蛇性の婬
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略歴・概要
ハリウッド出身の映画監督トーマス・栗原こと栗原喜三郎が、横浜に撮影所を持つ大正活映で監督した1作である。上田秋成の18世紀の小説『雨月物語』のなかの一篇『蛇性の婬』を原作に、小説家で同社の顧問であった谷崎潤一郎が脚色した。同作は、のちに溝口健二が『雨月物語』中の他の一篇『浅茅が宿』の要素を加えて、1953年(昭和28年)、『雨月物語』のタイトルでリメイクしている。
主演の高橋英一はのちの岡田時彦の本名である。真女児を演じた紅沢葉子は同社に入社する前までは、浅草オペラに出演していたが、夫の獏与太平こと古海卓二とともに横浜に移った。鞍馬法師を演じた栗井饒太郎は、のちの映画監督の井上金太郎である。同様に後の映画監督の内田吐夢、二川文太郎も競演している。
本作の上映用プリントは、東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されておらず[1]、マツダ映画社も同様である[2]。大阪藝術大学の玩具映画プロジェクトもフィルム断片を所蔵していない[3]。現状では、いずれも鑑賞の不可能な作品である。