Jibo
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2014年、マサチューセッツ工科大学のシンシア・ブリジール准教授は、人間の共感にアプローチするロボットとしてJiboを設計[4][5]。同年にクラウドファンディングサイト「インディーゴーゴー」で Jibo を紹介すると、目標額の10万ドルを上回る50万ドル以上の資金が2日で集まった[6]。また、2015年には、株式会社電通が運用するコーポレート・ベンチャーキャピタル・ファンド「電通ベンチャーズ1号グローバルファンド」が Jibo に3.7億円の出資をしたほか[7]、KDDIのベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」も数億円規模の出資をした[8]。
Jibo の形状は、円柱型の胴体に大きな丸い頭がついているというもので、大きさは小さな花瓶程度[4]。感情を表す顔と物理的な相互作用に反応するセンサーを備えたロボットで、持ち主と一緒に踊ったり、話したり、ゲームをしたりすることができた[2]。そして、機械学習と音声認識・顔認識、自然言語処理を活用し、人間とのやり取りからユーザーのニーズ等を学んでいった[4]。設計者のブリジールは Jibo について「従来とはかなり違うコンセプトであり、焦点は人間との関わりだ。平面スクリーンを超えて、コンテンツやアプリやサーヴィスを『生きたものにする』ことに焦点を置いている」と説明している[6]。
クラウドファンディング実施時、Jibo は2015年12月出荷予定とされたが[9]、実際に発売されたのは2017年であった[5]。同年には『タイム』誌の "The 25 Best Inventions" に選出されたものの[3][10]、「発売当初から状況は良くなかった」との指摘もあり、Justin Jaffe は「喜ばれはしたが熱烈な歓迎ではなかった」「899ドルと値段が高いのに、Amazonの『Alexa』や『Google Assistant』に比べてできることは少なかった」と回想している[5]。
2019年には、Jibo 自身がユーザーにサービス終了を告げる発言をしたとしてSNSで話題になった[3]。具体的には、下記のようなメッセージを表示したという[2]。
この原因は、Jibo を運営する企業としての Jibo 社が経営破綻に陥ったこととされる[2]。なお、Jibo 社2018年に資産を売却したと報じられている[5][11][12]。
評価
アーロン・パーザナウスキーは、Jibo の事例を引きつつ、モノのインターネットのリスクについて以下のように指摘している[2]。
ジーボの例から明らかなのは、モノのインターネットが修理にもたらすリスクである。物理的な部品は修理できる。画面が故障すれば交換可能だ。センサーの不調も調整可能だ。デバイスに組み込まれたソフトウェアも、アップデートしたり修正パッチを当てたりできる。ところが、機能のほとんどはプラスチック製の筐体に収められていなかった。それはサーバに収められて、修理どころかアクセスすらできない。購入者があとになって理解するのは、ジーボの基本操作が、持ち主にはコントロール不可能なハードウェアとソフトウェアに基づいている、という点だ。どこにあるのかもわからないリモートサーバにデバイスを接続するテザーは、スマートデバイスのーー絶対的な特徴とまでは言わないまでもーー中核となる機能である。今日、構築されているモノのインターネットは、根本的なレベルにおいて、修理との互換性がない[2]。
脚注
- 1 2 “家庭用ソーシャルロボット「Jibo」、「もうすぐサーバが停止します。一緒にいられて楽しかった」と突然のお別れ”. ITmedia NEWS. 2025年9月28日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 アーロン・パーザナウスキー 著、西村伸泰 訳『修理する権利 使い続ける自由へ』青土社、2025年、19-20頁。ISBN 978-4-7917-7695-5。
- 1 2 3 Inc, mediagene (2019年3月7日). “「今まで本当に本当にありがとう!」ソーシャルロボットJiboが、続々とユーザーに別れを告げている…”. www.gizmodo.jp. 2025年9月28日閲覧。
- 1 2 3 Glaser, April (2016年7月5日). “家庭用ロボットは「Jibo」のようであるべきだ:最新デモ動画”. WIRED.jp. 2025年9月28日閲覧。
- 1 2 3 4 “踊るソーシャルロボット「Jibo」がお別れのメッセージ--12月には開発元が資産売却”. CNET Japan (2019年3月6日). 2025年9月28日閲覧。
- 1 2 Clark, Liat (2014年7月22日). “ロボット「JIBO」がクラウドファンドで人気を集める理由”. WIRED.jp. 2025年9月28日閲覧。
- ↑ “電通が運用するベンチャーファンド「電通ベンチャーズ」、ソーシャルロボット開発の米国スタートアップ企業「Jibo社」に出資 - News(ニュース)”. 電通ウェブサイト. 2025年9月28日閲覧。
- ↑ “KDDIがロボット事業に参入--家族向け知能ロボ「Jibo」の日本展開を支援”. CNET Japan (2015年8月6日). 2025年9月28日閲覧。
- ↑ “MITメディアラボの研究者が開発する家庭用アシスタントロボット「Jibo」、499ドルで予約受付中”. ITmedia NEWS. 2025年9月28日閲覧。
- ↑ Staff, TIME. “The 25 Best Inventions of 2017” (英語). TIME. https://time.com/5023212/best-inventions-of-2017/ 2025年9月28日閲覧。
- ↑ Crowe, Steve (2018年11月27日). “Social robot maker Jibo sells off assets” (英語). The Robot Report. 2025年9月28日閲覧。
- ↑ “Jibo Is Probably Totally Dead Now - IEEE Spectrum” (英語). spectrum.ieee.org. 2025年9月28日閲覧。