調和数列

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調和数列(ちょうわすうれつ、: harmonic sequence または harmonic progression)とは、各項の逆数をとると等差数列になる数列である。すなわち、零でない数からなる数列 が調和数列であるとは、その逆数列 が等差数列であることをいう。[1]

定義

数列 の各項が 0 でなく、

を満たすとき、調和数列である。ここで は一定であり、逆数列の公差に当たる。したがって、ある定数 , を用いて

と表すことができる。[2][3]

一般項

上の定義から、調和数列の一般項は

の形に書ける。ただし、分母が 0 になる項は定義できないので、そのような添字は除かなければならない。特に

は、逆数列

が等差数列であるから、最も基本的な調和数列の例である。[4]

性質

調和数列は一般には等差数列でも等比数列でもないが、逆数をとると等差数列になるため、等差数列の性質を逆数を通じて読み替えることができる。特に、連続する3項 が調和数列をなすことと、

が等差数列をなすことは同値である。したがって

が成り立つ。[5]

また、上式を変形すると

となる。これは 調和平均であることを示している。したがって、調和数列では各項は隣接する2項の調和平均として特徴づけられる。[6][7]

数列

は調和数列である。逆数列は

であり、公差 1 の等差数列である。[8]

また、

も調和数列である。実際、その逆数列

は公差 の等差数列となる。これは音律における弦の長さの比の例としてしばしば挙げられる。[9]

音律・幾何学との関係

「調和」という語は、古くから音楽幾何学の双方で用いられてきた。音律においては、弦の長さや振動数の比が単純な整数比で表される場合が重視され、その説明の中で調和数列が現れることがある。また幾何学では、調和分割調和比などの語に同じ語源が残っている。[10][11]

ただし、調和数列そのものと調和級数は別概念である。調和級数は

で定まる級数であり、調和数列 の各項を加えたものである。[12]

脚注

参考文献

関連項目

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