赤方偏移の量子化

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赤方偏移の量子化Redshift quantization) は、宇宙論的に離れた天体(特に銀河)の赤方偏移が特定の数値の整数倍付近に集まる傾向があるとする仮説を指す。ハッブルの法則に表わすところによると、赤方偏移とその天体の地球からの距離との間には相関があるので、赤方偏移の量子化は地球から銀河までの距離が量子化されているか、でなければ赤方偏移と距離との間の相関に問題があることを示唆する。この2つのうちどちらであっても、宇宙論的に重大な意味がある。ホルトン・アープを始めとする[1][2]ビッグバン宇宙論に反対する多くの科学者は、赤方偏移の量子化を示唆するとされる観測結果を宇宙の起源と歴史についての定説を否定する理由として挙げている。

1973年、天文学者ウィリアム・ティフト英語版により赤方偏移の量子化を示唆する証拠が初めて報告された(それ以前についてはジェルジュ・パール英語版を参考のこと[3])。近年の、クエーサーを対象とする赤方偏移サーベイ英語版からは、銀河の凝集に起因すると思われるもの以上の量子化を示唆する結果は得られていない[4][5][6][7]。従って、多くの宇宙論研究者はボイドとフィラメントを横切ったときに生じる銀河分布のピーク以上の赤方偏移の量子化の存在については懐疑的である。

その他の呼称としては、「赤方偏移の周期性[8]、「赤方偏移の離散化[9]、「被選好的赤方偏移[10]、「赤方偏移集中帯[11][12]などがある。

この用語は、ハッブル赤方偏移の起源と、赤方偏移の大きさを距離で記述する方程式に作用量子が表われるような理論全てを指す。

ほとんどの研究者は様々な星や複合天体(銀河など)を対象とするが、カールソンとバービッジ[13]孤立クエーサーやコンパクト銀河などの比較的単純な天体に対象を絞って研究を行った。多数の天体についての統計を取った結果、より被選好的な赤方偏移の値についてのカールソンの公式が得られた。すなわち、多くの赤方偏移 (周波数シフトを元の周波数で割ったもの)は 付近に集中する[14]。ここで、 とし、 は 3, 4, 6, ... の整数値とする[14]。Moret-Baillyによれば、この奇妙な整数の分布は以下のように説明できる[14] は水素原子のライマンベータ周波数からライマンアルファ周波数までのシフト量0.1852 ≈ 3 ∗ 0.0617と近く、は同じくライマンガンマからライマンアルファまでのシフト量 0.25 = 4 ∗ 0.0625と近い。カールソンの公式に登場する2つのパラメータは説明されたが、しかしここでいう赤方偏移はどのような水素の分光学的性質に起因しているのだろうか?J. C. Pecker は非コヒーレントラマン効果を提案したが、非コヒーレントラマン効果は周波数を足し上げるのであってシフトさせるのではないので違うはずである。ただし、研究室においてはフェムト秒レーザーパルスを用いればコヒーレントラマンは周波数をシフトする。ナノ秒パルスを用いれば瞬間的誘導ラマン散乱 (ISRS) が励起された水素原子において発生し、時間コヒーレンスのある光が発せられる。超低圧の原子雲の中においては、クエーサーの周囲の比較的冷たい原子状水素が光によって構造を持つことになる。ライマンアルファ線に相当する光が水素原子に吸収されると原子は励起され、これにより既存の吸収線がライマンアルファ周波数に達するまでシフトされることになる。全てのガス線は弱いISRSが高い周波数の光の吸収を起こすまで吸収され、その後赤方偏移が再び開始する。 および のシフトはクエーサーのライマンの森にある類似の吸収線の間を繋いでいる。

銀河は大きすぎるので、その周辺の空間は確実な構造を持つことはできない。このため、ティフトと支持者らは確実な結果を得ることはできなかった。極めて光度の高い超新星の周りでは水素原子が励起されるほど熱くなっており、カールソンの公式は破れるので、局所的に大きな赤方偏移は銀河マップにおける「空洞」として理解される。

ウィリアム・ティフトによる原調査

ウィリアム・ティフト英語版は赤方偏移の量子化を初めて調査し、「赤方偏移の大きさが集中する相関」と呼んだ[15] 。1973年の彼の論文を下に引用する。

「かみのけ座、ペルセウス座、A2199 の200を超える赤方偏移から、赤方偏移が周期的に集中的相関を持つことが明らかに示唆された。最終的に、かみのけ座銀河団内の明るい銀河の正確な赤方偏移の標本が得られ、220 kms−1 の周期で強い赤方偏移が見られた。かみのけ座銀河団内の内部的ドップラーシフトは 20 kms−1 を超えることはない。」[16]

ティフトは、この観測結果は標準的宇宙論の枠組みでは説明できないとしている。彼の主張のまとめを以下に示す。

「計画の進展につれてよりはっきりしたのは、赤方偏移が単に速度と宇宙のスケールによるものだとする解釈とは相容れない特徴をもつということである。様々な示唆が折に触れて指摘されてきているが、基本的に観測主導でこの研究は進んでいる。」[17]

他の研究者によるその後の研究

評価と批判

出典

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