石高

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石高(こくだか)とは、近世の日本において土地の生産性石という単位で表したもの。太閤検地以降、地租改正まで約300年間、大名旗本の収入および知行軍役など諸役負担の基準とされ、所領の規模は面積ではなく石高で表記された。また農民に対する年貢も石高を元にして徴収された。

太閤検地以後江戸時代を通じて、田畑や屋敷などの土地の価値に至るまで面積に石盛という一定の係数をかけて米の生産力に換算して石単位で表示するようになった。このような制度を石高制と言い、米以外の農作物海産物の生産量も、米の生産量に換算されて表された。大名をはじめとする武士の所領からの収入や俸禄を表す場合も石高を用いた。特に領民の場合には「百姓高所持(ひゃくしょうだかしょじ)」、武士(特に大名)の場合には「石高知行制(こくだかちぎょうせい)」と称されることがある。明治時代地租改正まで続いた。

一石は大人一人が一年に食べる米の量に相当することから、これを兵士たちに与える報酬とみなせば、石高×年貢率と同じだけの兵士を養えることになる。つまり石高は戦国大名の財力だけではなく兵力をも意味していた。江戸時代の軍役令によると、大名は幕府の命に応じて表高1万石あたり概ね2百人程度の軍勢(非戦闘員を含む)を動員する義務を課せられていた。ただし石高は一般に玄米の体積を元に算出するのが常であり、実際には成人男性であれば1日玄米5合、年間玄米約1.8石が標準的な扶持米として支給されていた。

なお、農民に対する年貢徴収は原則としては石高を元にしているものの、初期の検地が年貢の徴収よりも領主の領知高及びそれに基づく公儀への諸役負担を確定させることを目的としていたことや村請制のもとで重視されたのは村単位の石高(村高)であったことから、個々の農民に対する年貢徴収基準として石高が用いられるようになったのは17世紀後期以後とされている。実際に江戸時代の土地証文に石高の記載が登場するのは寛文延宝年間が上限とされ、それ以前の農民生活において石高は身近な概念ではなかったとみられている[1]

旧国別石高の変遷

江戸幕府開府直後の一部旧国の郡別石高・正保以降の全国の郡別石高の

以下に太閤検地高(慶長3年(1598年)の石高)、慶長郷帳記載の石高に近いと考えられる江戸時代初期高、寛永十年巡見使国絵図記載の石高、正保郷帳・元禄郷帳・天保郷帳記載の石高、地租改正直前の明治5年(1873年)の石高をまとめる。寛永以前に関しては国高、正保以降に関しては国高・郡高までを記載する。陸奥国出羽国については領分別(ここでいう領分とは郷帳・国絵図作成のための地区分担を指し、実際の藩の所領とは異なる)と明治以降に新設された旧国(磐城国岩代国陸前国陸中国陸奥国羽前国羽後国)別の石高集計も記載する。一部地域では明治に至るまで貫高制が敷かれていたが、本表では奥州仙台領の正保郷帳の貫高に限り石高に換算し(高1貫文 =高10石)、関東・東海地方の永高金高貫高は石高に換算しなかった(通常は高永1貫文=高金1両=高5石)[2]。なお1石=10斗=100升 =1,000合=10,000勺=100,000才(撮)=1,000,000 毛(弗、扎)であり、石よりも下の桁は石を単位とする小数で示す。江戸幕府開府直後の一部旧国の郡別石高と、正保以降の全国の郡別石高については旧国郡別石高の変遷の項を参照。

太閤検地

太閤検地は天正10年(1582年)に始まり、慶長3年(1598年)まで再検地を含めて全国で実施された。文禄2年(1593年)の年次の入っている『大日本六十六国並二島絵図』、文禄3年(1594年)の石高を記載している『当代記』、慶長3年(1598年)旧暦8月の年月の入っている『日本賦税』など、国高を記載する複数の史料が知られているが、その数字にほとんど差異はなく、ほぼ同一の史料からの引用と思われる。[3]なお出羽国の石高は明らかに異常であるが、置賜郡などの上杉景勝の出羽国内領分が陸奥国の石高に加算されている可能性が指摘されている[4][5]

慶長郷帳・国絵図

慶長9年(1604年)、江戸幕府は諸国の有力大名に郷帳と国絵図の提出を命じ、慶長15年(1610年)までに上納が完了した。しかしながら慶長郷帳・慶長国絵図の正本は現存せず、郷帳の写本は飛騨国壱岐国大和国の3国分、国絵図の模写は西国の11国1島分に限られており、郷帳・国絵図の提出が命じられたのは西日本のみではないかとする説もあり、慶長郷帳・国絵図製作の全容は不明な点が多い。郷帳には田畑内訳を含めた村高と物成が列記され、領知関係や、必要に応じて小物成高、寺社領高、荒地・損害等の付記が行われているが、新田高の記載はなく、使役や格式等を決める表高と内高の乖離が始まっている。本表では島原松平文庫『御当家雑記』収録「日本国知行高之覚」[6]記載の江戸時代初期高を仮に慶長郷帳高とする。「日本国知行高之覚」には出羽国高について「内拾万石上杉弾正分入」との注釈があり、上杉景勝が慶長14年(1609年)に10万石の軍役を免除されたことと関係すると思われる[4]。なお徳川所領を中心に幾つかの国で石高が減っているが、これは再検地の際に石盛が改訂されたことや、表高優先の石高を設定したことと関連する(#石高における田畑、新田高の割合参照)。また国境も頻繁に変えられており、例えば西宮市立郷土資料館蔵『慶長十年摂津国絵図』によると摂津国石高は29万0068石6斗、外に欠郡内東成6万1080石が河内国御帳入とあり、慶長年間中頃から寛永年間まで一時的に淀川以東の闕郡(住吉郡・東成郡と西成郡の一部)が河内国に編入され、正保年間前には再び摂津国所属となったことが判る[5]

寛永十年巡見使国絵図

寛永10年(1633年)に幕府から諸国へ巡見使が派遣された際、諸国の有力大名より国絵図が徴取された。国絵図の徴収は前年の寛永9年(1632年)に突然命じられたものであったため、大部分の諸藩は慶長国絵図の写しを提出したとみられ、石高が実際に増えた国は、三河国陸奥国越後国対馬国に限られる。寛永十年巡見使国絵図の正本は現存しないが、国絵図の模写は岡山大学附属図書館の池田家文庫に尾張国播磨国の2国分を除いてほぼ完全に伝わっており、本表に寛永十年巡見使国絵図記載の石高をまとめる[7]

正保郷帳・国絵図

正保元年(1644年)、江戸幕府は諸国の有力大名に郷帳と国絵図の提出を命じ、慶安4年(1651年)頃までには上納がほぼ完了したとみられる。正保郷帳の正本は現存しないが、郷帳の写本は副本等を含めて33国36点が残存している。正保郷帳には田畑内訳を含めた村高が列記され、領知関係や、必要に応じて小物成高、寺社領高、荒地・損害等の付記が行われている。また表高(拝領高、朱印高)に相当する本田高(本地高)の外に、新田高の併記もあるが、正保郷帳の国高・郡高はあくまでも表高を原則とする。また正保国絵図の模写も22国2点が残存しており、郡別村数、郡別・領分別石高等が記載されているが、新田高は原則として記載されていない。正保郷帳記載の本田高に新田高を加算することで内高(実高)を算出することは可能であるが、本表ではあくまでも表高の集計値を正保郷帳高として扱う。なお現存する正保郷帳分だけで新田高を合算しても100万石前後となり、表高と内高の解離がかなり進んでいたといえる[8]。また正保郷帳・国絵図が残存していない旧国については、前後に作成された郷村帳などから推計された石高を掲載しており、今後の研究により数字が変わる可能性もある。

元禄郷帳・国絵図

元禄10年(1697年)、江戸幕府は諸国の有力大名に郷帳と国絵図の提出を命じ、元禄15年(1702年)頃までには上納がほぼ完了したとみられる。元禄郷帳では記述が簡素化され、国郡村別の石高のみが記載された。元禄郷帳・元禄国絵図共に正本は現存しないが、写本・副本は多数残存している。正保郷帳と同様に石高は表高を原則とする[6]

天保郷帳・国絵図

天保2年(1831年)、江戸幕府は諸国の有力大名に郷帳の提出を命じ、天保5年(1834年)までに上納が完了した。続いて天保6年(1835年)、国絵図の改訂を命じ、天保9年(1838年)までに上納が完了した。天保郷帳・天保国絵図の正本は全て明治政府に引き継がれ、国立公文書館に保存されている。天保郷帳を作成するに当たり、幕府は表高(拝領高)に込高、新田高、改高を加えて集計した内高の報告を要求しており、天保郷帳記載の数字は全て内高である。ただし諸藩は内高報告には極めて慎重であり、例えば長州藩では支藩を含めて防長領国の総内高を97万0941石8斗1升5合5勺1才と把握していたが、幕府には寛政4年(1792年)の内検高89万4282石1斗を報告した。また薩摩藩は表高をもって内高であるという建前を貫いているなど、天保郷帳には各藩が把握していた内検高とは異なる内高がかなり掲載されている。[6]

明治5年石高

明治6年(1873年)より大蔵省租税寮が主導となって地租改正が実施されるが、直前の明治5年(1872年)末の全国の石高の状況が各府県より租税寮に報告されている。明治初期の石高については複数の統計資料が現存するが、東京大学史料編纂所蔵『郡村石高帳』、太政官正院地誌課編『日本地誌提要』、内務省地理局『地理局雑報』、一橋大学附属図書館社会科学統計情報研究センター所蔵『明治六年国郡高反別調』、陸軍参謀局編『明治八年 共武政表』等に記載されている旧国別石高はほぼ同一であり、これらを明治5年石高としてまとめる。[9]なお同様に明治初期の石高を記載する史料として明治10年代初期に内務省地理局地誌課によってまとめられた『旧高旧領取調帳』が存在するが、この史料は廃藩置県前に各府藩県がまとめた明治3年以前の石高、廃藩置県後に政府の統一基準で各府県が算出し直した明治4年、明治5年の石高、地租改正の途中で算出し直した明治6年以降の石高など、複数の基準による石高統計が混ざっている。

享保6年田畑数

以上のほかに参考として、享保6年(1721年)に徳川吉宗の命で各地より報告された田畑の耕地面積をまとめた『町歩下組帳』記録の旧国別田畑数を本表にまとめる(同時にまとめられた人口調査については江戸時代の日本の人口統計#旧国別調査人口の変遷の項を参照)。なお面積の単位は1町=10段(反)=100畝=3,000歩(坪)=30,000合(厘)=300,000勺(毛)と十進数ではない換算が含まれており、町・歩の二組の数字を掲載する(例えば山城国の田数11,405.8311.20は1万1405町8段3畝11歩2合0勺を意味する)。

旧国別石高の変遷
旧国 慶長3年石高
(1598年)
慶長郷帳石高
(1604〜1610年)
寛永国絵図石高
(1633年)
正保郷帳石高
(1644〜1651年)
元禄郷帳石高
(1697〜1702年)
天保郷帳石高
(1831〜1834年)
明治5年石高
(1872年)
享保6年田数 (町・歩)
(1721年)
享保6年畑数 (町・歩)
(1721年)
山城国225,262.00216,070.700216,070.0215,985.62170224,257.78816230,131.760865222,368.7051711,405.8311.206,041.1014.60
大和国448,945.50444,134.000444,134.0459,380.62460500,497.30868501,361.691560503,686.2367623,531.6610.0010,677.1214.00
河内国242,105.80308,857.620308,857.0264,952.34320276,329.82954293,786.634500293,118.5872015,885.6112.106,484.7415.50
和泉国141,512.70138,797.090138,797.0159,326.77100161,692.12640172,847.986000176,190.776108,084.4509.003,524.4719.00
摂津国356,069.10290,902.100299,902.0375,478.86000392,707.69987417,399.127000416,521.9358023,193.0207.009,422.5011.00
伊賀国100,000.0095,594.10095,594.0100,540.00600100,540.00200110,096.536000110,917.966406,355.1519.002,382.1823.00
伊勢国567,105.14572,786.900572,786.0596,334.68500621,027.44200716,451.492700714,376.4150035,276.5221.3019,414.4403.50
志摩国17,854.9117,849.30017,849.019,290.3260020,061.6410021,470.39800019,279.203001,209.5620.00497.1411.00
尾張国571,737.40480,841.700480,840.0526,493.51000521,480.51800545,875.793000764,774.1662027,670.6716.0018,349.4419.00
三河国290,715.00336,000.000350,000.0350,880.05800383,413.44230466,080.746800472,373.7100021,649.1819.0019,613.7208.00
遠江国255,160.00268,800.000268,800.0280,733.49000
永1690貫359文
328,651.43658369,552.575180372,546.3490121,277.8022.0014,715.2317.00
駿河国[2]150,000.00170,000.000170,000.0191,315.69100
永847貫444文
金28両3分2朱糸目半
237,937.40728250,538.753090251,954.1648615,709.4224.0010,917.4727.00
甲斐国227,616.00250,000.000250,000.0241,662.70600253,023.27103312,159.329490312,185.17685
貫高3貫500文
15,743.6919.5029,351.0429.50
伊豆国69,832.0079,353.00079,353.079,653.2080083,791.2823584,171.29362084,037.208365,040.2104.703,074.5927.60
相模国[2]194,304.00191,524.000191,920.0220,617.74200
永1596貫742文
258,216.58202
永1348貫801文
286,719.756890
永1346貫670文
289,776.73197
永1122貫371文8分
13,385.5425.0029,143.1626.00
武蔵国667,126.00840,000.000840,000.0982,337.965801,167,862.983391,281,431.0688201,282,000.7709064,590.6903.00137,278.9424.00
安房国45,045.0091,779.12091,779.092,641.6800093,886.2102395,736.23907095,641.423505,190.8806.004,206.4521.00
上総国378,892.00285,300.000285,300.0351,731.00000391,113.95411425,080.453410427,313.7709425,393.6506.0022,935.1800.00
下総国[6]393,255.00250,131.000250,140.0444,829.84200568,331.11374681,062.631660687,373.8605537,445.5407.0042,717.7512.00
常陸国[2]530,008.00753,600.000752,600.0840,801.82890903,778.45800
永21貫文
1,005,707.489030
永21貫文
921,629.1525049,172.1023.0066,455.4102.00
近江国775,379.00832,122.600832,120.0830,616.51700836,829.72078853,095.305590857,849.5252848,533.0006.0014,343.2319.00
美濃国540,000.00581,523.000581,523.0609,740.99900645,101.50300699,764.321660729,654.8836533,942.9122.2022,010.7505.60
飛騨国38,000.0038,764.40038,764.038,764.4000044,469.2190056,602.30900057,196.058003,088.3104.003,687.3210.00
信濃国408,358.00547,360.000547,360.0544,770.33800615,818.73754767,788.077600786,950.0009827,040.1707.0042,698.2312.00
上野国496,377.00468,000.000468,000.0515,221.29926591,834.44887637,331.633100635,851.1073423,304.9918.0064,200.0704.00
下野国374,083.80464,000.000464,000.0568,733.92000681,702.80146769,905.027038758,648.4407135,580.1613.0073,003.8518.00
陸奥国1,672,806.001,729,000.0001,822,000.01,707,800.105101,921,934.887452,874,239.0598803,007,005.48628183,647.5505.00154,102.1104.00
   会津領[8]271,397.03470272,011.81600337,218.127500343,656.44250
   白河三春二本松領310,528.50500341,022.55885434,581.248070439,753.20706
   磐城棚倉相馬領205,026.59540277,935.46360300,419.556810328,427.89967
   米沢/福島領121,186.92500199,867.89900203,825.844500204,216.18405
   仙台領654,110.88000
(貫高6万5411貫088文)
600,000.00000992,057.260000994,594.59300
   南部領100,550.16500128,000.00000288,874.793000355,370.11100
   津軽領45,000.00000103,097.15000317,262.230000340,987.04900
   磐城国436,895.62040517,082.53095613,924.675660650,488.88237
   岩代国544,846.51970641,269.51650755,703.961220760,923.54591
   陸前国434,938.85000398,958.83000697,838.180000700,649.30800
   陸中国218,681.81600228,520.61400423,134.490000471,842.91200
   陸奥国72,437.29900136,103.39600383,637.753000423,100.83800
出羽国318,095.00870,000.000870,000.0951,523.476001,126,248.834401,295,323.5214401,515,446.1950383,652.4300.0036,309.5523.00
   米沢領180,000.00000193,993.53420216,161.220230337,240.91500
   山形領337,610.45900352,513.70720366,147.135970365,370.03946
   新庄領36,158.7420051,072.3418062,387.45380084,057.51631
   庄内領141,955.12500198,618.39220234,302.356140235,244.72071
   秋田領255,799.15000330,050.85900416,325.355300493,533.00355
   羽前国649,480.35200733,879.23040804,569.693740946,971.30568
   羽後国302,043.12400392,369.60400490,753.827700568,474.88935
若狭国85,000.0085,099.60085,099.085,460.0889088,281.5224091,018.82220091,767.058105,044.6004.002,213.2401.00
越前国499,411.00682,654.000682,654.0680,293.30800684,271.80960689,304.819870690,243.6177526,409.1509.9410,786.0908.70
加賀国355,570.00442,507.400442,507.0422,958.60000438,281.77000483,665.848700511,716.0183924,170.1221.007,570.8221.00
能登国210,000.00216,891.300216,891.0225,006.15000239,208.79540275,369.990210307,602.8289614,512.7611.004,493.7901.00
越中国380,298.28530,637.300536,037.0592,415.66000611,000.10000808,008.461820899,831.9390044,156.8400.107,141.8113.40
越後国[8]390,770.00450,060.900606,370.0621,074.18300816,775.730771,142,555.5358501,150,567.5235966,193.9308.004,0610.6620.00
佐渡国17,030.0020,599.00020,599.024,812.02100130,373.91100132,565.491000135,206.123006,554.0920.004,169.5216.00
丹波国263,887.00280,570.200280,570.0289,829.14700293,445.54740324,136.268670329,465.4738618,975.5308.508,878.1323.50
丹後国110,784.00123,170.200123,170.0123,175.01000145,821.18200147,614.804460148,002.130309,185.2618.502,920.7428.20
但馬国114,235.00123,960.000123,960.0129,069.75700130,673.23500144,313.084030148,147.754278,712.8009.003,282.3104.00
因幡国88,500.00131,649.600131,649.0149,742.50000170,728.28900177,844.624000195,632.645009,618.2522.502,576.9202.50
伯耆国100,947.00175,032.000175,032.0170,257.50000194,416.56700217,990.822280251,069.4070012,396.4109.503,984.7327.00
出雲国186,650.00223,477.100223,477.0253,597.64760282,489.73900302,627.465000320,709.9110015,495.0119.804,916.1522.00
石見国111,770.00137,370.000137,370.0139,401.53700142,499.23500172,209.768320182,136.8985013,921.6117.009,797.1919.00
隠岐国4,980.0011,802.90011,802.011,601.3930012,165.2030012,559.60000012,562.90700628.5915.003,340.9208.00
播磨国358,534.00521,300.000521,300.0542,130.12700568,517.57900651,964.813500660,557.8162633,208.5218.7015,426.0402.10
美作国186,018.70227,115.500227,715.0186,500.00000259,353.70100262,099.098000262,333.8640012,499.9719.506,669.1616.00
備前国223,762.00286,200.000286,200.0280,200.03000289,224.71000416,581.854000418,964.5380017,119.2928.507,031.3114.50
備中国176,929.00227,894.800227,894.0236,491.82500324,455.62300363,915.614210371,355.1758017,336.0607.3012,762.5105.10
備後国186,150.00238,838.000238,138.0248,015.28700295,678.88800312,054.932000315,876.1815518,290.4504.0014,753.6517.00
安芸国194,150.00259,384.900259,384.0265,161.18600269,478.31000310,648.489000314,669.4871019,704.2713.008,924.8810.00
周防国167,820.00164,420.200164,420.0202,787.60000202,787.67000489,428.677000552,160.2151819,571.4917.0010,008.2620.00
長門国130,660.00134,059.900134,050.0166,623.40000166,623.64500404,853.333000458,143.4898916,870.9119.006,966.0906.00
紀伊国243,550.00395,247.700395,247.0398,395.45300397,668.01900440,858.377710444,283.1333520,555.8503.0013,399.6519.00
淡路国62,104.0063,621.10063,621.070,186.5000070,428.1000097,164.784000136,637.981835,915.6927.002,700.8216.00
阿波国183,500.00186,753.500186,753.0186,753.58300193,862.28500268,894.329000310,484.4647411,818.4218.0020,439.9024.00
讃岐国126,200.00175,001.700175,001.7178,633.62100186,394.04100291,320.256400309,814.7538022,036.5825.007,050.2308.00
   讃岐国 (郡部)171,815.000171,815.0173,554.22700176,485.98700280,292.631900298,413.69240
   小豆島 (島嶼部)3,186.7003,186.75,079.394009,908.0540011,027.62450011,401.06140
伊予国366,200.00381,640.800381,640.0400,271.87300429,163.25854460,997.639340443,321.6884229,144.5503.5022,117.2922.00
土佐国98,200.00202,626.500202,626.0248,328.12000268,484.97400330,026.520000510,572.1947021,590.5518.0011,412.0918.00
筑前国335,695.00522,512.400522,515.0522,512.60130606,981.42000651,782.278440633,404.6354034,907.2412.3014,967.0213.20
筑後国265,998.00302,085.500302,085.5331,497.76700331,497.76900375,588.897800536,742.9026522,133.8901.508,024.4105.00
豊前国140,000.00330,744.644300,740.0244,787.67100273,801.84830368,913.640500366,948.0813821,809.2905.4010,319.2229.40
豊後国418,313.00378,592.400378,592.0357,300.51500369,546.79160417,514.227150459,184.4173422,707.1810.5030,542.7205.00
肥前国309,935.00561,437.400561,437.0566,882.15600572,284.12310706,470.723196685,117.5976247,607.9402.8021,037.5010.60
肥後国341,220.00572,989.000572,989.0579,711.78700563,857.17800611,920.291100851,237.0529136,698.8402.0037,501.7428.50
日向国120,088.44288,589.500288,589.0290,180.97300309,954.52817340,128.861790418,142.3566521,631.9728.6720,193.9002.79
大隅国175,057.23170,828.100170,828.0170,833.45100170,833.45100170,833.451000263,363.2906310,710.8012.0013,596.8007.00
薩摩国283,482.74315,251.700315,251.0315,005.60012315,005.60012315,005.600120323,483.4995316,682.7517.0015,743.6809.00
壱岐国0.0015,982.30015,982.017,568.0300018,072.8060032,742.92100032,853.88500918.2518.501,275.6207.00
対馬国0.000.0008,163.06,269.715000.000000.0000005,818.11600n.a.n.a.
琉球国n.a.n.a.n.a.123,711.81348123,711.81348123,711.813480147,024.09296n.a.n.a.
   大島 (奄美群島)[10]32,828.7000032,828.7000032,828.70000052,793.39202
   本琉球90,883.1134890,883.1134890,883.11348094,230.70094
全国総計[2]18,509,043.7422,171,689.67422,426,836.223,617,594.20096
永4134貫545文
金28両3分2朱糸目半
25,910,641.41806
永1369貫801文
30,558,917.841139
永1367貫670文
32,373,825.15675
永1122貫371文8分
貫高3貫500文
164,3446.6816.01131,7105.0020.79

なお松前島(蝦夷地)・北海道は元禄郷帳、天保郷帳、明治5年調の『郡村石高帳』において無高とされているが、明治5年の物産高は『日本地誌提要』によると65万0286石6斗8升4合7勺2才である。この物産高は鮭6000尾、鱒1万2000尾、その他の水産物2万5000斤につきそれぞれ100石で換算することで算出されている。

松前島・北海道の石高・物産高
旧国 元禄郷帳高
(1697〜1702年)
天保郷帳高
(1831〜1834年)
明治5年物産高
(1872年)
松前地0.000000.000000
   渡島国54,814.89482
西蝦夷地0.000000.000000
   後志国265,580.84719
   石狩国39,336.06952
   天塩国98,259.32456
   北見国26,977.42066
東蝦夷地0.000000.000000
   胆振国15,837.50429
   日高国48,505.60277
   十勝国5,280.44000
   釧路国48,342.98783
   根室国35,572.81583
   千島国11,778.77725
総計0.000000.000000650,286.68472

石高における田畑、新田高の割合

正保郷帳には田畑・新田高の記載がある。以下に正保郷帳やそれに近い写本によって、正保年間前後の一国全域(陸奥国に関しては六分割された担当地区)の田方・畑方の石高や新田高の何れかが判別する旧国の石高をまとめる。但し、貫高・永高・反高、その他石高で表記されていない金・銀・銭・米・茶・綿・麻・漆・材木類・塩・魚介類などの小物成高は省略する。

正保年間前後における各国の田畑の石高と新田高の割合[8]
旧国 表高 (本田高・寺社領・小物成等) 表高に含まれない石高 (新田高・小物成等) 内高[11] 田方/田畑方 内高/表高[11]
総計 田方 畑方 その他 総計 田方 畑方 その他
河内国264,952.34320204,160.6109059,018.277101,773.45520566.0820028.00000538.08200265,518.4252077.58%100.21%
和泉国159,628.55800128,867.5670028,902.807001,858.1840081.68%
摂津国375,496.755005,378.64200380,875.39700101.43%
伊勢国596,334.68500434,764.76300159,069.9230062,561.63400658,896.3190073.21%110.49%
尾張国535,608.8610034,843.99300570,452.85400106.51%
遠江国280,733.49000204,711.6960064,875.5940011,146.2000020,670.69624301,404.1862475.94%107.36%
武蔵国982,337.96580489,528.29602401,799.7457891,009.924007,387.36800989,725.3338054.92%100.75%
安房国92,641.6800060,034.6570029,834.355002,272.2180066.80%
美濃国609,740.99900395,170.99240199,143.8176015,426.0970018,225.11300014,457.691003,824.54400627,966.1120066.87%102.99%
飛騨国38,764.4000025,475.3270013,289.0730065.72%
信濃国544,770.33800319,285.18200220,279.825005,205.3310033,636.0670023,588.600009,994.6370052.83000578,406.4050059.82%106.17%
上野国515,221.29926245,294.90573269,734.81370191.5798347.63%
下野国568,733.92000294,521.67000266,326.960007,785.2900049,858.4100019,262.9400030,595.47000618,592.3300051.38%108.77%
奥州棚倉・岩城・中村領205,026.59540140,057.6330063,375.127401,593.8350047,658.73400252,685.3294068.85%123.25%
奥州仙台領654,110.88000525,562.77000128,548.1100091,182.5000083,008.890008,173.61000745,293.3800081.66%113.94%
奥州南部領100,550.1650072,413.3580028,136.8070072.02%
奥州津軽領45,000.0000041,160.440003,839.5600057,468.80000102,468.8000091.47%227.71%
出羽国951,523.47600794,694.36400139,324.1510017,504.96100172,871.417001,124,394.8930085.08%118.17%
若狭国85,460.0889074,325.6380011,134.4509086.97%
越前国680,293.30800512,404.32070167,888.9873075.32%
加賀国422,958.60000334,338.5900088,620.0100017,440.5500010,693.610005,789.04000957.90000440,399.1500078.52%104.12%
能登国225,006.15000170,078.4400054,927.7100030,549.0600012,334.790002,834.6400015,379.63000255,555.2100075.95%113.58%
越中国592,415.66000502,729.4800089,686.1800069,671.0000059,150.800009,151.920001,368.28000662,086.6600085.04%111.76%
播磨国542,130.12700445,278.0720096,725.0610012,499.66000554,629.7870082.15%102.31%
美作国186,500.00000132,035.6000054,464.4000051,129.30000237,629.3000070.80%127.42%
備前国280,200.00000212,951.8000067,248.2000016,202.00000296,402.0000076.00%105.78%
周防国202,787.60000158,494.4310044,293.1690078.16%
長門国166,623.40000131,765.9160034,857.4840079.08%
伊予国400,271.87300295,290.6769098,622.339106,358.857002,266.269001,480.91000785.35900402,538.1420074.91%100.57%
土佐国248,328.120006,050.00000254,378.12000102.44%
筑前国522,512.60130431,908.8512090,603.7501095,435.67460617,948.2759082.66%118.26%
豊後国357,300.51500208,685.71690145,435.278103,179.520007,064.006171,976.593225,087.41295364,364.5211758.33%101.98%
肥後国579,711.78700378,752.16200195,512.040005,447.5850038,091.2900023,777.1640014,314.12600617,803.0770065.15%106.57%
対馬国6,269.71500406.623005,863.092006.49%
琉球国123,711.8134868,264.5270053,102.155382,345.1311056.25%
総計13,143,657.769348,433,415.076753,374,483.25346173,098.16813948,708.26601249,759.9882290,550.7589518,296.7220011,920,414.0077171.48%108.65%

耕地面積の内、田方・畑方の面積の割合はそれぞれ55%、45%であるのに対し(享保6年反別)、田畑の石高の内、田方・畑方の割合は全国的にそれぞれ約70%、約30%であり(正保郷帳石高)、石高は米に偏重する傾向があるとはいえ、米の収穫高を表すものではない。また新田高は、正保郷帳での新田高の記載が判明している地域の表高約1192万石に対して約95万石である。

ただし『寛永期奥州之内南部領高郷村帳』の奥書によると、南部藩の内検では内高22万0400石余を集計していたが、幕府の指示により正保4年(1647年)に領地高10万0550石余に割り込ませた郷帳と国絵図を提出したとしている。

また尾張藩は正保元年(1644年)、年貢据え置きのまま税率を六公四民から四公六民に下げる高概(たかならし)を行い、尾張八郡内の尾張藩領本田高を48万3252石0斗2升3合から63万1528石9斗3升6合、新田高を2万9682石4斗1升4合から3万3571石2斗2升5合と、太閤検地時代の石高に修正している。しかしながら幕府には慶長12年(1607年)に実施された備前検地の石盛に基づいた本田高・新田高を正保郷帳・国絵図に記載する石高として報告している。[12]

飛騨国においては、慶長郷帳と正保国絵図で国高が全く同一の3万8764石4斗であるが、内高の方は慶長18年(1613年)の時点で4万5789石8斗4升3合8勺(高山市郷土館蔵『飛騨国三郡高之帳』)、寛文4年(1664年)の時点で5万2808石5斗余(加藤歩簫著『紙魚のやどりぎ』)となっている。石高自体は決して大きくないが、割合ではそれぞれ18%、36%の増石に相当する。

長州藩の『寛永2年周防国長門国村一紙』によると、寛永(1625年)の熊野検地により周防国内高37万3040石8斗8升2合、長門国内高28万5258石4斗4升9合、二国合計65万8299石3斗3升1合を集計している。[13]

これら奥州南部領・尾張・飛騨・周防・長門の新田高等約60万石は正保郷帳から漏れており、幕府に報告が上がっていない新田高は正保郷帳・国絵図作成時にも既に相当数存在するとみられる。

寛永二年防長両国検地[13]
旧国 総石高 田方 畠方 屋敷方 小物成 塩浜 浦浮役等
周防国373,040.88200285,697.4355242,108.7055018,792.8426422,150.545343,145.248001,146.10500
長門国202,247.23000164,877.1029821,640.6741310,692.846301,687.679281,199.552312,149.37500
防長二国合計575,288.11200450,574.5385063,749.3796329,485.6889423,838.224624,344.800313,295.48000
割合100.00%78.32%11.08%5.13%4.14%0.76%0.57%

また18世紀以降は検地の実施も減り、特に天領では内高(実高)であっても実際の土地生産性よりも過小評価となっているのが常であった。

石高と実体経済

石高は近代的な生産統計ではなく、課税の基準を主たる目的としていたが、林業や水産業を十分カバーはしておらず、その一方で第二次産業に属する製塩や農産物加工等によって生まれた価値を一部含むため、単純に農業生産高に換算することはできない。また中間投入を除いていないため、二重計算の危険がある。これらに関しては明治以降はある程度データが存在し、例えば明治7年(1874年)の『明治七年 府県物産表』などを用いることでGDPの推定が可能となる。

地租改正直前における日本全国の石高は3237万石であったが、『明治七年 府県物産表』によると明治7年の米の生産高は2591万石、その物産額は1億4279万円であった。また、農林水産業・鉱工業の全物産額3億7230万円(土木建築業や商業・サービス業などが含まれておらず、総生産高ではない)を平均米価で換算すると6756万石に相当する。[14]なおこの物産表には北海道沖縄県と独立国家状態であった鹿児島県(現在の宮崎県を含む)の統計が含まれていないが、大蔵省編『開拓使事業報告 第三編』によると北海道の明治7年(1874年)の物産額は339万8088円(陸産27万6736円、海産312万1353円)とあり、平均米価で換算すると物産高約60万石に相当する。また『旧鹿児島藩産物出入比較表』によると奄美・琉球の黒砂糖の生産高は明治2年(1869年)に2292万3千斤、代金85万5千両とあり、明治7年の砂糖と米の平均物価で黒砂糖の生産高を換算すると物産高約90万石に相当する。[15]

明治七年府県物産表による物産額と割合[14]
物産 物産額 (円) 物産高 (換算石高) 割合 個々の物産の生産額(生産高)・備考
農業227,286,70141,246,15461.05%
      142,799,02425,914,01338.36%(除外の鹿児島県の明治12年米生産高50万4210石)
      25,073,4754,550,1326.73%大麦・裸麦1990万2387円(812万4891石)
小麦517万1088円(173万3440石)
      大豆7,404,5451,343,7171.99%大豆(生産高181万9138石)
      その他雑穀類8,702,8381,579,3212.34%粟234万2882円(98万4594石)
稗96万5143円(93万5262石)
蕎麦115万8907円(45万8814石)
小豆150万2777円(33万7252石)
      芋類・菜種類11,658,0462,115,6083.13%甘藷275万5685円(1億3500万貫)
(除外の鹿児島県の明治12年甘藷生産高5989万貫)
大根272万1907円
      果実種類2,201,056399,4300.59%
      特殊農産物27,915,1675,065,8197.50%綿類743万4509円(1185万貫)
菜種603万6757円(92万7829石)
藍491万7261円
煙草255万0262円(3783万4777斤)
      その他1,532,556278,1160.41%
林業14,565,4052,643,2123.91%木材類236万2085円
薪類604万1696円
炭類227万2728円
皮葉類309万2482円
水産業7,276,3451,320,4521.95%魚介類698万4375円
(除外の北海道の明治7年水産物産額312万1353円)
畜産業7,478,0001,357,0472.01%牛類277万8446円
馬類268万8721円
工業111,891,55920,305,17630.05%
      繊維工業30,993,6575,624,4788.32%綿織物1085万6271円(2013万8657反)
絹織物458万1057円
染物類303万2564円
生糸類616万4752円(37万7千貫)
      食品工業46,944,8698,519,17512.61%酒類1860万5495円(343万1364石)
醤油633万8489円(94万6千石)
味噌613万3487円(5110万貫)
製茶395万1163円(1760万斤)
塩239万3802円(385万1千石)
砂糖239万3802円(1087万3423斤)
(除外の奄美・沖縄の明治2年黒糖生産高2292万3千斤)
      畳・障子製造業1,913,137347,1810.51%
      油・蝋製造業7,017,8561,273,5441.88%
      窯業等8,521,6901,546,4472.29%陶器類209万2030円
      出版・印刷業5,737,9861,041,2831.54%紙類516万6881円
      機械・製薬・その他10,762,3641,953,0672.89%諸器械類306万0854円
肥料類305万7391円
鉱業3,808,964691,2201.02%
総計372,306,97467,563,261100.00%

実体経済については、中村哲により明治初期の『全国農産表』をベースとした農業生産高に関する実収石高の変遷の試算[16]がなされていた。また最近になって高島正憲らにより、『明治七年府県物産表』をベースとした推定GDPの変遷の再試算がなされている[17]。以下の表にその詳細を示すが(1874年の数値は北海道・沖縄県を含み、江戸時代以前の数値は北海道・沖縄県を除く。また「石」は江戸時代のものを基準とする)、それによると幕末には石高換算のGDPは1億石を超えていたと推定され、石高は実体経済の3割前後しか反映していなかったことになる。このように時代が下るにつれ石高と実体経済の乖離がますます進行した。

古代~明治初期の日本の実質GDP・産業構造の変遷の推定[17]
西暦 全国人口
(千人)
耕地面積
(千町歩)
農業生産量
(千石)
実質粗付加価値額(石高ベース) 1人あたりGDP
第一次部門
(千石)
第二次部門
(千石)
第三次部門
(千石)
計(実質GDP)
(千石)
(石/人) (1990年国際ドル/人)
7306,1006406,3297,5024817118,6951.43388
9505,0001,0287,9909,47257588310,9302.19596
11505,9001,1099,03510,71167799812,3862.10572
12805,9501,2768,2789,8376681,09411,5991.95531
145010,0501,62113,93816,6161,3822,22120,2192.01548
160017,0002,49725,87930,6783,6527,30641,6352.45667
172131,2903,24941,17348,8088,43420,36177,6032.48676
180430,6913,89249,60458,80310,09124,40293,2963.04828
184632,2124,26556,57167,06211,69828,140106,9003.32904
187434,8404,59464,86177,10315,88836,551129,5413.721,013

所領別石高と天領石高の変遷

上記のように日本の総石高は天保期において3055万8917石を計上したが、天保13年(1842年)における所領別石高[18]は以下の通りであった。

所領別石高 (天保13年)
所領別 石高 (石) 割合 (%)
禁裏仙洞御料 (皇室御領)40,2470.1
御料所高 (天領)4,191,12313.7
万石以上総高 (大名領)22,499,49773.6
寺社御朱印地 (寺社領)294,4911.0
高家交替寄合179,4820.6
公家衆家領寺社除之分 (公家領)、
万石以下拝領高並込高之分 (旗本領)
3,354,07711.0
六拾余州並琉球国共30,558,917100.0

一般に「徳川八百万石」と呼ばれるが、これは旗本領などを加えた数字であり、実際の天領は約400万石を少し超える程度であった。これには大名預所も含まれる。また18世紀以降の天領の石高の変遷は以下の通りである[19]

天領石高変遷
内訳 元禄15年
(1702年)
享保15年
(1730年)
宝暦7年
(1757年)
天保9年
(1838年)
文久3年
(1863年)
郡代・代官支配地3,867,435.7003,602,3803,896,0003,284,478.266653,173,924.14438
   関東筋1,199,833.9061,076,4511,149,400932,014.13504882,192.33367
   畿内筋662,924.000668,647414,300463,696.31026521,454.30627
   海道筋497,333.000738,747715,300719,794.80472691,916.20596
   北国筋555,300.000267,118734,400355,058.24664240,506.50338
   奥羽筋455,394.794319,988380,000375,375.91618378,040.55971
   中国筋252,050.000407,564365,000284,327.64181286,813.23685
   西国筋244,600.000123,865137,600154,211.21200173,000.99854
遠国奉行支配地138,188.000139,6519,100144,196.73099149,406.53199
   浦賀(相模国)奉行7707006,517.382993,456.14331
   神奈川(武蔵国)奉行6,187.78250
   伏見奉行4,320.0004,4945,0005,166.682005,174.96700
   佐渡奉行130,433.000130,952132,512.66600132,572.37700
   新潟(越後国)奉行2,015.26218
   長崎奉行3,435.0003,4353,400
代官・遠国奉行支配地合計4,005,623.7003,742,0313,905,1003,428,674.997643,323,330.67637
大名預所739,025577,800763,366.31504752,411.43166
   関東筋12,70044,551.89540
   畿内筋42,272255,800106,465.5148183,296.10637
   海道筋59,90930,40070,710.7808270,710.78082
   北国筋397,955123,700254,358.19707256,785.96562
   奥羽筋180,207103,500170,964.18122166,818.83083
   中国筋34,27323,300111,829.02950103,141.17024
   西国筋24,40928,40049,038.6116227,106.68238
総石高4,481,0564,482,9004,192,041.312684,075,742.10803

寛文4年(1664年)の諸藩の石高(表高)

幕末の大藩・中藩の石高(表高、内高)

全ての座標を示した地図 - OSM

以下に幕末における公称の表高が10万石以上の藩について、その表高、内高と旧国別所領をまとめる。なお御三卿は本表には含まれない。また喜連川藩を10万石格とする文献もあるが、幕末の「万石以上分限帳」などに漏れていること、諸役負担の義務を免除されていることなどから表から除外した。

  • 藩名は慶応3年旧暦1月1日(1867年2月5日)における藩庁所在地(藩主の居城)により定め、通称や府藩県三治制期の正式名称を括弧内に示す。なお「藩」が正式な行政区分となったのは明治元年(1868年)旧暦4月以降のことであり、明治2年までに金沢藩・鹿児島藩・山口藩・高知藩・佐賀藩などの藩庁所在地による呼称が正式名称として採用され、旧国名による加賀藩薩摩藩長州藩土佐藩・肥前藩、家名による前田藩・島津藩・毛利藩・山内藩・鍋島藩などはあくまでも通称という扱いとなる。
  • 「地図」は藩庁所在地(藩主の居城)。
  • 表高は慶応3年旧暦1月1日(1867年2月5日)における公称高[20]だが、長州藩に関しては実行されなかった10万石の減封処分を無視した。幕府の分限帳に記載された公称高と、幕府の発給する朱印状に記載される領知高が著しく異なる場合は別途記載する。なお公称高、領知高と、民間で発売された各武鑑に掲載された表高とが一致しない例が多々あるが、ここでは前者二つを優先する[21]
    • 私領同様預所を含む大名預所や役知等で与えられた所領は幕府天領であり、諸藩の石高には含まれない。
  • 内高は『各藩高並租税調帳』または『藩制一覧』による[22]。これらは明治2年旧暦6月12日(1869年7月20日)に明治政府が各藩へ報告提出を通達した郷村帳に基づくものであり、多くの場合明治2年(1869年)中の各藩の内高の状況を示す。ただし戊辰戦争による処分を受けた諸藩(仙台藩会津藩盛岡藩米沢藩庄内藩小田原藩桑名藩二本松藩棚倉藩)については『旧高旧領取調帳』により幕末の内高を算出した。
    • 本家の表高減少のない内分の支藩については、支藩の内高を本藩の内高に含めて示す。
幕末の大藩・中藩の表高、内高一覧
順位 藩名 居城の所在地 家名 大名類別 表高
(慶応3年)
内高
(明治2年)
領分
1金沢藩 (加賀藩)[23]北緯36度33分51.4秒 東経136度39分33.2秒前田家外様大名1,025,0001,338,083.562100加賀・越中・能登・近江
2鹿児島藩 (薩摩藩)[24]北緯31度35分53.6秒 東経130度33分15.8秒島津家外様大名728,700869,593.576640薩摩・大隅・日向・琉球
3仙台藩[25]北緯38度15分11.5秒 東経140度51分24.3秒伊達家外様大名620,0561,018,818.661160陸奥・常陸・下総・近江・蝦夷
4名古屋藩 (尾張藩)[26]北緯35度11分8秒 東経136度53分56.6秒尾張徳川家御三家619,500913,827.045900尾張・三河・美濃・近江・信濃・摂津
5和歌山藩 (紀州藩)[27]北緯34度13分39.4秒 東経135度10分17.5秒紀州徳川家御三家555,000615,453.638590紀伊・伊勢・大和・近江
6熊本藩 (肥後藩)[28]北緯32度48分22.2秒 東経130度42分21秒細川家外様大名540,000786,015.607170肥後・豊後
7福岡藩 (筑前藩)[29]北緯33度35分3.7秒 東経130度22分59.1秒黒田家外様大名473,100571,141.000000筑前
8広島藩 (芸州藩)[30]北緯34度24分9.8秒 東経132度27分32.6秒浅野家外様大名426,500483,580.779250安芸・備後
9萩藩 (長州藩、山口藩)[31]北緯34度25分3.2秒 東経131度22分56.9秒毛利家外様大名369,411978,004.000000周防・長門
10佐賀藩 (肥前藩)[32]北緯33度14分44.6秒 東経130度18分7.6秒鍋島家外様大名357,036886,525.420075肥前
11水戸藩[33]北緯36度22分30.5秒 東経140度28分44.1秒水戸徳川家御三家350,000313,415.839000常陸・下野
12津藩 (安濃津藩)[34]北緯34度43分3.5秒 東経136度30分27.8秒藤堂家外様大名323,950358,020.847000伊勢・伊賀・山城・大和・下総
13鳥取藩 (因州藩)[35]池田家外様大名320,000428,169.702000因幡・伯耆・武蔵
13福井藩 (越前藩)越前松平家親藩320,000336,194.039600越前
15岡山藩 (備前藩)[36]池田家外様大名315,200494,956.969600備前・備中
16若松藩 (会津藩)[37]会津松平家親藩280,000403,563.665740陸奥・越後・和泉・近江・蝦夷
17徳島藩 (阿波藩)蜂須賀家外様大名257,000442,735.000000阿波・淡路
18久留米藩[38]有馬家外様大名210,000366,271.710000筑後
19久保田藩 (秋田藩)[39]佐竹家外様大名205,800332,038.779000出羽・下野・蝦夷
20高知藩 (土佐藩)[40]山内家外様大名202,600495,486.000000土佐
21盛岡藩 (南部藩)[41]南部家外様大名200,000316,697.439000陸奥・蝦夷
21彦根藩[42]井伊家譜代大名200,000203,887.990000近江・下野・武蔵
23松江藩 (出雲藩)[43] 越前松平家親藩186,000288,029.180000 出雲
24米沢藩[44]上杉家外様大名180,000336,645.572940出羽
25厩橋藩 (前橋藩)越前松平家親藩170,000217,709.033840上野・下野・武蔵・安房・上総・常陸・近江
25鶴岡藩 (庄内藩、大泉藩) (領知高16万7071石余)[45]酒井家譜代大名170,000222,385.359110出羽・蝦夷
27郡山藩柳沢家譜代大名151,288152,912.299870大和・河内・近江
27香春藩 (小倉藩、豊津藩)[46]小笠原家譜代大名150,000212,770.764600豊前
29姫路藩酒井家譜代大名150,000211,224.081000播磨
29伊予松山藩久松松平家親藩150,000157,184.977000伊予
29高田藩榊原家譜代大名150,000154,104.158000越後・陸奥
32高松藩[33]水戸松平家親藩家門連枝120,000201,714.982000讃岐
33小田原藩[47]大久保家譜代大名113,129124,853.480340相模・伊豆・駿河・河内・摂津
34桑名藩[48]久松松平家親藩110,000144,439.117390伊勢・越後
34佐倉藩堀田家譜代大名110,000132,941.206910下総・常陸・下野・武蔵・相模・出羽
34備後福山藩阿部家譜代大名110,000112,728.682000備後・備中
37柳河藩立花家外様大名109,647155,394.060000筑後
38小浜藩酒井家譜代大名103,558106,599.348200若狭・越前・近江
39淀藩稲葉家譜代大名102,000113,314.627890山城・摂津・河内・和泉・近江・下総・常陸・上野
40二本松藩[49]丹羽家外様大名100,700133,487.127780陸奥
41弘前藩 (津軽藩)[50]津軽家外様大名100,000287,733.885000陸奥・蝦夷
41富山藩[23]前田家外様大名100,000159,297.871000越中
41忍藩奥平松平家譜代大名100,000141,752.473870武蔵・伊勢・播磨
41新発田藩溝口家外様大名100,000139,102.187350越後・陸奥
41大垣藩戸田氏譜代大名100,000131,106.431580美濃
41松代藩真田家外様大名100,000123,570.020000信濃
41中津藩奥平家譜代大名100,000119,994.301580豊前・備後・筑前
41棚倉藩[51]阿部氏譜代大名100,000112,997.053270陸奥・出羽・播磨・信濃・遠江
41津山藩越前松平家親藩100,000104,576.913000美作・讃岐
41宇和島藩[52]伊達家外様大名100,000100,402.120000伊予
41明石藩 (領知高8万石)[53]越前松平家親藩100,00090,304.109000播磨・美作
41大聖寺藩 (領知高8万石)[23]前田家外様大名100,00083,772.033000加賀
41対馬府中藩 (領知高3万3402石余)[54]宗家外様大名100,00052,174.778300対馬・肥前・筑前

脚注

関連項目

外部リンク

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