調和数 (発散列)

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n = x に対する調和数 Hn,1 のグラフ(赤)。これは γ + ln(x)(青)に漸近収斂する。

数学において、n-番目の調和数(ちょうわすう、: harmonic number)は 1 から n までの自然数逆数和

である。これは、1 から n までの自然数の調和平均の逆数の n-倍に等しい。

調和数は遥か昔から研究され、数論の各分野において重要である。調和数の極限は、調和級数と呼ばれ(しばしば調和数も含めて一口に調和級数と呼ぶこともある)、リーマンゼータ函数と近しい関係にあり、また種々の特殊函数のさまざまな表示に現れる。

十分大きな数の標本について、その出現頻度がジップの法則に従って分布するとき、全体の中で n-番目の頻度で現れる標本の総頻度は n-番目の調和数である。このことはロングテールおよびネットワーク値英語版の帰結の一種を導く。

調和数の積分表示

オイラーによる。この等式は簡単な代数的等式

を使えば明らかである。また、積分の変数を単純に x = 1 u と変換すれば、Hn のきれいな組合せ論的展開

が得られる。同じ表現は、第三レトケシュ恒等式英語版x1 = 1, ..., xn = 1 とおき、

なる事実を用いることでも得られる。すなわち

が成り立つ。また、レトケシュ恒等式を x1 = 12, ..., xn = n2 に対して用いれば、この場合

となるので、ζ(2) の第 n-部分和についての類似の公式

を得る。Hn の増大度は n自然対数 ln(n) と同程度の速さである。このことは、Hn を積分

で近似することによって確認できる。数列 (Hn - ln(n)) は単調に減少して、

なる定数(この定数 γオイラー・マスケローニ定数と呼ばれ、その値は 0.5772156649... である)を極限にもち、これに対応する漸近展開

で与えられる。

分数パラメータに対する特殊値

調和数 Hn のパラメータ n を積分

によって拡張すれば、0 と 1 の間の分数値をもつパラメータ α に対する解析的な特殊値を定めることができる。あるいはさらに漸化式

によって拡張することもでき、結局は任意の x > 0 に対して(x が整数のときもそうでないときも)

が成立する。いくつかの特殊値について計算すれば、以下のようになる。

調和数の母函数

調和数の列の母函数

で与えられる(ln(z) は自然対数)。また、冪指数型母函数は

となる。ここで Ein(z) は整指数積分で、

が成り立つものである(ただし、Γ(0, z) は不完全ガンマ函数)。

応用

調和数は、ディガンマ関数に対する

のような、いくつかの特殊函数に関する計算公式に現れる。このような関係式は、しばしば調和数のパラメータ n を整数以外に拡張するための定義式としても利用される。先の節で述べたような極限によって、調和数から定数 γ を定義することがよく行われるが、

としたほうが収斂が早い。

2002年にジェフリー・ラガリアスは、リーマン予想が「不等式

が任意の自然数 n に対して成立し、かつ n > 1 のときは真の(等号無しの)不等式として成立する」という主張に等価であることを示した。ここで σ(n) は n約数和である。

一般化

関連項目

参考文献

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