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表記ゆれ

同音・同義の語句について異なる文字表記がされること From Wikipedia, the free encyclopedia

表記ゆれ[1](ひょうきゆれ)とは、同音・同義の語句について異なる文字表記が付されることである[2]。特に同じ文書や書籍において、同じ語句に対して異なる表記が存在することを指す場合が多い[2]。表記揺れ[2]、表記の揺れ[3]、表記揺らぎ(ひょうきゆらぎ)とも称す。

日本語

送り仮名による表記ゆれ

送り仮名の不統一(ばらつき・不揃い)により表記ゆれがある。

内閣訓令の「送り仮名の付け方」では、複合の語について、おおむね、活用のある語と活用のない語に分けて規定している[4][5]。

文字の種類による表記ゆれ

同じ意味を持つ言葉であるにもかかわらず、文字の種類(ひらがな・カタカナ・漢字・アラビア数字 / 漢数字)により表記ゆれがある[6]。4種類の文字を使用する日本語特有の現象ともいえる。

ただし、『3月のライオン』(2007年連載開始の漫画と派生作品)と『三月のライオン』(1992年の映画)など、まったく異なる対象を示しており表記ゆれではない場合がある。「2乗」(数学用語)は漢数字で「二乗」と書かれることもあるが、仏教用語にも「二乗」という言葉があるため文脈によって区別が必要となる。

漢字による表記ゆれ

「斉藤」または「斎藤」の一文字目に使用される異体字は、あわせて31種類あると言われている。この他に例えば埼玉県の電話帳には齋の字の亠部の下が「刀丫氏」の並びになっている齋藤姓が確認出来る。なお、「斉」は「ひとしく」、「斎」は「ものいみ」の意味で、元々は別の漢字である。現在、法務省で定められている漢字は旧字体「齋藤」とその新字体「斎藤」、旧字体「齊藤」とその新字体「斉藤」の4つ[7]。

漢字変換による表記ゆれがある。最初の2つのように、漢字の原義によって意味合いが異なることがある。

人名・地名などの固有名詞においても表記ゆれが生じることがある。

外来語における表記ゆれ

「コンピューター」と「コンピュータ」のように、長音符の有無により表記ゆれがある。また、「ディーゼル」が「ジーゼル」と表記されることがあるように、「ディ」や「ティ」や「トゥ」などがほかの文字で置き換えられることもある[8]。「シリコン」と「シリコーン」、「モラル」と「モラール」はまったくことなる外来語を意味しており表記ゆれではない。

時期や使い方によって正式な表記が異なることによる表記ゆれ

例えば「マーベル・コミック」は、時期により「マーヴル・コミック」など表記が異なる。

本田技研工業(HONDA、ホンダ)のオートバイの車種である「Chaly」や「Benly」はその生産時期により「シャリイ」「シャリィ」「シャリー」、「ベンリイ」「ベンリィ」と正式なカナ表記が異なっている。ただし、ペットネームが同一というだけで、それぞれの車種をまったく異なるモデル(個体)と考えた場合は表記ゆれは無いと考える。

旧社名「東洋ゴム工業」の現在のブランド名および法人名は、日本語ではいずれも「トーヨータイヤ」と読む一方で英字表記はブランド名が「TOYO TIRES」と複数形、法人名が「TOYO TIRE」と単数形になっている。

英語

単語の表記ゆれ
スペリングにおいても表記ゆれがしばしば見られる。
  • disc / disk
  • adviser / advisor
  • barbecue / barbeque
省略による表記ゆれ
  • do not / don't
  • I am / I'm
  • cannot / can't
  • it is / it's
  • Christmas / Xmas / X’mas
  • crystal / Xtal / X'tal
イギリス英語・アメリカ英語・その他の国の英語
「centre」(英)と「center」(米)、「colour」(英)と「color」(米)のように、同じ英語であってもイギリス・アメリカ・その他の国の英語で、単語によって表記が異なることがある。「realise」(英)と「realize」(米)や「recognise」(英)と「recognize」(米)のように「-ise」(英)と「-ize」(米)の表記揺れはほかの単語においてもしばしば見られる。
他にもオーストラリア英語やシンガポール英語などでも、同様にスペルが異なる単語がある。
外来語における表記ゆれ
国外から入ってきた単語などは、日本語における外来語と同様に、表記が一定しないことがある。
特に、ヨーロッパ圏の外から流入した単語にはその傾向が強く、例えばイスラム圏の刀剣であるズルフィカールは、「Zulfiqar」「Dhu al-Fiqar」「Thulfeqar」「Dhulfiqar」「Zoulfikar」など、様々な表記が見られる。

フランス語

単語の表記ゆれ
「clé」と「clef」(鍵)、「événement」と「évènement」(出来事)などのようにフランス語のつづりにおいても表記ゆれがみられる。
文法的な表記ゆれ
「que」の直後に「on」が続くと、母音衝突を防ぐために「qu'on」と表記されるが、特に口語では「que l'on」と表記されることも多い。また語幹が y で終わる第1群規則動詞(payer(支払う)や essayer(試す)など)では、je paye / je paie、j'essaye / j'essaieなどの表記ゆれが生じることがある。

ドイツ語

ドイツ語には性の概念がある。そのため、性という概念が弱い言語から借用した単語は、ドイツ語に入った段階で性が与えられる。これは、どの言語から借用したかによって、ある程度の傾向があり、イタリア語から入った場合は男性を基本とする傾向があり、日本語から入った言語は中性となる傾向がある。しかし、絶対のものではなく、人によって男性だったり女性だったりと、表記のゆれが生じることがある[9]。

脚注

関連項目

外部リンク

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