大審院は、婚姻予約は結納の取交しなど慣習上の儀式を挙げて将来の婚姻を約する場合に限定されるものではない。男女が誠心誠意を以て将来に夫婦たるべき予期の下にこの契約をなし、このような契約のない自由な男女と一種の身分上の差異を生ずるに至ったときは、婚約予約ありとするに妨げはない、として上告を棄却した。
判決文中の「誠心誠意を以て将来に夫婦たるべき予期の下に…」[6]との文言から、「誠心誠意判決」という事件名で呼ばれる。
婚約の成立に儀式が不要であることを明示した大審院大正8年6月11日判決(民録25輯1010頁)と並び、婚約の成立要件を示した2大判決の1つとして知られる[7]。