CTCF

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転写抑制因子CTCF(別名: CCCTC結合因子(CCCTC-binding factor)、11-zinc finger protein)は、ヒトではCTCF遺伝子にコードされる転写因子である[5][6]。CTCFは、転写の調節、インスレーター活性、V(D)J組換えクロマチン構造の調節など、多くの細胞過程に関与する[7]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号CTCF, MRD21, CCCTC-binding factor, FAP108, CFAP108
染色体16番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
CTCF
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1X6H, 2CT1

識別子
記号CTCF, MRD21, CCCTC-binding factor, FAP108, CFAP108
外部IDOMIM: 604167 MGI: 109447 HomoloGene: 4786 GeneCards: CTCF
遺伝子の位置 (ヒト)
16番染色体 (ヒト)
染色体16番染色体 (ヒト)[1]
16番染色体 (ヒト)
CTCF遺伝子の位置
CTCF遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点67,562,467 bp[1]
終点67,639,177 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
8番染色体 (マウス)
染色体8番染色体 (マウス)[2]
8番染色体 (マウス)
CTCF遺伝子の位置
CTCF遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点105,636,568 bp[2]
終点105,682,922 bp[2]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 DNA結合
transcription corepressor activity
DNA-binding transcription factor activity
zinc ion binding
金属イオン結合
chromatin insulator sequence binding
RNA polymerase II cis-regulatory region sequence-specific DNA binding
DNA-binding transcription repressor activity, RNA polymerase II-specific
血漿タンパク結合
核酸結合
DNA-binding transcription factor activity, RNA polymerase II-specific
sequence-specific DNA binding
DNA-binding transcription activator activity, RNA polymerase II-specific
クロマチン結合
細胞の構成要素 核質
染色体
核小体
セントロメア
condensed chromosome
細胞核
生物学的プロセス regulation of transcription, DNA-templated
regulation of gene expression, epigenetic
regulation of centromeric sister chromatid cohesion
染色体分離
transcription, DNA-templated
positive regulation of transcription, DNA-templated
negative regulation of transcription, DNA-templated
protein localization to chromosome, centromeric region
negative regulation of cell population proliferation
chromatin organization
negative regulation of transcription by RNA polymerase II
positive regulation of gene expression
DNAメチル化
regulation of gene expression by genetic imprinting
maintenance of DNA methylation
遺伝子発現の負の調節
regulation of histone methylation
regulation of histone acetylation
positive regulation of transcription by RNA polymerase II
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_001191022
NM_006565
NM_001363916

NM_181322
NM_001358924

RefSeq
(タンパク質)

NP_001177951
NP_006556
NP_001350845

NP_851839
NP_001345853
NP_001390652
NP_001390653
NP_001390654

NP_001390655
NP_001390656
NP_001390657
NP_001390658
NP_001390659
NP_001390660
NP_001390661

場所
(UCSC)
Chr 16: 67.56 – 67.64 MbChr 16: 105.64 – 105.68 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
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発見

CCCTC結合因子もしくはCTCFは、ニワトリのc-myc遺伝子の負の調節因子として発見された。このタンパク質は規則的に配置された3つのリピート配列に結合することが判明し、そのコア配列はCCCTCであったためCCCTC結合因子と名付けられた[8]

機能

CTCFの主要な機能は、クロマチンの三次元構造の調節であると考えられている[7]。CTCFはDNAの鎖を束ねてクロマチンのループを形成し、核ラミナのような細胞構造へDNAを固定する[9]。また、CTCFは活性なDNA領域とヘテロクロマチン領域の境界の決定も行う。

DNAの三次元構造は遺伝子の調節に影響するため、CTCFの活性は遺伝子発現に影響する。CTCFは、エンハンサープロモーター間の相互作用を防ぐインスレーター活性の主要な部分を占めていると考えられている。CTCFの結合によって遺伝子発現の促進と抑制のどちらも引き起こされることが示されている。CTCFがループ形成によってのみ遺伝子発現に影響を与えているのか、それとも他の未知の活性が存在するのかは不明である[7]

活性

CTCFの結合は、下に示すように多くの影響を与えることが示されている。それぞれの場合で、CTCFが直接的に変化を引き起こすのか、間接的に(特にループ形成によって)引き起こすのかは不明である。

転写調節

CTCFはIGF2遺伝子の抑制に重要である。CTCFはH19インプリンティング制御領域とDMR-1(differentially-methylated region 1)、MAR3(matrix attachment region 3)に結合して抑制を行う[10][11]

CTCFの標的配列エレメントへの結合によってエンハンサーとプロモーター間の相互作用が防がれ、エンハンサー活性は特定の機能ドメイン内に限定される。エンハンサーのブロックの他に、CTCFはヘテロクロマチン構造の拡大を防ぐ障壁としても機能する[12]

クロマチン構造の調節

CTCFは互いに物理的に結合してホモ二量体を形成し[13]、それによってDNAのループが形成される[14]。CTCFは核ラミナに結合しているDNA領域の境界にも頻繁に出現する[9]クロマチン免疫沈降(ChIP)とその後のChIP-seq英語版によって、CTCFはゲノム全域にわたってコヒーシンと共局在し、遺伝子調節機構とクロマチンの高次構造に影響を与えていることが判明した[15]

RNAスプライシングの調節

CTCFはmRNAのスプライシングに影響を与えることが示されている[16]

DNA結合

CTCFは CCGCGNGGNGGCAG というコンセンサス配列に結合する[17][18]。この配列はCTCFが持つ11個のジンクフィンガーモチーフによって決定される。CTCFの結合は結合配列のCpGメチル化によって阻害される[19]

19種類の細胞(12種類の正常細胞と7種類の不死化細胞)には平均して55,000箇所、総計で77,811箇所のCTCF結合部位が存在するという報告がなされている[20]。CTCFの複数の配列に結合する能力はジンクフィンガーをさまざまな組み合わせで用いることで可能になっており、「多価タンパク質」としての性質を獲得している[5]。30,000以上のCTCF結合部位が同定されているという報告もなされている[21]。ヒトゲノムは細胞種に応じて15,000から40,000のCTCF結合部位を含んでおり、CTCFが広範に遺伝子調節に利用されていることが示唆される[12][17][22]。加えて、CTCFの結合部位はヌクレオソームを配置するアンカーとしても機能しており、さまざまなゲノム上のシグナルのアラインメントにCTCF結合部位を利用した場合には、近接するヌクレオソームが容易に同定される[12][23]。一方、高分解能でのヌクレオソームのマッピングの研究においては、細胞種間でのCTCFの結合の差異はヌクレオソームの位置の違いによるものであることが示されている[24]。一部の遺伝子では、メチル化によるCTCFの結合部位の喪失が男性不妊などのヒトの疾患に関係していることが判明している[18]

タンパク質間相互作用

CTCF自身はホモ二量体を形成する[13]。この活性はCTCFがループを形成する機構としての可能性の1つである。

CTCFはYボックス結合タンパク質1英語版と相互作用することが示されている[25]。また、CTCFはコヒーシンと共局在し、CTCFによって組織された抑制ループ構造が安定化される[26]

出典

関連文献

外部リンク

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