贖いの聖者
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著者のあとがきにあるように、1980年頃に発生したイエスの方舟事件を下敷きにしたフィクションであり、この事件を興味本位ではなく、傷ついた人を救おうとしてしまった人が、救いを求める人と出会ったという観点から描いた作品である。また、宗教とは何かというテーマを扱っており、非常に文学的・哲学的な作品でもある。
原作者の大塚英志によると、原作を書くにあたって、白倉由美と宗教の役割とは何かについてディスカッションしたそうである。その結論は、「人を日常に戻し、現実に再度つなぎとめるために捨てられることこそを自らの役割とする宗教家」が、ぎりぎり自分たちが許容できる宗教家像である、というものであり、物語の結末で、主人公の少女が、イエスの方舟の主宰者の千石イエスがモデルの青年を捨てて、以前にいたありふれた日常にたった一人で帰還するのはそのためである[1]。