風レンズ
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構造と原理

風レンズは、風の入口から出口に向かって広がる筒(ディフューザ)と、出口周辺のつばからなっている。入口は風の取り入れ口(インレット)としてやや広がっている。 従来、流体中に設置されるまたは使用される機械は、流体に対する抵抗や渦の発生を最小限にするようにデザインされることが多いが、風レンズは渦の発生を積極的に起こして利用するという特徴がある。ディフューザとつばによって、風レンズの後方に渦が発生し、圧力が低下する。このため入口付近の風速が増加する。発電量は風速の3乗に比例するので、この効果によって2 - 5倍程度の効率上昇が見込めるとされている。
風レンズ開発当初は比較的長いディフューザに大きなつばが付いたもので4 - 5倍の出力増加が達成された。しかしこれは風車の大型化にとって風レンズ構造体自体の重量の大きさや、風レンズの受ける風の荷重の大きさといった欠点を持っていた。近年では、より軽く、形状もリング状でスリムになったものが開発され、それでも同じローター径の従来型風車に比べると2倍以上の出力増加が確保されている[2]。
利点
事例

2012年8月、宮城県仙台市の南に東日本大震災をうけてなお残った「鳥の海」の建物の屋上に、NHKが開発した自然エネルギーのみで稼働が可能な「ロボットカメラ」通称「ロボカメ」が設置された。これに九州大学開発の1kWレンズ風車が利用されている[4]。
風レンズ風車が九州大学構内に設置されている。
風レンズ風車の製品化・販売のため、産学連携企業として2008年「株式会社ウィンドレンズ」(筑紫野市)が設立された。その後、新型レンズ風車の製品化・販売のため2012年「株式会社リアムウインド」(福岡県春日市)が設立された。
環境省の支援と福岡市の協力により、2011年12月から博多湾にてレンズ風車を利用した浮体式海上風力発電実証試験[5][6]が九州大学によって行われていたが、2015年度限りで撤去となった[7]。 福岡市エネルギー政策課によると「改良した電気回路を用いた風レンズ風車は北九州市や新潟市、静岡市で実用化され一定の成果があったが、旧型の電気回路の風車を置き続けると危険なため撤去を決めた」とのこと[8]。