高速馬場
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出来事
高速馬場は、馬場の外側よりも内側、後ろに陣取る差し・追込よりも前に位置する逃げ・先行の脚質の方が有利とされる。また近年、競走馬の必要な能力として、スタミナよりもスピードが要求されるようになった[2]。
1995年の第36回宝塚記念では、ファン投票1位で出走したライスシャワーが競走中に故障し、安楽死の処置が取られた。このレースで優勝したダンツシアトル、3着だったエアダブリン、14着のネーハイシーザー、最下位でゴールしたナリタタイシンの4頭がこの宝塚記念から少し経った後に屈腱炎を発症し、ダンツシアトルとナリタタイシンは引退に追い込まれている。その前日に行われた阪急杯でもバンブーユージンが故障、安楽死となっており、いずれもその原因が当時の京都競馬場の固く締まった「高速馬場」で激走したのが原因だったのではないかとの指摘がある。しかし、月本裕[3]や辻谷秋人[4]、アラン・ムンロ[5]はこうした見解を否定している。
2014年の第34回ジャパンカップでは、アイルランドからの遠征馬トレーディングレザー(英語版)が4コーナーで競走中止、日本のG1レースでの予後不良は1998年の第118回天皇賞におけるサイレンススズカ以来で海外調教馬初の安楽死となる事案があった[6]。これについて高速馬場によって招かれたという指摘がある(馬主のゴドルフィンはレース後に日本の高速馬場が改善されない限り二度と日本の国際G1では走らせる事は無いと発言している)[7]。
2018年の第38回ジャパンカップは、アーモンドアイが東京芝2400メートルの今までのコースレコード、芝2400メートル日本レコード・世界レコードを更新する2分20秒6で優勝した。このタイムは同年の凱旋門賞より11秒以上も速く、「ガラパゴス化した高速馬場」との指摘がなされている[8]。同年は2頭の外国馬も参戦したものの、日本の馬場に対応できず2桁着順に敗退。翌2019年の第39回ジャパンカップは史上初の外国馬出走ゼロとなったが、その原因にも日本特有の「超高速馬場」を指摘する声もある[9]。
議論
騎手の武豊は、近年の馬場について、「外国馬がジャパンカップからますます遠のいてしまう」という指摘をしている[10]。
元騎手で、競馬評論家の安藤勝己は、「日本の軽い馬場が時計のかかる重い芝で競ってきた外国の関係者が敬遠しがちになる」「日本だけでしか通用せんようなことをしとっては、真の意味での国際交流は成立せんし、いずれは見放されるだけ」と指摘している[11]。
美浦トレーニングセンター・尾関知人厩舎に所属の調教助手である西塚信人も「これほど速いタイムが出る日本の馬場状態は、世界から見てもガラパゴス化しているのではないか」「海外とは違う馬場ですから、日本で結果を残した馬が海外では思うような結果を残せない、また逆のケースも多くなってくるはず」「国際化を目指す上でどうなのか」と指摘している[12]。
脚注
- 1 2 “武豊騎手が「異常馬場」に怒り!? JRAの主張と食い違う騎手の主張「高速馬場=故障しやすい」は錯覚なのか”. GJ | 真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト. 2020年12月6日閲覧。
- ↑ ロードカナロアの台頭
- ↑ 『サラブレッド101頭の死に方(文庫版)』(徳間書店、1998年)ISBN 978-4198911850、p.493
- ↑ 『優駿』1995年9月号、p.47
- ↑ 『優駿』1995年11月号、pp.57-58
- ↑ “【ジャパンC】トレーディングレザー 骨折で競走中止、予後不良に…”. スポニチアネックス (2014年12月1日). 2023年11月23日閲覧。
- ↑ “ジャパンカップで起きた事故でますます世界から敬遠される日本競馬界(THE PAGE)”. Yahoo!ニュース. 2020年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月25日閲覧。
- ↑ “【甘口辛口】外国馬がそっぽを向いたジャパンC 高速馬場が招く日本競馬のガラパゴス化”. SANSPO.COM(サンスポ) (2019年11月15日). 2021年3月15日閲覧。
- ↑ “武豊JRA「超高速馬場」を称賛! ジャパンC(G1)史上初の外国馬出走ゼロも「馬場に文句はない」理由”. GJ | 真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト. 2020年12月6日閲覧。
- ↑ “衝撃の世界レコード”. 武豊オフィシャルサイト. 2019年5月31日閲覧。
- ↑ “アンカツ 高速馬場に騎乗ルール…日本競馬の問題点に警鐘鳴らす”. 東スポ. 2019年5月31日閲覧。
- ↑ “高速馬場による“日本競馬のガラパゴス化”は議論の余地あり|西塚助手|競馬予想サイト サラブレモバイル”. サラブレモバイル. 2020年12月6日閲覧。