邪願霊
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『このビデオは、あるテレビ・ドキュメンタリーの取材テープをもとに、再構成したものである』というテロップからこの物語は始まる。
レポーターの沢木と取材班は、新人アイドル・加藤恵美の新曲「ラヴ・クラフト」のプロモーションをドキュメンタリー番組とするため、作成の舞台裏や関係者への取材をスタートした。
ジャケット写真の撮影中、恵美めがけて天井の照明機材が落下する事故が発生する。またこの日撮影した全ての写真には、恵美の背後に白い人影が写り込んだため撮り直しとなった。
レコーディングでは、歌の途中に女性の声のような奇妙な音が紛れ込んでいることが判明し、新曲の作成は難航する。
「ラヴ・クラフト」はプロジェクトの責任者である河西が用意した曲であったため、取材班は作曲者が誰なのか何度も確認するが河西からの回答は得られなかった。
そのため取材班は、河西の部下であるディレクターの山岸と交渉し、ついに作曲者についての取材に応じてくれることになった。取材班との待ち合わせ場所に現れた山岸は焦った様子で沢木に茶封筒を渡し、すぐさまその場を立ち去ろうと車を発進させた瞬間、車が爆発炎上して死んだ。
山岸の形見となった封筒には1本のビデオテープが入っていた。ビデオはホテルの一室で撮られたと思われ、ベッドに横たわる全裸の女性と、「ラヴ・クラフト」のメロディを口ずさむ女性の声と河西との会話が記録されていた。
取材班がこれまで撮影した映像を見直すと、画面の背景に必ず白いワンピースを着た女が映り込んでいた。
そして「ラヴ・クラフト」のミュージックビデオの撮影が始まる。