IL17RD
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IL17RD(interleukin 17 receptor D)またはSef(similar expression to FGF)は、ヒトではIL17RD遺伝子によってコードされているタンパク質である[5]。
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| 識別子 | |||||||||||||||||||||||||
| 記号 | IL17RD, HH18, IL-17RD, IL17RLM, SEF, interleukin 17 receptor D | ||||||||||||||||||||||||
| 外部ID | OMIM: 606807 MGI: 2159727 HomoloGene: 9717 GeneCards: IL17RD | ||||||||||||||||||||||||
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| オルソログ | |||||||||||||||||||||||||
| 種 | ヒト | マウス | |||||||||||||||||||||||
| Entrez | |||||||||||||||||||||||||
| Ensembl | |||||||||||||||||||||||||
| UniProt | |||||||||||||||||||||||||
| RefSeq (mRNA) | |||||||||||||||||||||||||
| RefSeq (タンパク質) | |||||||||||||||||||||||||
| 場所 (UCSC) | Chr 3: 57.09 – 57.17 Mb | Chr 3: 26.76 – 26.83 Mb | |||||||||||||||||||||||
| PubMed検索 | [3] | [4] | |||||||||||||||||||||||
| ウィキデータ | |||||||||||||||||||||||||
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このタンパク質は、インターロイキン-17受容体(IL-17R)ファミリーに属する膜タンパク質である。IL-17RDは線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)シグナル伝達を制限することが記載されている。
同定
IL-17RDは、ゼブラフィッシュの胚発生を調節する遺伝子に関する大規模in situハイブリダイゼーションスクリーニングにおいて、いくつかの線維芽細胞増殖因子(FGF)遺伝子と類似した時空間的発現パターンを示す遺伝子群(協働発現遺伝子群)の1つとして発見され、Sef(similar expression to FGF)と命名された。後にIL-17受容体との配列類似性をもとに、IL-17RDという名称が用いられるようになった。IL-17RDはFGFRと共免疫沈降され、FGFシグナル伝達を阻害するものの、FGFRへのリガンド結合ではなくその後のシグナル伝達の段階に干渉することが明らかにされた[6][7]。
構造
発生におけるIL-17RD
IL-17RD(Sef)は、ゼブラフィッシュやアフリカツメガエルの胚においてFGFシグナル伝達に関与している遺伝子群の1つとして同定された。1細胞期の胚にsef mRNAを注入することで胚の腹側化が誘導され、またFGFRのドミナントネガティブ変異体であるXFDの注入後も同様の効果が観察されることから、FGFシグナル伝達の負の調節因子として機能していることが示唆された。そして共免疫沈降アッセイによって、IL-17RDの細胞内領域、ただしSEFIRドメインとは異なる領域がFGFRとの結合に重要であることが明らかにされた[6]。FGFR刺激によって活性化される経路の1つが、Ras/MAPK経路である。胚に多量のRas、RafもしくはMEKを注入すると細胞周期の停止が引き起こされるが、この影響がIL-17RDの共注入によってレスキューされることからも、IL-17RDがFGFシグナル伝達を負に調節する役割を有すること支持される。FGFやFGFR自体の過剰発現では細胞周期の停止は引き起こされないため、IL-17RDはFGFシグナル伝達を受容体段階ではなく、その下流のシグナル伝達の段階で調節しているようである[7]。
炎症におけるIL-17RD
IL-17シグナル伝達
IL-17受容体ファミリーは、SEFIR(Sef and IL-17R)ドメインを有する、構造的に類似した受容体のグループである[9]。IL-17RAはIL-17RCとともに、IL-17を結合する受容体複合体として機能する。IL-17は主にTh17細胞によって産生される炎症性サイトカインであり、細胞外病原体の除去やいくつかの自己免疫疾患(乾癬や関節リウマチなど)に重要な役割を果たしている[10]。IL-17RDはIL-17RAと結合して共局在し、IL-17シグナル伝達を媒介し、そしてIL-17の下流の分子であるTRAF6と相互作用することが報告されている。さらに、IL-17RDの細胞内ドメインの欠失はドミナントネガティブ変異体としてIL-17シグナル伝達を抑制する。対照的に、細胞外ドメインの欠失はIL-17シグナル伝達には影響を及ぼさない[11]。IL-17RD全体をノックアウトしたマウスでは異常な表現型は観察されない[12]。このことは、IL-17RCがある程度IL-17RDの代替として機能しているためと説明される可能性がある。一方、イミキモド誘発性乾癬に対する保護効果はIL-17RCもしくはIL-17RDを欠失した場合には失われる[13]。
TLRシグナル伝達
SEFIRドメインとTIRドメインとの類似性から、IL-17RDがTLRシグナル伝達に関与している可能性の研究が行われている。ある研究では、TLRの刺激後にIL-17RDがTIRアダプタータンパク質(MyD88、Mal、TRIFなど)と相互作用することが発見されている。さらに、この相互作用はSEFIRドメインを欠くIL-17RDでは失われる。この研究では、IL-17RDはTLRによって誘導される炎症促進経路を標的として、NF-κBやIRF3の上流のシグナル伝達を阻害していると結論付けられている[14]。
TNFシグナル伝達
IL-17RDの発現はTNFによって誘導され、TNFによって活性化されたNF-κBを阻害するフィードバックループとして機能していることが報告されている[15]。一方、腎細胞に焦点を当てた他の研究では、IL-17RDはTNF受容体の中でもTNFR1ではなくTNFR2と結合し、NF-κBの活性化を亢進していることが記載されている[16]。こうした対照的な研究結果は、IL-17RDが組織によって異なる役割を果たしている可能性を示唆している。