花盤は、花托(レセプタクル)から発達した器官であり、その形状や位置は植物の科や属によって多様である。一般的には円盤状、環状、あるいは杯状の形態をとり、花の中央部で子房を取り囲むように配置されることが多い。
植物学の分類において、花盤の有無や形状は重要な同定形質のひとつとされる。
花盤の形態は、その由来や進化の過程によって以下のように分類される。
- 環状花盤: 子房の基部をドーナツ状に取り囲むもの。
- 杯状花盤: 子房の下部を包み込むような器状の形態。
- 分裂花盤: 組織が連続せず、複数の腺体(蜜腺)に分かれているもの。
主な機能は蜜の分泌である。花盤から分泌される蜜は、昆虫や鳥などの送粉者を誘引する役割を果たす。分泌される蜜の量や成分は植物種によって異なり、特定の受粉媒介者に適応している。また、一部の植物では貯水組織や、子房を物理的に保護する役割を兼ねる場合もある。
特定の科において、花盤の発達が顕著に見られる。
- ミカン科 (Rutaceae): 子房の基部に明瞭な環状の花盤を持つ。
- ニシキギ科 (Celastraceae): 花盤が非常によく発達し、雄蕊がその上に配置されるものが多い。
- カエデ科 (Aceraceae / ムクロジ科に統合): おしべの内側または外側に特徴的な花盤を持つ。
- クロウメモドキ科 (Rhamnaceae): 花筒の内側を覆うように花盤が発達する。