装デザインの詳細を解説した。
- ひとりしゃぶしゃぶ 七代目 松五郎
- 2020年6月、赤坂にオープン。ひとりしゃぶしゃぶという業態を多店舗展開していく旗艦店としてのデザインを担った。
- The Mint Ginza
- 2023年10月、東急プラザ銀座にオープンしたルーフトップカフェ&バー。
- ao ringo(シンガポール)
- 西麻布のモダンスパニッシュレストランのシンガポール進出店舗。オーチャード駅から徒歩3分の好立地に出店。現在は閉店。
- 焼きあご塩らー麺 たかはし
- 新宿本店および台湾・台北海外出店の内装設計を担当。
- GYUKYOKU(マレーシア)
- マレーシア・クアラルンプールの五つ星ホテル屋上にオープンした焼肉レストラン&ルーフトップバー[11]。
住宅・オフィス
- Aojiru House(青汁ヒルズ)
- 三崎優太の自宅[12]。プロジェクト名「M's HILLS」として手がけ、クライアントのニックネーム"王子"にちなんで情熱的な黒で統一したインテリアが特徴。MUSE Design Awards 2023 Gold Winner受賞作品[13]。
- Tam Tam Pent House
- 東京・豊洲エリアの170メートルの高さに位置する高層住宅。夜空に魅了されたオーナー夫妻のため、特製シャンデリアとスワロフスキー・クリスタルの階段を特徴とし、星空の煌めきを日常に取り込むコンセプトで設計。MUSE Design Awards 2023 Gold Winner受賞作品[13]。
- ザ・スカイ・レジデンス(京都)
- 伝統的な京都の美学と現代的なラグジュアリーが融合した空中邸宅プロジェクト。吹き抜けの開放的なリビングスペースに大胆な銅色のペンダントライトを配し、床から天井まで広がる窓から都市のパノラマビューを取り込む。中2階デザインによる空間の奥行きと流動性、ベージュとブラウンのトーンで統一された家具により「わび・さび」の精神を表現し、居住空間を超えた「浮遊する舞台」として評価された。MUSE Design Awards 2025、Gold Winner受賞作品[14]。
- 京都白川の町家
- 京都の伝統的建造物群保存地区、白川のほとりに位置する町家のリノベーションプロジェクト。源光庵の「悟りの窓」にインスパイアされた円形窓、新たに設けられた坪庭、川を望む露天風呂など、伝統的な京町家の美学を現代的に再解釈した空間デザインが特徴。江戸時代後期の画家・中村芳中の作品や、120年以上の歴史を持つ京都の屏風工房・泰山堂との共同制作による屏風など、京都の芸術性を空間に取り入れている。Global Future Design Awards 2025、Silver Winner受賞作品[15]。
- ホライズン・フレーム(神奈川県・佐島)
- 神奈川県南西部の険しい海岸線に建つ住宅プロジェクト。床から天井までのガラス壁を通して太平洋と富士山のパノラマビューを額縁に収め、インフィニティプールと浮遊するBBQパビリオンが特徴的な空間構成。昼間は自然光による静謐な観覧ギャラリーとして、夜間は水中LEDとLEDストリップによる光の彫刻作品へと変容する、時間の経過そのものをデザインに取り入れた住宅。MUSE Design Awards 2025、Silver Winner[16]及びGlobal Future Design Awards 2025、Gold Winner[17]受賞作品。
- 板野友美邸
- アーティストである板野友美のライフスタイルに寄り添う繊細かつ機能的なクローゼットルームをデザイン[18]。バッグや洋服がきれいに見えるようなデザイン設計。
美容医療クリニック
- HAAB×DREAM BEAUTY CLINIC(大阪梅田院・青山院・原宿院)
- エメラルドブルーの大理石の壁と天井のミラーリングが特徴。MUSE Design Awards 2023 Platinum Winner受賞作品[13]。
- X clinic(名古屋院・天神院)
- クリニックのマークであるXをデザイン内に配置。スタイリッシュな空間に。
受賞・評価
2023年
MUSE Design Awards 2023において、手がけた3作品が「Platinum Winner」(HAAB×DREAM BEAUTY CLINIC)および「Gold Winner」(Aojiru House、Tam Tam Pent House)を受賞[13]
2025年
海外展開
アジア進出の実績
マレーシアへの進出を果たし、ルーフトップバーやヒンドゥー寺院の内装デザインを手がけた。マレーシア初の国際金融特区「TRX(Tun Razak Exchange)」の唯一の公式高級タワーレジデンス最上階のデザインを担当している[4]。
TRXは、マレーシア財務省が所有する東京ドーム6個分の土地を利用して開発されるクアラルンプール中心部の歴史的な国際金融特区である[4]。この大型プロジェクトへの参画により、日本で培ってきた技術や感性、手法が海外でも広く需要があることを実感した。
また、シンガポールにも海外拠点を設置し[4]、ベトナム・ダナンのビーチリゾート開発やシンガポールのレストラン計画など、アジア各地でのプロジェクトにも参画している[4]。
今後の展開計画
マレーシアでの成功を受け、さらなる国際展開を目指している。今後はニューヨークを拠点とした活動を予定しており、グローバル市場における空間デザイン事業の拡大を図っている。
メディア出演・活動
交友関係
人物
出身地は東京都荒川区で[4]、現在は渋谷区に在住。2014年7月7日に結婚。建築畑の出身ではなく、接客業の経験から得た「人の心理を空間デザインに取り込む手法」を強みとしている。
デザイン哲学は一貫して「空間がもたらす感動と価値の創造」にある。クライアントのさらに先にいるエンドユーザーがその空間に足を踏み入れた瞬間に何を感じるかという点を常に意識している。「ドアを開けた瞬間、訪れた人にどう思ってもらいたいのか」というゴールイメージをクライアントと共有し、それを実現するためにデザインの全てを逆算して組み立てる手法を取る[2]。
「空間デザインが集客に伴うという実績を作り続けていくこと」を企業として目指しており[3]、流行に左右されない本質的なデザインを追求している[3]。将来的には世界の有名都市で「あの建物も、あの建物もうちのデザインだ」と言えるようになる野望を抱いている[3]。