良妻賢母
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良妻賢母(りょうさいけんぼ)は、人間の形態を表す言葉。
歴史
良妻賢母とされるような人物というのは、女性であり結婚すれば夫に対しては良い妻であり、子に対しては賢い母であるような人物のことである[1]。
この良妻賢母というのは近代の日本になってから現れた概念である。江戸時代までの日本では共働きが当然で、妻はその家の家業を手伝ったり、様々な職業について働いていた。それが企業が登場することにより変わって行った。日本に企業が根付き、サラリーマンという新たな職業が生まれれば、家業よりも高収入が得られるようになった反面、家から遠く離れた職場で長時間労働を行なうようになる。そのようになれば仕事と家事を両立させることはできず、仕事と家事は分業となる。この頃に女性は専業主婦となり、女性を良妻賢母にしようとなったのであった[2]。
明治期よりの日本では国を挙げて良妻賢母を育成しようという政治が行われるようになっていた。明治後期には高等女学校という学校制度が設けられるのであるが、そこでは高等女学校とは良妻賢母を育成する機関であると定められていたのであった。この理由は良妻賢母たるには高尚な気風と温良な資性の涵養と普通以上の生活に必要な学術と技芸を知徳しなければならないからとのことであった。社会においての中流以上の女性たるものは良妻賢母への教育からとされていた[3]。
渋沢栄一は女子学校の設立への援助を数多く行なってきたのであるが、そこには家庭においての良妻賢母を増やしたいという狙いがあった。それは家にいる妻が教養を持つことで夫も働くようになり、子への教育のレベルも上がり、そして日本全体の国力や経済も上がるからとしていたためであった[4]。1905年に渋沢栄一は、当時に発達している学校においては、有益な教育を与えて世間に非難されないような良妻賢母を作り出すということを強く希望するということを述べていた[5]。
脚注
- ↑ 小項目事典,四字熟語を知る辞典,世界大百科事典内言及, デジタル大辞泉,精選版 日本国語大辞典,改訂新版 世界大百科事典,ブリタニカ国際大百科事典. “良妻賢母(リョウサイケンボ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2026年4月12日閲覧。
- ↑ Inc, PRESIDENT (2019年4月22日). “日本の良妻賢母神話はどこから生まれたか”. PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン). 2026年4月12日閲覧。
- ↑ “二 高等女学校令の制定:文部科学省”. www.mext.go.jp. 2026年4月12日閲覧。
- ↑ “「良妻賢母」を育て国力を押し上げた渋沢栄一 最晩年の彼が、病を押して社会貢献に力を注いだ意味とは | JBpress (ジェイビープレス)”. JBpress(日本ビジネスプレス). 2026年4月12日閲覧。
- ↑ “第26巻(DK260160k)本文|デジタル版『渋沢栄一伝記資料』|渋沢栄一|公益財団法人渋沢栄一記念財団”. eiichi.shibusawa.or.jp. 2026年4月12日閲覧。