FGF18
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FGF18(fibroblast growth factor 18)は、ヒトではFGF18遺伝子にコードされるタンパク質である[5][6][7]。1998年に、マウスでFgf8と密接に関連している遺伝子としてFgf17とともに発見され、記載された[8]。
FGF18タンパク質はFGFファミリーに属する。FGFファミリーのメンバーは幅広い分裂促進活性や細胞生存活性を有し、胚発生、細胞成長、形態形成、組織修復などさまざまな生物学的過程に関与している。中でもFGF8、FGF17、FGF18の3つのタンパク質はまとめてFGF8サブファミリーへと分類される[9]。FGF18は軟骨形成の促進[10]や関節の硝子軟骨の形成[11]における役割が特定されており、またin vitroではPC12細胞の神経突起の成長を誘導することが示されている[12]。
機能
FGF18は線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)ファミリー、特にFGFR3c(続いて、4Δ、2c、1c、最後に3b)に選択的に結合し[13]、FGFR3を介したシグナル伝達によって軟骨の形成を促進する[14]。変形性関節症のラットモデルにおいて、FGF18は軟骨の厚みの増加を引き起こすことが示されており[15]、組換え型FGF18(スプリフェルミン)は変形性関節症治療薬としての臨床試験が行われている[16]。近年のプラセボ対照盲検化臨床試験では、FGF18が人工関節手術を要するまでの進行速度を遅らせ[17]、変形性関節症と関連した痛みの進行(WOMACスコアによる)を遅らせる可能性が示されている[18]。
マウスやニワトリのホモログの研究からは、FGF18がいくつかの組織で増殖を刺激する多面的な成長因子であることが示唆されており、特にこの作用は肝臓と小腸で顕著である。マウスのFgf18遺伝子のノックアウト研究では、このタンパク質が小脳の正中部構造の増殖と分化を調節している可能性が示唆されている[7]。
また心臓では、FGF18はストレスによって誘発される病理的な心肥大を緩和することがマウスで示されている[19]。同様に、肝臓におけるFGF18の過剰発現は化学物質によって誘発された肝損傷後の線維化を緩和することが確認されている[20]。
がんとの関係においては、FGF18はいくつかの種類やステージにおいて増加[21]と減少[22]の双方が示されている。しかしながら、FGF18はがんの原因や予後に影響を与える因子ではないようであり[22]、FGF18アナログであるスプリフェルミンを用いた長期の臨床研究では、発がん作用を持たない優れた安全性プロファイルが実証されている[23]。