集団防衛
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集団防衛の具体的な例としては、大きくわけて日米同盟などの二国間の軍事同盟を締結する場合、NATOのような複数国で集団防衛機構を構成する場合とがある。これら集団防衛の同盟や機構は、時として国連に代表される集団安全保障のシステムと混同して理解されることもあるが、確かに、集団防衛も集団安全保障も、諸国間協力により侵略を抑止し、抑止に失敗すれば武力行使をするという点においては共通しているものの、いくつかの点で制度的な相違を有している[3]。
第一に集団防衛が敵対国とほぼ同等の防衛力でパワーバランスを維持し、相互に武力攻撃できない状態を作ることで安全保障を確保するのに対して集団安全保障は圧倒的優位により、平和破壊活動を抑止・制裁するという点が挙げられる。第二には、集団防衛が同盟の体制外への脅威に対抗するのに対して、集団安全保障はほぼ体制内の脅威に対処する枠組みであることである[4]。
集団安全保障を重視する側からは、集団安全保障の方が集団防衛よりも破壊行為を効果的に抑止し、コストも低いと評価する一方、否定的な側からは、集団安全保障の枠組に自国防衛を委ねることになれば、集団安全保障システムの構成国は防衛コストを最小化していく政策をとるようになり、集団安全保障システムの安定の根底にある「圧倒的な優位」が崩れていくという見方がなされている。または集団安全保障を肯定する側からは、集団防衛が対立と緊張を助長する要因を孕んでいると指摘するのに対し、否定論者からは集団安全保障システムは構成国への拘束が強く、体制内に共通の脅威がなくなった場合の体制維持が困難であり、また、システムに非協力的な国が登場したり、システムに反発する国が暴走するフリーライダーと化した場合、システムが機能する可能性が著しく低下するという指摘がされている[5]。
具体的には国際社会で武力紛争が発生した場合、国連安保理の常任理事国のうちの1ヶ国でも拒否権を行使・発動した場合、抑止と制裁が機能しなくなるという危惧はその代表的な例であり、故に国連においても、国連憲章第51条にて「個別的または集団的自衛の権利」を定め、加盟国が軍事同盟を締結し、集団防衛を図ることを容認している。結果として日米同盟を初め様々な集団防衛の枠組みが国連の集団安全保障システムと並立・並存している状況にある[6]。
| 集団安全保障 | 集団防衛 | |
|---|---|---|
| 抑止と制裁の力学 | 力の優位 | 力の均衡 |
| 脅威の所在 | 体制内 | 体制外 |
| 脅威の性質 | 不特定 | 特定 |
| 脅威の内容 | 侵略的意図 | 増強する能力 |
| 評価(長所) | 安全保障のジレンマを緩和 | 高い実効性 |
| 評価(短所) | 低い実効性 | 安全保障ジレンマを助長 |
| 制度的枠組 |
国際連合 / 国際連盟 |
北大西洋条約機構 |
二国間同盟の事例
米国中心の二国間同盟
太平洋集団安全保障構想が実現できなかったため東アジア地域では二国間同盟が維持された[8]。
| 根拠法 | 締結期間 | 駐留米軍使用面積(エーカー) | 施設価値(100万ドル) | 人員 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本 | 日米安全保障条約 | 1951年~ | 127,696 | 44,248 | 76,122 |
| 大韓民国 | 米韓相互防衛条約 | 1953年~ | 55,976 | 12,597 | 67,732 |
| フィリピン | 米比相互防衛条約 米比基地協定破棄 米比訪問軍隊協定 | 1951年~ 1991年 1999年~ | - | - | - |
| タイ | 東南アジア集団防衛条約 タナット=ラスク共同声明 | 1951年~ 1962年~ | - | - | - |
| 中華民国 (台湾) | 米華相互防衛条約 米国台湾関係法 | 1954年~1979年 1979年~ | - | - | - |
| オーストラリア・ニュージーランド(三国) | 太平洋安全保障条約 (ANZUS) | 1951年~ | 18,099 | 323 | 51 |