鶉衣
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概説
優れた俳論
俳文の極致とも言うべき飄逸味溢れた俳文集である。作者の言によれば、本書の命名の意図は、「あやしくはへもなききれぎれを、あつめつづりたるを、うずら衣とはいうなり」[2]との事でありすなわち、鶉の羽毛のように、見栄えのしない粗末な文章の集まりだという意味である。作者である横井也有は、多才の人で俳諧・儒学・武芸全般に秀いでその趣味の広さを投影して洗練された雅俗混淆の文で綴られた俳文集となっている。
南畝の尽力で刊行
安永の初めごろ、大田南畝が隅田川のほとりの長楽寺に遊んだときに、也有の俳文『借物の弁』を見て感心したので写して帰り、尾張藩士として名古屋で暮らしている也有の消息を、尾張藩の人に会うごとに尋ねていたところ、也有の門人堀田六林[3]が也有の著作をまとめた[4]ものを、同じく尾張藩士の金森桂五がもたらしてくれたが、也有はすでに天明3年に死んだということであった。優れた俳文を、このまま埋もれさせてしまうのは惜しいと南畝が刊行に尽力し、蔦屋重三郎から出版したものである[5]。
原典の構成
影響と価値
俳諧という言葉自体本来滑稽という意味を含んでいる。軽妙自在の筆の進みに任せ、ユーモアと機知に飛んだ文章は、俳諧の本質をとらえている。松尾芭蕉の「風俗文選」とともに俳文の双璧をなすものとされる。
