IL17RD

From Wikipedia, the free encyclopedia

IL17RD(interleukin 17 receptor D)またはSef(similar expression to FGF)は、ヒトではIL17RD遺伝子によってコードされているタンパク質である[5]

記号IL17RD, HH18, IL-17RD, IL17RLM, SEF, interleukin 17 receptor D
染色体3番染色体 (ヒト)[1]
終点57,170,306 bp[1]
概要 識別子, 記号 ...
IL17RD
識別子
記号IL17RD, HH18, IL-17RD, IL17RLM, SEF, interleukin 17 receptor D
外部IDOMIM: 606807 MGI: 2159727 HomoloGene: 9717 GeneCards: IL17RD
遺伝子の位置 (ヒト)
3番染色体 (ヒト)
染色体3番染色体 (ヒト)[1]
3番染色体 (ヒト)
IL17RD遺伝子の位置
IL17RD遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点57,089,982 bp[1]
終点57,170,306 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
14番染色体 (マウス)
染色体14番染色体 (マウス)[2]
14番染色体 (マウス)
IL17RD遺伝子の位置
IL17RD遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点26,760,898 bp[2]
終点26,829,243 bp[2]
遺伝子オントロジー
分子機能 interleukin-17 receptor activity
細胞の構成要素 細胞質
integral component of membrane
ゴルジ体

ゴルジ膜
細胞膜
integral component of plasma membrane
核質
生物学的プロセス MAPK cascade
サイトカイン媒介シグナル伝達経路
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_017563
NM_001318864

NM_027265
NM_134437

RefSeq
(タンパク質)

NP_001305793
NP_060033

NP_602319

場所
(UCSC)
Chr 3: 57.09 – 57.17 MbChr 3: 26.76 – 26.83 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
閉じる

このタンパク質は、インターロイキン-17受容体(IL-17R)ファミリーに属する膜タンパク質である。IL-17RDは線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)シグナル伝達を制限することが記載されている。

同定

IL-17RDは、ゼブラフィッシュ胚発生を調節する遺伝子に関する大規模in situハイブリダイゼーションスクリーニングにおいて、いくつかの線維芽細胞増殖因子(FGF)遺伝子と類似した時空間的発現パターンを示す遺伝子群(協働発現遺伝子群)の1つとして発見され、Sef(similar expression to FGF)と命名された。後にIL-17受容体との配列類似性をもとに、IL-17RDという名称が用いられるようになった。IL-17RDはFGFRと共免疫沈降され、FGFシグナル伝達を阻害するものの、FGFRへのリガンド結合ではなくその後のシグナル伝達の段階に干渉することが明らかにされた[6][7]

構造

IL-17RDはI型膜貫通タンパク質であり、細胞外のIg様ドメインフィブロネクチンIII型ドメイン、約20アミノ酸からなる短い膜貫通ドメイン、そして細胞内のSEFIRドメインから構成される。SEFIRドメインはIL-17受容体に共通して同定されるドメインである[8]。SEFIRドメインは、Toll様受容体IL-1受容体ファミリー英語版に特徴的なTIRドメインとの配列類似性がみられ、TIRドメインのbox 1、2と呼ばれる領域が共通している[9]

発生におけるIL-17RD

IL-17RD(Sef)は、ゼブラフィッシュやアフリカツメガエルの胚においてFGFシグナル伝達に関与している遺伝子群の1つとして同定された。1細胞期の胚にsef mRNAを注入することで胚の腹側化が誘導され、またFGFRのドミナントネガティブ変異体であるXFDの注入後も同様の効果が観察されることから、FGFシグナル伝達の負の調節因子として機能していることが示唆された。そして共免疫沈降アッセイによって、IL-17RDの細胞内領域、ただしSEFIRドメインとは異なる領域がFGFRとの結合に重要であることが明らかにされた[6]。FGFR刺激によって活性化される経路の1つが、Ras/MAPK経路である。胚に多量のRas、RafもしくはMEKを注入すると細胞周期の停止が引き起こされるが、この影響がIL-17RDの共注入によってレスキューされることからも、IL-17RDがFGFシグナル伝達を負に調節する役割を有すること支持される。FGFやFGFR自体の過剰発現では細胞周期の停止は引き起こされないため、IL-17RDはFGFシグナル伝達を受容体段階ではなく、その下流のシグナル伝達の段階で調節しているようである[7]

炎症におけるIL-17RD

IL-17シグナル伝達

IL-17受容体ファミリーは、SEFIR(Sef and IL-17R)ドメインを有する、構造的に類似した受容体のグループである[9]IL-17RA英語版IL-17RC英語版とともに、IL-17を結合する受容体複合体として機能する。IL-17は主にTh17細胞によって産生される炎症性サイトカインであり、細胞外病原体の除去やいくつかの自己免疫疾患乾癬関節リウマチなど)に重要な役割を果たしている[10]。IL-17RDはIL-17RAと結合して共局在し、IL-17シグナル伝達を媒介し、そしてIL-17の下流の分子であるTRAF6英語版と相互作用することが報告されている。さらに、IL-17RDの細胞内ドメインの欠失はドミナントネガティブ変異体としてIL-17シグナル伝達を抑制する。対照的に、細胞外ドメインの欠失はIL-17シグナル伝達には影響を及ぼさない[11]。IL-17RD全体をノックアウトしたマウスでは異常な表現型は観察されない[12]。このことは、IL-17RC英語版がある程度IL-17RDの代替として機能しているためと説明される可能性がある。一方、イミキモド誘発性乾癬に対する保護効果はIL-17RCもしくはIL-17RDを欠失した場合には失われる[13]

TLRシグナル伝達

SEFIRドメインとTIRドメインとの類似性から、IL-17RDがTLRシグナル伝達に関与している可能性の研究が行われている。ある研究では、TLRの刺激後にIL-17RDがTIRアダプタータンパク質MyD88Mal英語版TRIF英語版など)と相互作用することが発見されている。さらに、この相互作用はSEFIRドメインを欠くIL-17RDでは失われる。この研究では、IL-17RDはTLRによって誘導される炎症促進経路を標的として、NF-κBIRF3英語版の上流のシグナル伝達を阻害していると結論付けられている[14]

TNFシグナル伝達

IL-17RDの発現はTNFによって誘導され、TNFによって活性化されたNF-κBを阻害するフィードバックループとして機能していることが報告されている[15]。一方、腎細胞に焦点を当てた他の研究では、IL-17RDはTNF受容体の中でもTNFR1ではなくTNFR2英語版と結合し、NF-κBの活性化を亢進していることが記載されている[16]。こうした対照的な研究結果は、IL-17RDが組織によって異なる役割を果たしている可能性を示唆している。

出典

関連文献

Related Articles

Wikiwand AI