BYD・ラッコ
BYDが開発した軽EV
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開発
RACCOは、日本の軽自動車市場を前提として新規に開発された。BYDによれば、開発に先立って専門の調査チームを編成し、日本各地で軽自動車の利用実態を調査した。企画担当者の汪建偉(ワン・ジエンウェイ)は、日本市場について約2年間にわたり調査したとしている[6]。
『Response.』によれば、車両開発はBYDの本拠地である深圳の中国人エンジニアを中心とするチームが担当し、BYD Auto Japan側のエンジニアも日本の法規、道路環境、気候、軽自動車市場などについて要求や助言を行った。BYDの軽自動車開発ディレクターを務めた楊歩益(ヤン・ブーイー)は、開発スタッフが日本の道路、気候、法規や軽自動車技術を調査したうえで独自設計したと説明している[7]。
2025年10月、ジャパンモビリティショー2025でコンセプトモデルが世界初公開された[3]。量産車は中国・江蘇省常州市のBYD工場で生産され、日本へ輸出されていると報じられている[1]。
車名
「RACCO」の名称は、日本語の「ラッコ」に由来する。BYDは、ラッコの「賢さ」「愛らしさ」「親しみやすさ」と、海洋環境を想起させる存在であることを命名理由としている[6]。また、名称には「Reliable(信頼できる)」「Affectionate(親しみ)」「Clever(賢い)」「Cozy(心地よい)」「Ocean(海)」の頭文字を重ねた意味も持たせている[6]。
設計・メカニズム

車体寸法は全長3,395 mm、全幅1,475 mm、全高1,800 mm、ホイールベース2,520 mmで、日本の軽自動車規格に合わせた寸法となっている[3]。基本骨格はBYDの電気自動車用プラットフォーム「e-Platform 3.0」の技術を基礎として新たに開発され、リン酸鉄リチウムイオン電池を車体構造の一部として利用する「CTB(Cell to Body)」方式を採用する[3]。
RACCO向けには、駆動用バッテリーと電子制御ユニット、DC-DCコンバーター、車載充電器、高電圧配電ユニット、バッテリーコントローラーなどをバッテリーユニット周辺に統合した「X-PACK」が新たに開発された[8]。BYDによれば、シャシーの約70%に高強度鋼板を使用し、ルーフとサイドパネルの接合にはレーザー溶接を採用している[8][3]。
駆動用モーターは全グレード共通で、前輪を駆動する最高出力47 kW(64 PS)、最大トルク160 N·mの電動機を搭載する[3]。駆動用電池にはBYDのリン酸鉄リチウムイオン式「ブレードバッテリー」を使用し、「200」は22.40 kWh、「300Plus」と「300Premium」は35.84 kWhの容量を持つ[9]。
一充電走行距離はWLTCモードで200が210 km、300Plusおよび300Premiumが320 km。普通充電の最大入力は200が3 kW、300系が6 kW、急速充電はそれぞれ最大35.8 kWと49.7 kWである[9]。CHAdeMO方式の急速充電に対応するほか、V2L(Vehicle to Load)およびV2H(Vehicle to Home)機能も備える[1][9]。
BYDはRACCOを「世界初のSDV(Software Defined Vehicle)ベースの軽EV」と位置づけており、無線通信によるOTA(Over The Air)アップデートに対応する[8]。
装備
左右の電動スライドドア、50:50分割可倒式の後席、10.1インチのセンターディスプレイ、Apple CarPlayおよびAndroid Autoへの対応、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)、衝突被害軽減ブレーキ、6個のエアバッグ、4輪ディスクブレーキなどを全車に装備する[9]。後席はチップアップおよびダイブダウンが可能な構造となっている[3]。
上級グレードでは装備が追加され、300Plusには前席シートヒーター、アラウンドビューモニター、アルミホイールなど、300Premiumには合成皮革シート、電動運転席、ステアリングヒーター、足元センサーを用いたハンズフリー式スライドドアなどが設定される[9]。300シリーズには幼児置き去り検知機能も設定されている[10]。
荷室容量は通常時280 L、後席を格納した状態で最大1,372 Lと報じられている[1]。