辻本満丸
From Wikipedia, the free encyclopedia
スクアレンの発見と命名
翻訳者の辻本一貫の子として東京に生まれる[1][2]。第一高等学校卒業後[2]、東京帝国大学(現在の東京大学)に入学し応用化学を学んだ[2]。卒業後の1901年に農商務省附属の東京工業試験所に入り[1]、主に生物に含まれる油脂成分専門の研究助手となる[2][3]。1915年(大正4年)工学博士[4]。後に技師に就任し1915年(大正4年)から1930年(昭和5年)の退官まで[3]、同試験所の第二部長となり[3]、多くの生物における油脂化学研究や調査を行った[1][2]。
特にフジクジラ、カラスザメ、カスミザメ等サメを中心に油脂成分の研究に没頭し[1]、クロコザメの肝油から初めて不飽和度の高い炭化水素スクアレンC30H50 を発見、命名したが[5][6][7]、これは動物界における炭化水素の最初の発見である[1][2]。また、魚類に多く含まれ現在DHAとして知られるイワシ酸を発見し油脂の臭気と脂肪酸成分の関係について研究[8]、魚油の水素添加より硬化油をつくり日本の油脂工業に貢献した[9]。
日本山岳会の創設者
応用科学以外にも、試験所に勤務中に全国各地を登山した事や、日本山岳会の設立者の一人であること[2]、赤石山脈に所在する鳳凰山に発見した新しい植物を調査し[2]、その中からキキョウ科の植物「ホウオウシャジン」を命名した事でも知られる[2]。高山植物の種子の油も研究している[2]。