鈴木銀一郎
日本のゲームデザイナー (1934-2021)
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略歴
1934年(昭和9年)11月24日に東京で生まれる[2][3]。早稲田大学高等学院を卒業後、早稲田大学政治経済学部に進むも中退し、家業である上野の履物商を継ぎ、後にバーに転業する[2][4]。同時期には家業の傍ら小説を執筆し、『宝石』の新人企画に入選している[4]。バーが経営不振に陥り閉業した後は、小説の執筆経験を知る知人の紹介により小学館系列の出版社に入社する[4]。出版社では事典や実用書の編集を手掛ける[5]。
出版社在籍中に40代にしてウォー・シミュレーションゲームに傾倒、ゲームショップで知り合った黒田幸弘と意気投合した結果、1981年(昭和56年)にレックカンパニーを立ち上げる[6]。エポック社などへのゲーム企画の提案が軌道に乗り、出版社を退社してゲームデザイナーとして独立する[5]。多数のゲームデザイン案件を抱える中、レックカンパニーとの業務分担も兼ね、1984年(昭和59年)に翔企画を設立する[7]。1985年(昭和60年)にレックカンパニーから承継する形で『シミュレイター』を再刊し、編集長に就く[7]。
1988年(昭和63年)に企画したカードーム『モンスターメーカー』がヒットすると、同作の世界観をもととしたファンタジー小説の執筆を開始し、1991年(平成3年)に「ドラゴンライダー」を富士見書房から上梓する[8]。以降、1990年代から2000年代にかけては、ゲームデザインと並行して富士見ファンタジア文庫、電撃文庫などで小説を発表していくようになる[9]。
ゲーム界との関わり
幼少時から将棋などの盤ゲームを愛好し、中学校時代には鉛筆をダイス代わりにした野球ゲームを考案する[11]。出版社在籍時代も自身の子供にも自作のゲームを与えていた[11]。そのような中でアメリカから輸入されたウォー・シミュレーションゲームに触れて衝撃を受けるが、同時にルールブックの翻訳の質などに不満を覚え、自らの手で日本人好みの作品を制作していくことを志すようになる[11]。
日本におけるゲームデザイナーの草分けと知られており[9]、ゲームはデザイナーの著作物であることを鈴木が主張したことによってゲームデザイナーが職業として認知されたと評価されている[12]。ゲームデザイナーとしての代表作である『モンスターメーカー』は、カード―ゲームにキャラクター性を与えた点が先駆的であり、日本にキャラクターカードゲームの概念を定着させるきっかけともなった[13]。
晩年には、日本ボードゲーム界の父とも評された[1]。
人物
『パンツァーグルッペ・グデーリアン』(1976年発売)を特に好み、プレイ回数と作戦研究はアメリカのゲーマー以上だろうと自負する。
戦略性の高い対人ゲームにおける実力の高さも非常に有名で、ボードゲームはもちろん、麻雀では「一時は麻雀で食っていた」と噂されるほど高い実力を持つ。自らの著書「ゲーム的人生ろん」でも、会社勤めで家族を抱えて薄給の時代に、麻雀の勝ちで糊口をしのいでいたことが述懐されている。
一部のウォー・シミュレーションゲーム愛好者から「神様」と称される。
伝説の雀鬼こと桜井章一の著書にしばしば登場する「鈴銀」は、鈴木銀一郎だという風説があるが、本人は否定している。
編集長を務めた雑誌『シミュレイター』は創刊当初、発売が常に遅延した。ついに鈴木は「次号の発売日が遅れたら坊主頭になる」と誌面で公約したものの、やはり発売日を守ることはできなかった。後日、頭を丸めた鈴木の写真が同誌に掲載された。
自らデザインしたゲームのテストプレイにおいては、練達のプレイヤーとの対戦においては強敵であったものの、初心者に負けることも多々あり、「サドンデス鈴木」と揶揄されたこともある。
鈴木銀一郎杯
作品リスト
- 朝鮮戦争(エポック社)
- 砂漠の狐(エポック社)
- バルジ大作戦(エポック社)
- 史上最大の作戦(エポック社)
- 日本機動部隊(エポック社)
- マレー電撃戦(エポック社) - シンガポール攻略戦のみ黒田幸弘
- 神々の戦い(エポック社)
- ロンメルアフリカ軍団(翔企画)
- ザ・黒幕 日本支配(翔企画)
- モスクワ冬将軍(翔企画)
- ナイトメアハンター(翔企画)
- LEVEL UP!(翔企画)
- 湾岸戦争(翔企画)
- Get the Hills(『Simulator』1号付録、翔企画)
- 新・戦国大名(『ウォーゲーム日本史』2号付録、国際通信社)
- 志士の時代(『ウォーゲーム日本史』8号付録、国際通信社)
- 銀爺のわらしべ長者(銀河企画)
- 真・バルバロッサ作戦(『ゲームジャーナル』1号付録)
- 無碍光(オクタゴン・エンタテインメント)
- Hundred Days Campaign(アークライト)
- 謙信vs信玄(アークライト)
- 企業買収ゲーム(アークライト)
- くにとりっ! 天下は萌えているか(アークライト)
- くにとりっ! 外伝 決戦萌ヶ原(アークライト)
- ビンゴダイス(『Game Link』11号付録、アークライト)
- スキップライン(『Game Link』11号付録、アークライト)
- 狼少年(『Role&Roll』52号付録、新紀元社)
- 競馬マフィア(グランペール)
- シカゴ(翔エンタープライズ)
- セブンミッションズ(翔エンタープライズ)
- LONG SHOT(翔エンタープライズ)
- ユー・クライ・ウルフ(翔エンタープライズ)
- モンスターメーカー関連
- モンスターメーカー(翔企画)
- マジックマスター(翔企画)
- 日本妖怪(翔企画)
- ソフィア聖騎士団(翔企画)
- ダンジョンウォーズ(翔企画)
- ダンジョンウォーズ2(翔企画)
- 学園祭(翔企画)
- 七人の魔術師(翔企画)
- 大予言(翔企画)
- 宇宙商人(翔企画)
- 双頭の獅子(『RPGamer』6号付録、国際通信社)
- ウルフレンド・サーガ(『Game Link』3号付録、アークライト)
- モンスターメーカーRPGレジェンド(国際通信社)
- ウルフレンド・クエスト(翔エンタープライズ)
- いづみ事件ファイルII~慟哭編~(ジー・モード)
著書
小説
- 二と三の違い(『別冊宝石』1958年74号 新人二十五人集 所収)
- ドラゴンライダー : モンスターメーカー 上(1991年12月、富士見ファンタジア文庫、ISBN 4-8291-2422-9)
- ドラゴンライダー : モンスターメーカー 下(1992年1月、富士見ファンタジア文庫、ISBN 4-8291-2425-3)
- ナルド予言書 : モンスターメーカー 上(1992年10月、富士見ファンタジア文庫、ISBN 4-8291-2467-9)
- ナルド予言書 : モンスターメーカー 下(1993年3月、富士見ファンタジア文庫、ISBN 4-8291-2494-6)
- 嘲笑う石像 : モンスターメーカー(1994年12月、富士見ファンタジア文庫、ISBN 4-8291-2590-X)
- カードの国の大冒険 : モンスターメーカー(1995年4月、富士見ファンタジア文庫、ISBN 4-8291-2620-5)
- 赤い髪の魔女 : マジック・マスター(1995年4月、ログアウト冒険文庫、ISBN 4-89366-346-1)
- 闇の騎士団 : マジック・マスター(1996年2月、ログアウト冒険文庫、ISBN 4-89366-467-0)
- ファイアーエムブレム 聖戦の系譜(1996年8月、ファミ通ゲーム文庫、ISBN 4-89366-565-0)
- ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 : シグルド編 上(1996年12月、ファミ通ゲーム文庫、ISBN 4-89366-630-4)
- ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 : シグルド編 下(1997年1月、ファミ通ゲーム文庫、ISBN 4-89366-656-8)
- ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 : 最後の地竜族(1997年12月、ファミ通ゲーム文庫、ISBN 4-89366-889-7)
- ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 : 森と湖の国(1998年1月、ファミ通ゲーム文庫、ISBN 4-89366-922-2)
- 最後の竜戦士 : モンスターメーカークロニクル(2001年7月、電撃文庫、ISBN 4-8402-1868-4)
TRPG関連書籍
- モンスターメーカーRPG - ホリィアックス(1992年6月、富士見書房、ISBN 4-8291-4257-X)
- ブルガンディ・ドリーム - モンスターメーカーRPG(1993年6月、富士見書房、ISBN 4-8291-4260-X)
- モンスターメーカー リザレクションRPG(2002年9月、エンターブレイン、ISBN 4-7577-0961-7)
- モンスターメーカーRPGレジェンド(2005年2月、国際通信社、ISBN 4-4340-5287-X)
エッセイ
- ゲーム的人生ろん (1996年2月、NECクリエイティブ、ISBN 4-8726-9024-9)
- ゲーム的人生論 (2006年3月、新紀元社、ISBN 4-7753-0454-2)
電子書籍
- わたしはダレ? (1994年4月、NECクリエイティブ、ISBN 4-8726-9018-4)
訳書
- ロールプレイングゲーム・ハンドブック(ロバート・プラモンドン著)