草加事件

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草加事件(そうかじけん)とは、1985年7月19日埼玉県草加市の残土置き場で同県八潮市在住の中学3年女子生徒の絞殺体が発見され、その容疑者として草加市在住の14〜15歳の少年5人が逮捕、1人が補導された事件の通称である。

刑事訴訟

逮捕された5人は少年審判で犯行を否認したが、浦和家庭裁判所は同年9月、5人を初等・中等少年院へ送致し、1人を児童相談所に送るという保護処分を出した。少年らは抗告したが東京高等裁判所は抗告を棄却、最高裁判所1989年7月に再抗告を棄却し、同処分が確定した。

新証拠

被害者が死亡時に着用していたスカート後ろ側の裏部分6か所に付着していた(犯人のものと推定される)精液の血液型がAB型である一方、少年らの血液型はいずれもO型またはB型であり一致しない。また,乳房にAB型の唾液がついており、シャツにはAB型の髪の毛が付着していた。しかし,この鑑定結果について,保護処分が出されるまで,提出されなかった[1]。血液型が異なることについて,精液は別の機会についたとし[2],唾液についてはB型の少年とA型の被害者の垢が混合したとした[3][4]

民事訴訟

少年らの自白と血液型についてが争点となった[5]

第一審

1989年1月19日,被害者遺族が約5500万円の損害賠償を請求し浦和地裁に提訴した[6]

その後、被害者の両親が上述の少年らの親権者を相手取り損害賠償を求めた民事訴訟では、1993年3月に浦和地裁で事実上の無罪判決(原告の請求棄却)となった。自白について,「捜査側が得た情報に基づいて捜査方針を変更したのに応じて、自白内容も変わっている」と指摘した[7]。また,犯行現場についても,捜査当局が鑑定結果などの情報を入手するたびに変わっていることを指摘し、「捜査官の誘導を強く推認させ、信用できない」と結論付けた[8]

血液型についても,AB型と異なっていて少年らのものではないとした[9]

第二審

1994年11月に東京高裁で少年らの自白は信用できるとして事実上の有罪判決(原告の請求を一部認容)が下された。

殺人という重大犯罪に6人の少年らが任意の虚偽の自白をするとは考えにくいとした[5]

またA型の垢とB型の血液が混合した可能性を認め,精液は別の機会についたと推認できるとした[5]。 

これによって約4600万円の賠償命令が出された[5]

上告審

2000年2月に最高裁は自白の信用性を認めた高裁の判断には誤りがあるとして、被告の敗訴部分を破棄し、東京高裁に差し戻した。

上告審ではAB型の少年はいないのにかかわらず,わずかな可能性を根拠にした第二審は誤りだとした[5]

また,事件と少年を裏付ける直接は自白だけだが[10],自白には明らかな虚偽の部分も含まれ犯行の核部分も変遷していて問題点があるとした[5]。「事件の関与者、暴行場所、暴行の既遂・未遂、その方法、殺害場所、殺害現場での行動など本件事件の中核的な部分で、たびたび、しかもほぼ同一の時期に変遷している。」とし,「捜査員の誘導の可能性が高い」とした[10]。初めは強姦未遂の供述を少年らはしていたが、体内に精液が見つかったという鑑定結果出された時期に全員が一斉に強姦既遂の供述に変化している[11][12]ことや、強姦既遂で被害者の肛門に陰茎を挿入したという供述だったにもかかわらず、被害者に処女膜が健存しており外傷が見られないことも誘導の可能性が高いとした[13][注釈 1]


差戻し審

差戻し審では、2002年10月、自白に秘密の暴露がないこと、本件においては血液型はAB型であったと認めるほかはないなどの理由から「少年らの犯罪を裏付けるに足りる証拠が無い」として、事実上の無罪判決(原告の請求棄却)が下された。

このように当該事件では、民事裁判によって刑事裁判とは異なる事実上の無罪判断が出るという異例の展開になった。

民事訴訟,無罪確定へ

2003年12月25日,被害者の父が弁護士事務所で倒れ,亡くなった[14]

2003年3月21日付で,最高審への遺族が上告を取り下げ,民事訴訟での無罪が確定した[15]

抗告審

他方、少年らは一般の刑事裁判での再審請求に当たる「保護処分の取消し」を3度[注釈 2]。申し立てたが、既に保護処分は終了した(訴えの利益がない)ことなどを理由にいずれも退けられている。なお、現在では、保護処分終了後にも保護処分の取消を行いうると少年法が改正されており(少年法27条の2第2項)、保護処分終了後でも保護処分取消の請求が可能である。

その後

被害者の親は、『埼玉県警は何をしていたのか、直ちに再捜査し真犯人を一刻も早く捕まえて欲しい』と訴えたが、この事件は不可解な結論のまま、2000年7月19日公訴時効を迎えている。

2009年4月19日放送のテレビ朝日サンデープロジェクト』によると、本件の検察側の主任検事は、日本テレビ行列のできる法律相談所」等で有名な住田裕子弁護士である。テレビ局は住田への取材を試みたが、住田は守秘義務を理由に事実確認への回答を行わなかった。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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