Fish -フィッシュ-
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本作の前日譚については『ペット』を参照。
ロン、桂木を殺され、ヒロキ、悟に逃げられてから2年後――。「会社」は、手元に残ったメイリンの能力を使って人の記憶を操り、M&Aで次々と企業を買収して急成長していた。ヒロキに記憶を消された司もまた会社の元に残っていたが、子どものような精神状態のままである。ジンはロンを失った痛手に苦しみながらも、代わりに司を「ロンロン」と呼んで、再び会社側の能力者として仕事をさせるべくメイリンとともに養育していた。「会社」は、司とメイリンを必ずや取り返しに来るであろうヒロキと悟を「賊」と呼び警戒していたが、屋敷への侵入を許してしまう。彼らの撃退には成功し、ヒロキに重傷を負わせたものの、社長が彼らが起こした火事によって負傷、療養の身となり、以降の会社の指揮をジンが執ることとなった。
さらに5年後――。会社の社員でジン班のボディガードのリーダーを務めるハオはジンの身を案じながら、ボディガードや社員間での人間関係にもくまなく気を配っていた。ある日、彼のもとにジェンシーという若いハッカーが配属されるが、そのことがハオを慕うチェンの心をかき乱してしまい、チームの信頼の絆が揺るぎ始める。ジンは仕事のためにメイリンと司を連れて日本に向かい、ハオらボディガードのチームやジェンシーも同行する。怪我を治療しながら2年前から日本に潜伏していたヒロキと悟は、今度こそ司、メイリン、そして林を取り戻すべく、ジン率いる「会社」に戦いを挑む[1]。
用語
- 場所
- 人の記憶が詰まっている部分のこと。記憶操作能力者たちは催眠術などを用いて人の記憶の場所に潜り込み、記憶の中の人物に成り代わったりすることで記憶を改変する。
- 「場所」の中でも「ヤマ」と「タニ」の2つは人格形成において特別な意味を持ち、どちらかひとつでも壊せば人は「潰れて」しまい、日常生活も送れなくなってしまう。
- ヤマ
- 「ヤマ」とはその人の心を支え続ける、最も尊く大切な記憶の「場所」のこと。その場所を書き換えたり壊したりすることで記憶の改変や廃人化が起こる。普通の人間はそれぞれ自分の「ヤマ」を持っているが、記憶操作能力者たちは「ヤマ」を持たずに成長するので意識を持つことができず、ヤマ親から「ヤマ」を分けられる。そのため、彼らが持つ「ヤマ」の風景は少しずつ異なりつつそれぞれ似ている。
- タニ
- 「タニ」とはその人の心を痛め続ける、最も忌むべき記憶によって作り上げられたトラウマのような「場所」である。「ヤマ」と同じく人格の根幹に関わるため、書き換えや破壊により記憶の改変や廃人化が起こる。
- 潰し屋
- ターゲットになった人間の記憶を改変したり、時に「ヤマ」や「タニ」を破壊して廃人に追い込むこともある能力者。イメージを持たないため、記憶の改変などはほとんど行えず人格破壊による廃人化のみを行う。本作ではジンがこれにあたるほか、レイもまた同様の素質を持っているのをヒロキによって見いだされる。
- 会社
- 本作の登場人物たちが属する中国マフィアの呼称。前作で中国有数の財閥の乗っ取りに成功し、メイリンの記憶操作能力を駆使して次々にM&Aを成功させ、急成長を遂げている。会社に忠実な社員を国内外から集めて育てる養成所が存在するなどかなり大規模な組織である。
- 社員
- 会社に所属する者たちのこと。会社のさまざまな犯罪の指示役。社員は会社への忠誠心が強く信頼を得た者しかなることができない。会社は社員より下の多くの協力者を使って仕事を行なっている。
- イメージ
- 記憶操作能力者がその能力を使用する際に用いる疑似記憶。個人によって疑似記憶の形は異なる。ヒロキは「金魚」、ロン(司)は「水」、悟は「ドア」、メイリンは「蝶」、林は「風」のイメージを使う。
- ベビー
- 記憶操作能力者になりうる感応力の高い子供に「ヤマ」のみを分け与え、鍵の作り方を教えないまま能力のみを使えるようにしたもの。自らの記憶と外部との区別がつかないため、周囲とのコミュニケーションが取れない。分け与えられた「ヤマ」を意識しているときのみ、「ヤマ」の中で自我を保っていることができる。メイリンがこれにあたる。
- 鍵
- 人の記憶に感応しすぎるせいで自らの記憶を形作れない記憶操作能力者が「ヤマ親」からもらった「ヤマ」を「タニ」を使って覆い隠し、感応を鈍くすること。また、「ヤマ」に勝手に入られて記憶を操作されたり、潰されたりしないようにするための防壁。そのため鍵を作ることができないと他人の記憶に感応しすぎ、記憶と外部の区別がつかず、周囲とのコミュニケーションが取れない状態となる。
- 気功術師
- かつて「会社」に所属していた術師たち。作中詳しくは触れられないが、催眠術を操り記憶操作能力者や潰し屋のように人を潰す能力を持っていたらしい。彼らの一人の裏切りによって社長の父親は殺されたため、社長によって皆殺しにされている。