2013年伊丹・宝塚市長選挙
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伊丹市と宝塚市は隣接しており、共に兵庫県阪神北県民局の管内である。伊丹市は大阪府豊中市および池田市と府県境を接しており、これらの市境付近には大阪国際空港(伊丹空港)を擁する。伊丹・宝塚の両市長選とも2013年4月7日に告示され、同月14日に投開票された。また、両市長選に合わせて伊丹・宝塚市議会議員の補欠選挙(共に定数1)も同じ日程で執行された。
大阪府を地盤とする日本維新の会の共同代表を当時務めていた橋下徹大阪市長は、持論である「道州制」を唱えてきた。その是非を巡って、当時の井戸敏三兵庫県知事は橋下と対立してきた。当時、井戸は4選を目指して、兵庫県知事選挙(7月21日投開票)への立候補を表明していた。
井戸への対立候補擁立を模索していた日本維新の会は、伊丹・宝塚の両市長選とも、兵庫知事選の“前哨戦”と位置付けて、2人の現職市長に対立候補を立てた。これは、「維新の兵庫県本格進出」として大きな注目を集めた[1]。
立候補者
両選挙の立候補者をいずれも立候補届出順に示す。
伊丹市長選挙
| 候補者名 | 年齢 | 性別 | 所属党派 | 新現元別 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 服部好広 | 61 | 男 | 諸派[2](共産推薦) | 新 | 元三菱電機社員 |
| 藤原保幸 | 58 | 男 | 無所属(自民・民主・公明推薦) | 現(2) | 伊丹市長 |
| 阪上聡樹 | 53 | 男 | 無所属 | 新 | 元伊丹市総合政策部長 |
| 岩城敏之 | 52 | 男 | 維新(みんな推薦) | 新 | 前伊丹市議会議員 |
宝塚市長選挙
| 候補者名 | 年齢 | 性別 | 所属党派 | 新現元別 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 中川智子 | 65 | 女 | 無所属(民主支持) | 現(1) | 宝塚市長 |
| 樋之内登志 | 58 | 女 | 無所属(自民推薦) | 新 | 元宝塚市政策室長 |
| 渡部完 | 54 | 男 | 無所属 | 元(1) | 元宝塚市長 |
| 多田浩一郎 | 40 | 男 | 維新(みんな推薦) | 新 | 前宝塚市議会議員 |
| 山田利恵 | 43 | 女 | 無所属 | 新 | ウェブデザイナー |
開票結果
4月14日の即日開票の結果、両選挙の結果は下記の通りであった。
伊丹市
- 伊丹市長選挙[3]
※当日有権者数:156,434人 最終投票率:41.92%(前回比:+13.94[4]pts)
| 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 藤原保幸 | 58 | 無所属 | 現(2) | 41,267票 | 63.5% | 自民・民主・公明 |
| 岩城敏之 | 52 | 維新 | 新 | 13,041票 | 20.1% | みんな |
| 阪上聡樹 | 53 | 無所属 | 新 | 7,510票 | 11.6% | |
| 服部好広 | 61 | 諸派[2] | 新 | 3,194票 | 4.9% | 共産 |
- 伊丹市議会議員補欠選挙[5]
- 当選者‥斉藤真治(無所属・元)
- 落選者‥山澤慎太郎(維新・新)他2名
宝塚市
- 宝塚市長選挙[6]
※当日有権者数:183,974人 最終投票率:45.94%(前回比:+1.74pts)
| 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 中川智子 | 65 | 無所属 | 現(1) | 43,347票 | 51.8% | 民主 |
| 多田浩一郎 | 40 | 維新 | 新 | 23,561票 | 28.1% | みんな |
| 樋之内登志 | 58 | 無所属 | 新 | 9,748票 | 11.6% | 自民 |
| 渡部完 | 54 | 無所属 | 元(1) | 6,106票 | 7.3% | |
| 山田利恵 | 43 | 無所属 | 新 | 997票 | 1.2% |
- 宝塚市議会議員補欠選挙[6]
- 当選者‥浜崎史孝(無所属・元)
- 落選者‥宮崎美穂(維新・新)
選挙の論点
伊丹市では、現職で3選を目指す藤原市長(大阪国際空港周辺都市対策協議会会長を兼務)が「大阪国際空港を活かしたまちづくり」を最重点公約とした。これに対し、共同代表の橋下大阪市長が以前から「関西国際空港への機能集約」を理由に「大阪国際空港廃港」を主張し、前年には周辺都市対策協議会を脱退していたことから、維新の会の対応が注目された。しかし、維新が藤原市長の対抗馬として擁立した元伊丹市議会議員の岩城敏之は、空港の存廃について「判断は民間企業(新関空会社)に任せるべき」として、争点化を避ける方針を表明した[1]。
告示直前の4月2日、維新政調会長の浅田均大阪府議会議長は、伊丹市内で維新が主要政策の一つに掲げている大阪都構想に関連し、「大阪だけでなく周辺10市くらいを合併し、尼崎や西宮を越えて神戸まで特別区にしたい」との私案を述べていた[7]。この私案が神戸新聞で報道されたことを契機に、伊丹市と宝塚市では「両市を含む阪神間が兵庫県から大阪都に割譲される」との認識が広まり、井戸兵庫県知事と矢田立郎神戸市長が相次いで強い不快感を表明するなどした[8][9]。このことから、両市を含む兵庫県阪神地域の帰属問題が、大阪国際空港廃止問題と合わせて選挙の争点に浮上した。
両市長選と両市議補選の4選挙全てに公認候補を立てた維新は、告示当日と投票前日に橋下市長と松井知事が応援演説に入り、橋下市長が宝塚市の職員給与水準が日本一であることを指摘し「僕は宝塚市民にはなりたくない」と述べて市役所改革や職員給与削減を訴えた[10]。これに対し、伊丹市・宝塚市とも両現職市長は「大阪都への吸収反対」と「大阪国際空港存続」を訴えた。この2点についてはどちらも誤解であるとして、これらの争点化を避けていた両維新候補と両現職市長との論戦は、噛み合わない状態が続いた。