鳴海仙吉
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あらすじ
故郷である北海道に疎開したままの主人公・鳴海仙吉は、不耕作地主であるという負い目を感じながら、道内の大学で英文学の講義を受け持ち、かたわら文芸評論などを書いて過ごしていた。身体の弱い妻は東京に帰ったが、生計の資を求める仙吉は道内に残り、小作料を当てにして生活している。友人の妹のユリ子をひそかに慕ってもいるが、妻もいる以上なかなか恋心を打ち明けられない。大学では、もともとガートルード・スタインやエズラ・パウンドを研究していたため、シェイクスピアをはじめとする英文学の古典をまともに勉強していないのが裏目に出て、塩見教授や佐伯講師といった同僚たちに劣等感を抱いている。「弟子にしてください」と頼み込んでくる学生までおり、あしらうのも一苦労である。そんななか、ユリ子が姉・マリ子の経営する酒場「トミヤ」に引っ越してしまう。ところが、鳴海はユリ子への思慕をますます強めてゆく…… [1]