首尾の松
From Wikipedia, the free encyclopedia

柳橋の舟宿から猪牙舟に乗って大川(隅田川)へ出て、山谷(吉原遊廓方面)へ向かったところにある、川面に枝をつき出した松をこう呼んだ[1]。
御蔵の四番堀と五番堀の間にあり、江戸の名所を記した案内記『江戸名所花暦』では
首尾の松 浅草御蔵の内。 椎木の向、御蔵の川はたの松。川面へさしかゝる松也。これもうれしの森の類にて、あとなくいひならはせし也。
とある[2]。名前の由来は、
- 吉原帰りの客がこの松の生えている場所で舟を泊め、今宵の遊女との首尾を語り合ったことから[3]。
- これから吉原へ向かう人々がここで首尾を祈った[4]。または、「首尾を果たす松」としゃれて験を担ぎ、ここから舟で吉原へ向かった[5]。
- 松のある辺りに屋根舟を舫いつけ、何か用事をこしらえた船頭が陸に上がっている間に、客が一緒に乗った芸者などと「しっぽり首尾をする」ことから[1]。
- 舟で吉原から帰る際に、この松のある場所で明け方を迎えれば首尾もよいことから[1]。
など、諸説ある。
- 「十をばかり水をこぢると松に成り」 - 柳橋の舟宿から猪牙舟に乗って大川(隅田川)へ出ると、左岸の御蔵に首尾の松が見えたことを詠んだ歌。「こぢる」は艪を押すこと[6]。
- 「名木は水の中から枝を出し」 - 松が河面へ枝を張り出していたことを詠んだ歌[6]。
といった川柳も作られた。

