西行の娘
From Wikipedia, the free encyclopedia
『西行物語』における西行の娘
西行が出家の際にすがりつく娘を蹴落として家を出たという『西行物語』に描かれた逸話[1]が知られている。江戸時代に広まった『西行物語』の版本には、この他に「父と娘とが再会した話」[2]、「父のすすめで出家した話」[3]や「出家後は母と共に高野山の麓の天野の地で修行に明け暮れた話」[4]、「生涯男を知らないままで死去した話」[5]といったいくつかの逸話が含まれている。しかしそもそも『西行物語』は、生涯に何度かにわたって行われたと見られる西行の奥州など遠方への旅を一度きりのものとして描くなど、史実を忠実に記録したものではないと考えられている。加えて、『西行物語』は写本・版本間の異同が大きい作品であり、古い時代の写本(例えば鎌倉中期の伝阿仏尼写本)では父の出家時の逸話しか存在しないため、それ以外の話は後世の付加の可能性が高く、これらを元に史実を探ることは困難であるとする見方も存在する。