闇麻のマミヤ
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『闇麻のマミヤ』(やみまのマミヤ)は、福本伸行による麻雀漫画。『近代麻雀』(竹書房)において2019年7月号より連載されている[1][2]。2019年5月号にはプロローグにあたる第0話が掲載された[3]。
本作は、令和に入って最初に連載が開始された福本伸行作品であり、福本名義の作品としては初めて女性を主人公に据えた作品でもある。物語の舞台は、『天 天和通りの快男児』およびそのスピンオフ作品『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』から20年後の2019年である。『天』で描かれた赤木しげるの通夜や、『アカギ』に登場した野崎治が高齢となって再登場するなど、両作品とのつながりが描かれており、『天』および『アカギ』の世界観を継承した続編作品となっている[1]。
本作では、点棒を支払うことで捨て牌を伏せることができる独自ルール「闇麻(やみま)」を軸に物語が展開される。情報の秘匿と公開を巡る駆け引きを取り入れたルールが特徴で、従来の麻雀とは異なる心理戦が描かれている。
2023年、7巻を持って一部完となった[4]。
あらすじ
ラーメン店「ゼロサムラーメン」を営む野崎治は、表向きは静かな余生を送る老人であるが、その一方で、高額の賭け麻雀によって依頼人の抱える問題を解決する仲介役としても活動していた。
ある日、地下男性アイドルグループ「幕末男気組」の3人が野崎のもとを訪れる。彼らは所属する芸能事務所「鬼頭エンタープライズ」から多額の借金を負わされ、不当な契約のもとで低賃金かつ長時間の労働を強いられていた。野崎は彼らの依頼を受け、事務所社長・鬼頭完治との交渉を行い、グループの契約解除を懸けた麻雀勝負を取り付ける。
対局には、点棒を支払うことで捨て牌を伏せることができる特殊ルール「闇麻」が採用される。しかし、勝負を任されていた天才雀士・マミヤが寝坊によって大幅に遅刻したため、野崎が代役として卓に着くことになる。実力差から野崎は鬼頭に追い詰められ、敗北寸前まで追い込まれる。
その最中、ようやく到着したマミヤが野崎と交代して対局に参加する。3000万円を支払う資力がないことを認めたマミヤは、敗北した場合は自らの身体を差し出すと申し出るが、生真面目な性格の鬼頭はこれを拒否する。その後、勝負に勝った際にはマミヤへ制裁を加えることを条件に対局の続行を承諾し、マミヤは不利な局面から逆転を目指して勝負に挑む。
登場人物
- マミヤ
- 本作の主人公。特殊ルール「闇麻」を用いて賭け麻雀を行う女性雀士。依頼人に代わって麻雀勝負を引き受け、悪徳業者や裏社会の人間との揉め事を解決している。
- ショートヘアに短パン姿のボーイッシュな外見をしており、自由奔放な言動が目立つ。勝負当日に寝坊で遅刻したり、敗北時の条件として自身の身体を差し出すと提案したりするなど型破りな性格だが、卓上では卓越した洞察力と勝負勘を発揮し、どのような劣勢でも最後まで勝機を追い求める。
- 対局相手の本質を見抜く観察眼にも優れ、鬼頭完治の生真面目な性格も初対面で見抜いていた。賭け麻雀界では「闇麻のマミヤ」と呼ばれ、その打ち筋や勝負観は野崎治から赤木しげるを彷彿とさせるものと評されている[5]。
- 野崎 治(のざき おさむ)
- ラーメン店「ゼロサムラーメン」を営む74歳の男性。『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』にも登場した人物で、青年時代は赤木しげるが勤務していた玩具工場の同僚だった。
- 赤木の助言をきっかけにラーメン店を開業し、現在はマミヤの仲介役として賭け麻雀の依頼を請け負っている。麻雀の実力は一流ではないものの経験は豊富で、マミヤの遅刻時には代打として鬼頭完治と対局した。
- 赤木を誰よりも尊敬しており、その死から20年が経過した現在も唯一無二の天才として語り続けている。マミヤには赤木と共通する才能を見いだしている。
- 鬼頭 完治(おにがしら かんじ)
- 芸能事務所「鬼頭エンタープライズ」の社長。70歳。地下男性アイドルグループ「幕末男気組」を借金で縛り、不当な契約のもとで活動させている。
- 強欲で威圧的な性格だが、自身には厳格な価値観を持ち、マミヤから敗北時の条件として身体を要求されても拒否するなど、生真面目な一面も持つ。麻雀の実力も高く、マミヤが到着するまで野崎を追い詰めた。
- マミヤからは「エロ70」と呼ばれ挑発される一方、その実力や胆力は高く評価している。
- 乃木(のぎ)
- 芸能事務所「鬼頭エンタープライズ」の社員で、鬼頭完治の側近。鬼頭とマミヤの対局では面子の一人として参加する。
- 実直な性格で鬼頭の命令には忠実に従い、麻雀の実力も一定の水準にある。
登場組織
- 幕末男気組(ばくまつおとこぎぐみ)
- 幕末の志士をコンセプトとした地下男性アイドルグループ。メンバーは高杉、沖田、坂本の3人で構成される。かつては西郷も所属していたが、事務所から逃亡したため脱退している。
- 芸能事務所「鬼頭エンタープライズ」に所属しているが、デビュー時に多額の借金を負わされたことで事務所に拘束され、低賃金・長時間労働を強いられている。さらに、中年女性を対象としたバスツアーなどの営業では度重なるセクハラ被害を受けており、契約解除を望むようになる。
- 野崎治を通じてマミヤに救済を依頼し、鬼頭完治との賭け麻雀によって奴隷同然の契約から解放されることを目指す。
世界設定
本作の舞台は、『天 天和通りの快男児』およびそのスピンオフ作品『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』から20年後にあたる2019年である。赤木しげるの死後20年が経過した世界を描いており、『天』で描かれた通夜や、『アカギ』に登場した野崎治が高齢となった姿で登場するなど、両作品と世界観を共有している。
作中では、賭け麻雀によって金銭問題や契約問題などの揉め事を解決する「代打ち」が存在しており、主人公・マミヤは野崎治を窓口として依頼を受けている。
用語
闇麻(やみま)
本作のタイトルにもなっている特殊ルールの麻雀。通常の麻雀に「情報を秘匿する」という要素を加えた独自ルールであり、マミヤが賭け麻雀で用いている。捨て牌を裏向きにして切る「闇」、その牌の公開を要求する「闇返し」、公開要求を拒否する「完闇」の3つの要素を特徴とする。
- 闇
- 1000点を支払うことで宣言できる。捨て牌を裏向きのまま河へ捨てることができ、他家はその牌を確認できない。
- 闇返し
- 2000点を支払うことで、伏せられた牌の公開を要求できる。
- 完闇
- 闇返しに対し4000点を支払うことで公開要求を拒否できる。この場合、その牌はロンによる和了以外では公開されない。
伏せられた牌が当たり牌であると推理した場合はロンを宣言して牌を公開できるが、誤っていた場合は通常のチョンボと同様の扱いとなる。闇・闇返し・完闇によって支払われた点棒は「闇供託棒」として場に積まれ、最初に和了した者がすべて獲得する。
書誌情報
- 福本伸行 『闇麻のマミヤ』 竹書房〈近代麻雀コミックス〉、既刊7巻(2023年9月26日現在)
- 2019年12月6日発売、ISBN 978-4-8019-6822-6
- 2020年7月1日発売、ISBN 978-4-8019-7027-4
- 2021年4月1日発売、ISBN 978-4-8019-7264-3
- 2021年11月1日発売、ISBN 978-4-8019-7480-7
- 2022年4月30日発売、ISBN 978-4-8019-7626-9
- 2022年12月28日発売、ISBN 978-4-8019-7938-3
- 2023年9月26日発売、ISBN 978-4-8019-8164-5