階差数列

From Wikipedia, the free encyclopedia

階差数列(かいさすうれつ、: difference sequence)とは、ある数列の隣り合う項の差を並べて得られる数列である。より一般には、差をとる操作を繰り返して得られる高階の階差数列も考えられる。階差数列は、数列の規則性の把握、漸化式の処理、補間差分法などに用いられる。[1][2]

定義

数列 に対して

で定まる数列 を、第1階差数列または単に階差数列という。ここで 前進差分作用素である。さらに帰納的に

によって第 階差数列を定義する。[3][4]

たとえば

とすると、

であり、さらに

となる。したがって平方数の列は第2階差が一定である。[5]

等差数列

等差数列

の階差数列は

であり、定数列となる。したがって等差数列は第1階差が一定な数列である。[6]

平方数列

平方数列

に対して階差数列は

であり、これは等差数列である。さらに第2階差数列は

となる。[7]

等比数列

等比数列

に対しては

であり、一般には再び等比数列になるが、等差数列にはならない。[8]

性質

差分作用素 は線型であり、任意の数列 と定数 に対して

が成り立つ。[9][10]

また、階差数列を とすると、もとの数列は

によって復元できる。これは離散的な意味での積分に対応し、しばしば不定和分あるいは差分の逆操作とみなされる。[11]

多項式列との関係

数列 の次数 多項式で与えられるとき、 は次数 の多項式となる。したがって 階差は定数列となり、それより高い階差は零列となる。これは階差法の基本的事実であり、与えられた数列が多項式的な規則に従うかどうかを判定する手がかりになる。[12][13]

より具体的には、 を次数 、最高次係数を とする多項式とすると、刻み幅 1 の前進差分について

が成り立つ。[14]

階差表

もとの数列と、その第1階差、第2階差、……を並べた表を階差表という。階差表を用いると、数列の規則性や高階階差の振る舞いを視覚的に確認しやすい。とくに、多項式で与えられる数列では、ある段階で階差が一定になる。[15]

たとえば

さらに見る , ...
第1階差第2階差
1132
2452
397
416
閉じる

のようになり、第2階差が一定であることが分かる。

不定和分との関係

ある数列 に対し、

を満たす数列 を、不定和分とみなすことがある。これは微分に対する不定積分の離散版に相当する。階差数列を知ることで、初項を与えれば元の数列を一意に定めることができる。[16]

数値解析・補間における利用

有限差分は数値解析で広く用いられ、関数値の表から差分を作ることでニュートン補間公式などの補間公式を構成できる。等間隔に並んだデータに対する前進差分表・後退差分表は、その代表的な道具である。[17][18]

また、有限差分は導関数の離散的近似としても解釈され、常微分方程式偏微分方程式の数値解法における基本手法の一つとなっている。[19][20]

脚注

参考文献

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI