Mad2
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| Mitotic spindle checkpoint component Mad2 | |||||||
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| 識別子 | |||||||
| 由来生物 | |||||||
| 3文字略号 | Mad2 | ||||||
| 代替略号 | YJL030W | ||||||
| Entrez | 853422 | ||||||
| RefSeq (mRNA) | NM_001181464 | ||||||
| RefSeq (Prot) | NP_012504 | ||||||
| UniProt | P40958 | ||||||
| 他データ | |||||||
| 染色体 | X: 0.39 - 0.39 Mb | ||||||
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Mad2(mitotic arrest deficient 2)は、紡錘体チェックポイントに必要不可欠なタンパク質である。紡錘体チェックポイントは、細胞周期の中期から後期への移行を制限する調節システムである。 Mad2の遺伝子は出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいて、変異によって微小管毒に対する感受性が出現する遺伝子のスクリーニングから最初に同定された[1]。Mad2のヒトオルソログ(MAD2L1とMAD2L2)は、キネトコア結合タンパク質を喪失した酵母株の微小管毒感受性をレスキューするヒトcDNAの探索からクローニングされた[2]。Mad2タンパク質は未接着のキネトコアに存在することが示されており、微小管毒ノコダゾールに応答して中期から後期への移行を防止するために必要不可欠であることが抗体を用いた阻害研究から明らかにされている[2]。その後ヒト配列との共通性からアフリカツメガエルXenopus laevisのオルソログがクローニングされ、卵抽出液を用いてチェックポイントの特徴付けを行うことが可能となった[3]。

中期から後期への進行は、姉妹染色分体の分離によって特徴づけられる。姉妹染色分体の分離と後期への移行を防ぐ細胞周期監視機構は紡錘体チェックポイント(SAC)と呼ばれる。紡錘体チェックポイントは染色体分離のエラーに対する安全装置として機能し、すべての姉妹染色分体が二方向型(bi-oriented)配置となるまで後期への移行を遅らせる。
微小管がキネトコアに接着すると染色体は中期板(metaphase plate)に整列し、適切な二方向型配置が達成されるとSACは不活性化される。後期への移行はAPCCdc20の活性化によって媒介される。APCCdc20はユビキチンリガーゼであり、セキュリンに分解のためのタグをつける。セキュリンの分解によって、セキュリンに結合しているプロテアーゼであるセパラーゼが解放されて活性化される。セキュリンに結合したセパラーゼは阻害状態であるが、この阻害が解除されると、活性化されたセパラーゼは姉妹染色分体を結び付けているコヒーシン複合体を切断する[5]。
Cdc20が存在しない場合、APCは活性化されず、後期は開始されない。Mad2はAPC、Cdc20と三者複合体を形成し、直接的な物理的相互作用によってAPCの活性を阻害することが示されている[6][7]。微小管に接着していないキネトコアはMad2によるCdc20の隔離を触媒する。中期の哺乳類細胞を紡錘体脱重合剤であるノコダゾールで処理すると、Mad2は全ての姉妹染色分体のキネトコアに局在するようになる[5]。

