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身分証明書 (本籍地)

日本の戸籍制度において、本籍地の市区町村で発行される戸籍証明書の一種. From Wikipedia, the free encyclopedia

身分証明書(みぶんしょうめいしょ)とは、日本の戸籍証明書の一種であり、以下3項目の通知の有無についてを公的に証明する。一部の自治体では証明する項目を選択できる[1][2]

身元証明書」(みもとしょうめいしょ)と呼称する自治体もある[3]

用途

行為能力の制限の有無や欠格事由への該否を確認するために提出が求められる。

ただし、「成年後見制度適正化法(令和元年6月14日法律第37号)[4]」の施行により、成年被後見人等[注釈 4]であることを欠格事由とする規定については緩和[注釈 5]または廃止された点に注意しておきたい。

以下、提出先の例を一部挙げる。

  • 法人の許認可申請
  • 官公署への資格登録申請
    • 8士業
    • 10士業(8士業に含まれない士業)
      • 公認会計士[15]
      • 不動産鑑定士[16]
    • その他
      • 警備員検定[17]
      • 宅地建物取引士[18]
  • 会社役員の就任時[19]
  • 警備会社で警務職(警備員のこと)として採用される際[20]

書式

上記の通り「行為能力が制限されていないこと」や「欠格事由に該当しないこと」の証明を目的に取得するため、ベースとなる書式は概ね次のとおりである。ただし、もし証明項目のいずれかに該当する場合は、それぞれの文末が「〜の通知を受けていない」が「〜の通知を受けている」に変わる。

身分証明書

さらに見る 本籍, 本人氏名 ...
本籍 ○○県○○市○丁目○番地
本人氏名 ○○ ○○
生年月日 平成18年8月14日
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  1. 禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていない。
  2. 後見の登記の通知を受けていない。
  3. 破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていない。

上記の通り証明する。

令和8年8月14日

○○市長

法令

身分証明書は、地方自治法第2条第2項に基づき、本籍地の市区町村長が発行する[21]

普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。

地方自治法 第一編 第二条第二項”. e-Gov 法令検索. デジタル庁 (2026年1月1日). 2026年2月28日閲覧。

また、各証明事項の根拠条文は次のように解される[22][23]

さらに見る 証明事項, 証明事項の根拠条文 ...
証明事項 証明事項の根拠条文
禁治産又は準禁治産の宣告 民法(平成11年法律第149号施行
後見の登記 民法(平成11年法律第149号施行
破産宣告 破産法(大正11年法律第71号)
破産手続開始決定 破産法(平成16年法律第75号)
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登記されていないことの証明書との関係

身分証明書は、法務局で発行できる「登記されていないことの証明書」と併せて使用することがある。これは、両証明書が公証する項目の違いに起因する。

2000年3月31日までは、精神上の障害等により事理弁識能力が低下又は欠落した人、若しくは浪費癖を持つ人の財産を保護する手段として、禁治産・準禁治産制度が用意されていた。その内容は本人の戸籍への記録により公示し、現時点における宣告の有無は身分証明書によって証明する仕組みとなっていた。しかし、「財産を治めることを禁ずる」という強い表現や、戸籍に宣告を受けた事実が記載されることへの忌避感から、あまり利用が進まなかった。[24]

そこで、2000年4月1日より平成11年法律第149号が施行され、成年後見制度へ移行した。詳細は当該記事に譲るが、身分証明書にかかわる変更点は下記のとおりである。

名称や管轄の変更
施行日以降、禁治産者は成年被後見人、心神耗弱を原因とする準禁治産者は被保佐人に名称が改められた一方、単なる浪費は被保佐人の範囲から除外された[25][26]。管轄は本籍地から法務局へ移行し、従前は戸籍に記載していたところ、新制度では後見登記等ファイルにより公示することとなった[27]
証明方法の変更
公示方法が変わったことにより、成年被後見人・被保佐人・被補助人への該否やその内容の証明には、身分証明書ではなく「登記事項証明書(あること証明)」や「登記されていないことの証明書(ないこと証明)」を用いることとなった[27]
さらに付け加えるならば、後見開始ないし取消しの審判に基づく登記が行われた際は登記官により本籍地の市区町村長宛に通知がなされるのに対し、保佐・補助の開始や取消しの審判や任意後見契約に基づく登記については通知がないため、身分証明書だけでは証明書類として不十分になったことも要因であるといえる[28][29]
移行措置
施行日以降に確定した禁治産・準禁治産の宣告の審判は、民法附則(平成11年12月8日法律第149号)第2条第4項の規定により後見・保佐開始の審判の請求とみなされ、法務局に登記される[30]。一方、施行日以前に確定した禁治産・準禁治産の宣告の審判は引き続き戸籍に記載され、後見登記等ファイルには登記されない[27]
成年後見制度で廃止された単なる浪費を原因として受けた準禁治産の宣告を除き、法令で定められた人が申し出れば後見・保佐の登記へ移行することができる[30][31][32][33]。申請による後見・保佐の登記への移行(後見登記法制定附則第2条第1項・同条第2項)、および禁治産の宣告または心神耗弱を原因とする準禁治産の宣告に対する変更または終了の登記を実施するための登記官の職権による後見・保佐の登記への移行(後見登記法制定附則第2条第3項)が行われた場合、登記官は戸籍事務を管掌する者へその旨を通知することが、通知を受けた戸籍事務を管掌する者は登記を受けた禁治産者・準禁治産者の戸籍を再製することが義務付けられている[31]。この戸籍の再製により、後見・保佐の登記への移行を受けた禁治産者・準禁治産者の戸籍から禁治産・準禁治産の宣告の記録が抹消されることになる。

したがって、成年被後見人・被保佐人・被補助人・禁治産者・準禁治産者・任意後見契約者のいずれにも該当しないことを証明する為には、証明対象が異なる2種類の証明書が必要になる。ただし、2000年4月1日以降に出生した人については、法務局の「登記されていないことの証明書」のみで事足りる。

  • 本籍地の市区町村の窓口で交付される「身分証明書」
    • 2000年3月31日までに審判が確定しており、かつ後見登記等に関する法律制定附則第2条に基づく後見・保佐の登記への移行が行われていない禁治産・準禁治産の宣告
  • 法務局の交付する「登記されていないことの証明書」
    • 確定した後見・保佐・補助開始の審判
    • 成立済みの任意後見契約
    • 2000年3月31日までに審判が確定せず、民法附則(平成11年12月8日法律第149号)第2条第4項の規定により後見・保佐開始の審判の請求とみなされた禁治産・準禁治産の宣告[注釈 6]
    • 後見登記法制定附則第2条に基づく後見・保佐の登記への移行が行われた禁治産・準禁治産の宣告

ちなみに、「成年後見制度適正化法(令和元年6月14日法律第37号)[4]」の施行により、多くの職業で成年被後見人等[注釈 4]であることを一律的な欠格事由としないこととなったことから、「登記されていないことの証明書」を各種申請時の添付書類から除外した官公署も存在する[34]

なお、破産者に関する事項は引き続き本籍地の市町村が行っている。ただし、破産手続開始決定の通知については、平成16年11月30日に法務省民事局長が発した通達に伴い、破産手続開始決定を受けたのみでは通知せず、免責不許可が確定した場合及びこれに準じる場合に限り、通知を行う取扱になっている[35]

脚注

関連項目

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